濃度は、溶けている量を溶液全体の質量で割った値です
食塩水の濃度(質量パーセント濃度)は、溶けている食塩の質量を食塩水全体の質量で割り、100を掛けて求めます。割る数は水の質量ではなく、食塩を加えた全体の質量です。そのため、水100 gに食塩10 gを溶かすと 10 ÷ 110 × 100 = 9.09 % で、10 %にはなりません。10 %にするには、水90 gに食塩10 gを溶かします。水1 Lに食塩50 gを溶かすと4.77 %です。
上の計算機は、この考え方を3つの欄の式(① 入れるもの + ② 水 = ③ できあがりの溶液)で解きます。わかっている量を入れると、③の濃度を質量 %、ppm、g/L、mol/Lなど複数の単位でまとめて表示します。「目標の濃度に合わせる」を選ぶと、10 %の食塩水500 gには食塩50 gと水450 gが必要、というように逆算もできます。食塩・砂糖・塩酸は20 °Cで測った溶液の密度表を使うため、実際の体積も求められます。
濃度の計算が必要になる場面
目分量で足りる作業も多いのですが、濃度が結果を左右する場面もあります。次のような場面で使います。
- 理科の問題を解くとき: 中学理科の質量パーセント濃度の問題で、食塩水を混ぜる、水を蒸発させる、食塩を足すといった問いの答えを確認できます。計算の内訳に、溶けている食塩の量と式がそのまま出ます。
- 次亜塩素酸ナトリウムを薄めるとき: 厚生労働省のマニュアルは、6 %の原液から0.1 %(1000 ppm)の消毒液を作る方法を60倍希釈として載せています。市販の漂白剤は製品によって濃度が違うため、ラベルの%を入れて計算します。
- 農薬や液肥を希釈するとき: ラベルの「1000倍」は、薬剤の量に対して薄めたあとの液量が1000倍になるという意味です。作りたい液量から、必要な薬剤の量を逆算できます。
- 料理のとき: 漬け物の塩水、ブライン液、砂糖のシロップをレシピの%どおりに作るときに使います。レシピが「水に対して」か「全体に対して」かで、入れる食塩の量が変わります。水1 Lで10 %にするには、食塩100 gではなく110.9 gが必要です。
- 実験用の溶液を作るとき: モル濃度で決めた溶液を作る、36 %の濃塩酸のような濃い原液を薄めるときに、原液を何mL取ればよいかを求めます。
使い方
- 計算方法を選ぶ: 入れた量がわかっていて濃度を知りたいときは「濃度を求める」、作りたい濃度が決まっているときは「目標の濃度に合わせる」を選びます。
- 物質を選ぶ: 食塩・砂糖・塩酸には密度表と分子量が入っています。漂白剤や肥料のように一覧にないものは「自由入力」を選び、モル単位が必要なときだけ分子量を入れます。原液の密度がわかれば一緒に入れます。
- ①と②を選ぶ: ①は純粋な物質(食塩の粉など)か、すでにある溶液(原液)です。②は水・別の溶液・蒸発のどれかです。2種類の食塩水を混ぜる問題では①②とも「食塩水」を、水を蒸発させる問題では②を「蒸発」にします。
- 量と単位を入れる: 欄の右側で g・kg・mg、または mL・L を選びます。体積で入れた水や溶液は、20 °Cの密度で質量に直して計算します。
- 目標の濃度に合わせる: ③に目標の濃度を入れ、3つの欄のうちわかっている量を1つ入れます。最後に入れた欄に「基準」の印が付き、残りの2つが計算されます。できあがりの量がわかるなら③、手元の水の量がわかるなら②、手元の原液の量がわかるなら①を入れます。
- 単位を切り替える: 「ほかの単位で」の欄を押すと、③をその単位で表示します。目標の濃度に合わせるときは、同じ濃度をその単位に直して入力欄に表示します。
計算の方法
計算機は、すべての量を質量に直してから、「溶けている物質の質量は、混ぜても変わらない」という考え方で解きます。
- 濃度を求める: 質量パーセント濃度 = 溶質 ÷ (溶質 + 水)× 100。2つの溶液を混ぜるときは、それぞれの溶質の質量を求めて足し、全体の質量で割ります。蒸発では溶質はそのままで、水だけが減ります。
- 目標の濃度を作る: できあがりの質量 W と目標 c が決まれば、溶質は W × c、水は W − W × c です。水の質量 w を基準にすると、溶質は w × c ÷ (1 − c) です。
- 2つの濃度を混ぜて合わせる: 濃度 c₁ の①と c₂ の②を混ぜて c を作るとき、① : ② = (c − c₂) : (c₁ − c) です(質量の比)。水で薄めるなら c₂ = 0 です。
- 体積をもとにした単位: g/L = 質量パーセント濃度 × 10 × 密度(g/mL)、mol/L = g/L ÷ 分子量です。同じ4.77 %の食塩水でも、密度を1とみなすと47.7 g/L、実際の密度1.0323 g/mLを使うと49.24 g/Lになります。
- 希釈倍数: できあがりの溶液の体積 ÷ 原液の体積で、原液のg/L ÷ できあがりのg/L とも等しくなります。原液の体積 = できあがりの体積 ÷ 倍数です。
質量パーセント濃度 = 溶質 ÷ 溶液全体 × 100 · ppm = 質量パーセント濃度 × 10,000 · mol/kg = 溶けている物質量 ÷ 水のkg
水1 Lに食塩を溶かしたときの濃度表
20 °Cの水1 L(998.2 g)に食塩を溶かしたときの値です。体積はCRCの密度表から求めた実際の値で、食塩100 gを溶かしても体積は1,032 mLで、水1 Lより約32 mL増えるだけです。
| 食塩 | 質量 % | g/L | 体積(mL) | mol/L |
|---|---|---|---|---|
| 10 g | 0.9919 | 9.971 | 1,003 | 0.1706 |
| 30 g | 2.918 | 29.73 | 1,009 | 0.5087 |
| 50 g | 4.77 | 49.24 | 1,015 | 0.8426 |
| 100 g | 9.106 | 96.89 | 1,032 | 1.658 |
| 150 g | 13.06 | 142.9 | 1,050 | 2.445 |
| 200 g | 16.69 | 187.2 | 1,068 | 3.203 |
| 250 g | 20.03 | 229.9 | 1,087 | 3.934 |
| 300 g | 23.11 | 271.1 | 1,107 | 4.638 |
| 350 g | 25.96 | 310.7 | 1,126 | 5.316 |
目標の濃度ごとの食塩と水の量
できあがりの食塩水の質量を決めたか、手元の水の量を決めたかによって、入れる食塩の量が変わります。水1 Lを基準にすると、食塩が加わった分だけ、できあがりの質量は1 kgより大きくなります。
| 目標 | 食塩(g) · できあがり1 kg | 水(g) · できあがり1 kg | 食塩(g) · 水1 L | できあがりの体積(mL) · 水1 L |
|---|---|---|---|---|
| 1 % | 10 | 990 | 10.08 | 1,003 |
| 2 % | 20 | 980 | 20.37 | 1,006 |
| 3 % | 30 | 970 | 30.87 | 1,009 |
| 5 % | 50 | 950 | 52.54 | 1,016 |
| 10 % | 100 | 900 | 110.9 | 1,036 |
| 15 % | 150 | 850 | 176.2 | 1,059 |
| 20 % | 200 | 800 | 249.6 | 1,087 |
| 25 % | 250 | 750 | 332.7 | 1,120 |
同じ食塩水を単位別に見ると
質量 %とppmは質量どうしの割合なので、温度が変わっても同じ値です。g/Lとmol/Lは溶液1 Lを基準にするため密度が関わり、質量モル濃度(mol/kg)は水1 kgに溶けている物質量なので、密度を使わず質量だけで求められます。海水は、NOAAの説明では質量のおよそ3.5 %が溶けている塩類です。生理食塩水の0.9 %は、溶液100 mLに0.9 gという体積基準(w/v)の表記です。
| 質量 % | ppm | g/L | mol/L | mol/kg | 密度(g/mL) |
|---|---|---|---|---|---|
| 0.1 % | 1,000 | 0.9989 | 0.01709 | 0.01713 | 0.9989 |
| 0.5 % | 5,000 | 5.009 | 0.08571 | 0.08598 | 1.0018 |
| 1 % | 10,000 | 10.05 | 0.172 | 0.1728 | 1.0053 |
| 3.5 % | 35,000 | 35.81 | 0.6128 | 0.6206 | 1.0232 |
| 5 % | 50,000 | 51.7 | 0.8846 | 0.9006 | 1.0340 |
| 10 % | 100,000 | 107.1 | 1.832 | 1.901 | 1.0707 |
| 20 % | 200,000 | 229.6 | 3.928 | 4.278 | 1.1478 |
| 26 % | 260,000 | 311.3 | 5.326 | 6.012 | 1.1972 |
体積は単純には足し算になりません
砂糖1 kgと水1 kgを混ぜると質量は2 kgですが、体積は2 Lではなく約1,627 mLです。溶けた分子が水の分子のすき間に入り込むためです。そのため「砂糖1 : 水1」のシロップのように質量で決めたレシピを、カップで量ると濃度が変わります。次の表は、水1 kgに砂糖を溶かしたときに実際に増える体積です。
| 砂糖 | 質量 % | 全体の質量(g) | 体積(mL) | 増えた体積(mL) |
|---|---|---|---|---|
| 250 g | 20 | 1,250 | 1,156 | 154.5 |
| 500 g | 33.33 | 1,500 | 1,312 | 310.4 |
| 1,000 g | 50 | 2,000 | 1,627 | 624.9 |
| 1,500 g | 60 | 2,500 | 1,943 | 941.6 |
| 2,000 g | 66.67 | 3,000 | 2,261 | 1,259 |
砂糖2 kg+水1 kg(2:1のシロップ)は66.67 %で、PubChemの「砂糖1 gは水0.5 mLに溶ける」という値と同じ飽和に近い濃さです。常温では溶け残りやすくなります。
原液を薄める方法と希釈倍数
原液を水で薄めると、溶けている物質の量は変わらず、体積だけが増えます。厚生労働省の「高齢者介護福祉施設における感染対策マニュアル」は、6 %の次亜塩素酸ナトリウムから0.1 %(1000 ppm)を作る場合を「60倍、原液16.7 mL+蒸留水983.3 mL」と示し、0.05 %(500 ppm)なら「120倍、原液8.3 mL+蒸留水991.7 mL」です。同じ資料に、市販の漂白剤(塩素濃度約5 %)で1000 ppmを作る例として「500 mLのペットボトル1本の水に10 mL」(資料の表記は50倍)もあります。この計算機は希釈倍数をできあがりの体積 ÷ 原液の体積で数えるため、水500 mLに原液10 mLは510 ÷ 10 = 51倍になります。この計算機に「6 %の原液、目標0.05 %、できあがり1 L」を入れると、原液8.333 mLと水991.7 mLになり、資料の値と一致します(資料は8.3 mLと丸めています)。
農薬の「希釈倍数」も考え方は同じです。CropLife Japanは、5 g(または5 mL)の薬剤に水を加えて5 L(5000 g)にすると1000倍の散布液になる、と説明しています。つまり倍数は、できあがりの液量を薬剤の量で割った値です。
| 目標 | 原液(mL) | 水(mL) | 希釈倍数 | 原液 : 水 |
|---|---|---|---|---|
| 200 ppm | 4 | 996 | 250 | 1 : 249 |
| 500 ppm | 10 | 990 | 100 | 1 : 99 |
| 1,000 ppm | 20 | 980 | 50 | 1 : 49 |
| 5,000 ppm | 100 | 900 | 10 | 1 : 9 |
同じ方法で、1000倍希釈はできあがり20 Lに原液20 mLです。水20 Lに加える場合は原液20.02 mLになり、倍数が大きいほど2通りの差は小さくなります。製品に表示された原液の濃度は製品ごとに違うため、ラベルの%を入れて計算してください。
実験用の溶液:モル濃度と濃い酸の希釈
モル濃度(mol/L)で決めた溶液は、溶かす物質をはかりで量り、水を加えて全体の体積を標線に合わせる方法が最も正確です。1 mol/Lの塩化ナトリウム水溶液1 Lなら、58.44 gを溶かして1 Lにします。濃い原液を薄めるときは、原液の質量パーセント濃度と密度から、原液のモル濃度を先に求めます。CRCの表では、36 %の塩酸は20 °Cで密度1.1791 g/mL、11.64 mol/Lなので、1 mol/Lの塩酸500 mLには原液42.95 mLが必要です。
| 目標 | できあがりの質量 % | 原液(mL) | 原液(g) | できあがりの密度(g/mL) |
|---|---|---|---|---|
| 0.1 mol/L | 0.3646 | 8.59 | 10.13 | 1.0000 |
| 0.5 mol/L | 1.81 | 42.95 | 50.64 | 1.0072 |
| 1 mol/L | 3.589 | 85.9 | 101.3 | 1.0159 |
| 2 mol/L | 7.059 | 171.8 | 202.6 | 1.0330 |
| 6 mol/L | 19.93 | 515.4 | 607.7 | 1.0976 |
結晶水を含む試薬は分子量が違います。硫酸銅(II)五水和物(CuSO₄·5H₂O、約249.7 g/mol)を、無水物(CuSO₄、約159.6 g/mol)の分子量で計算すると、実際の濃度が約36 %低くなります。自由入力には、瓶に書かれた化学式の分子量を入れてください。濃い酸を扱うときは、保護具を着け、実験室の安全規則に従ってください。
間違えやすい点
- 水の質量で割る: 水100 gに食塩10 gは10 %ではなく9.09 %です。分母には、食塩を加えた全体の質量を入れます。
- mLとgを同じと考える: 水は20 °Cで1 mLが0.9982 gなのでほぼ同じですが、10 %の食塩水1 mLは1.0707 g、50 %の砂糖水1 mLは1.2295 gです。濃い溶液をカップで量ると質量が変わります。
- ppmとmg/Lを混同する: 薄い水ではほぼ同じですが、濃くなるほど差が開きます。4.77 %の食塩水は47,700 ppmで、49,240 mg/Lです。
- 「1:50」を50倍と読む: 原液1に水50なら51倍希釈です。案内に原液と水の量が書いてあれば、その数字で計算してください。
- 溶ける量を超える: 25 °Cで食塩は26.47 %、砂糖は66.67 %あたりまでしか溶けません。計算上の濃度がそれより高くても、実際には溶け残ります。
- 体積をそのまま足す: 食塩50 gを50 mLとみなして1,050 mLと見積もりがちですが、水1 Lに食塩50 gを溶かした実際の体積は約1,015 mLです。体積基準の正確な濃度が必要なら、溶かしてから全体を標線に合わせてください。
この計算機の限界
- 20 °Cが基準: 水と溶液の密度は20 °Cの値です。温度が違うと体積と体積基準の濃度(g/L・mol/L)が少し変わり、質量 %・ppm・mol/kgは変わりません。
- 密度表の範囲: 食塩は26 %、砂糖は80 %、塩酸は40 %まで表があり、それより濃い値は表の最後の区間を延ばして見積もります。
- 自由入力の物質: 密度がわからないときは溶液1 mLを水と同じ質量とみなし、原液の密度を入れると水と原液の間を直線で結んで見積もります。漂白剤のように薄めて使う溶液では差が小さいものの、濃い溶液の体積基準の値は実際と違うことがあります。
- 飽和: 飽和濃度は25 °Cの値で、溶けない量は警告するだけです。濃度は入れた量のままで計算します(教科書の問題と同じ扱いです)。
- 測定の代わりにはなりません: 消毒液や薬品の使用濃度は、製品のラベルと公的機関の案内に従ってください。正確な濃度が必要な実験は、はかり・メスフラスコ・比重計で確かめてください。
出典
- 01CRC Handbook of Chemistry and Physics: Concentrative Properties of Aqueous Solutions20 °Cの質量 %ごとの密度・質量モル濃度・モル濃度の表。塩化ナトリウム10 % 1.0707 g/mL(1.901 mol/kg・1.832 mol/L)、スクロース50 % 1.2295 g/mL、塩化水素36 % 1.1791 g/mL(11.642 mol/L)
- 02NIST Chemistry WebBook: Water熱物性データ。20 °C・0.101325 MPaでの水の密度 0.998207 g/mL
- 03PubChem: Sodium Chloride(CID 5234)溶解度 '36.0 g/100 g of water at 25 °C'
- 04PubChem: Sucrose(CID 5988)溶解度 '1 g dissolves in 0.5 ml water'
- 05厚生労働省: 高齢者介護福祉施設における感染対策マニュアル(平成25年3月)6 %製剤の希釈表:0.1 %(1000 ppm)60倍は原液16.7 mL+蒸留水983.3 mL、0.05 %(500 ppm)120倍は原液8.3 mL+蒸留水991.7 mL。市販の漂白剤(塩素濃度約5 %)では500 mLの水に10 mLで1000 ppm(50倍)
- 06CropLife Japan: 製品ラベルに示された希釈倍数で散布液を作る方法希釈倍数の定義。5 g(または5 mL)の薬剤に水を加えて5 L(5000 g)にすると1000倍の散布液
- 07米国海洋大気庁(NOAA): Why is the ocean salty?平均塩分は約35‰で、海水の質量の約3.5 %が溶けている塩類
- 08DailyMed: 0.9 % Sodium Chloride Injection(Baxter) ラベル250 mLに塩化ナトリウム2.25 g、500 mLに4.5 g(溶液100 mLあたり0.9 g、w/v)
よくある質問
食塩水の濃度はどう計算しますか。
溶けている食塩の質量を、食塩水全体の質量(食塩+水)で割って100を掛けます。水100 gに食塩10 gを溶かすと 10 ÷ 110 × 100 = 9.09 %で、10 %にはなりません。水1 L(20 °Cで998.2 g)に食塩50 gを溶かすと 50 ÷ 1,048.2 × 100 = 4.77 %です。
10 %の食塩水を作るには、食塩と水をどれだけ入れますか。
できあがりの食塩水の質量の10 %が食塩です。食塩水500 gを作るなら、食塩50 gと水450 gが必要です。水2 L(1,996 g)を基準にすると、食塩は 1,996 × 10 ÷ 90 = 221.8 gで、できあがりは2,218 g、体積は約2,072 mLになります。
ppmとmg/Lは同じ単位ですか。
この計算機のppmは溶液1 kgに含まれるmg(質量基準)、mg/Lは溶液1 Lに含まれるmgです。薄い水では1 Lがほぼ1 kgなので近い値になりますが、濃くなるほど差が開きます。食塩4.77 %の溶液は47,700 ppm、49,240 mg/Lです。
希釈倍数と「1:49」のような比は、どう違いますか。
希釈倍数は、できあがりの溶液の体積を原液の体積で割った値です。「1:49」は原液1に水49を混ぜるという意味です。厚生労働省の資料にある6 %の原液16.7 mLと蒸留水983.3 mLなら、合計1,000 mLで60倍希釈、0.1 %(1000 ppm)、比は1:59です。「1:50」とだけ書かれていると50倍か51倍かわからないため、原液と水の量もあわせて確認してください。
砂糖1 kgと水1 kgを混ぜると2 Lになりますか。
なりません。50 %の砂糖水2,000 gの20 °Cの密度は1.2295 g/mL(CRC表)なので、体積は約1,627 mLです。溶けた物質が水の分子のすき間に入るため、体積は単純には足し算になりません。水1 Lに食塩50 gを溶かしても、体積は約1,015 mLで、15 mLほど増えるだけです。
モル濃度(mol/L)はどう求めますか。
溶液1 Lに含まれる物質量です。食塩(分子量58.44 g/mol)4.77 %の溶液は1 Lに49.24 g含まれ、0.8426 mol/Lです。モル濃度は溶液の体積が基準なので密度が必要で、水1 kgを基準にする質量モル濃度(0.8571 mol/kg)は質量だけで求められます。
36 %の塩酸から1 mol/Lの塩酸500 mLを作るには、どれだけ必要ですか。
CRC表では、36 %の塩酸は20 °Cで密度1.1791 g/mL、11.64 mol/Lです。塩化水素0.5 mol(18.23 g)が必要なので、原液42.95 mLを水に加え、全体を500 mLに合わせます。濃い酸は保護具を着け、実験室の安全規則に従って扱ってください。
2種類の食塩水を混ぜたり、水を蒸発させたりすると、濃度はどうなりますか。
食塩の量をすべて足し、全体の質量で割ります。8 %の食塩水300 g(食塩24 g)と12 %の食塩水200 g(食塩24 g)を混ぜると 48 ÷ 500 × 100 = 9.6 %です。水を蒸発させても食塩はそのままなので、8 %の食塩水200 gから水40 gを蒸発させると 16 ÷ 160 × 100 = 10 %になります。