距離と入射角まで反映して計算するカンデラ・ルクス変換ツール
上の入力欄に光度か照度を入れ、距離と入射角を選ぶと、すぐ下の結果欄に換算値とフットカンデラ、距離ごとの明るさの変化が表示されます。計算ボタンはなく、距離と角度を空欄にすると例の値で計算します。
- 使用した式
- —
- 代入した値
- —
- フットカンデラ換算
- —
- 基準の判定
- —
この変換ツールは、光が一点から四方へ均一に広がるという点光源モデルを使っています。実際の照明器具には大きさがあり配光にも偏りがあるため、距離が器具の最大寸法の 5 倍より近いと計算値が実測より大きく出やすくなります。壁や天井からの反射光や他の照明の寄与も含まれていないので、竣工検査や法的な判断が必要な場面では照度計の実測値を基準にしてください。
すぐ使える形で。
- すぐ見える画面入力場所と結果の場所をはっきり分けます。
- 結果を先に大事な数字を先に出し、過程は必要な分だけ見せます。
- 求めるものを減らす登録や余計な入力なしで使えるようにします。
カンデラとルクスを距離でつなぐ計算は、どこまで信用できるか
照明のスペックシートにはカンデラが書かれ、現場が求める値はルクスで指定されます。この二つは同じ光を別の側から見た値なので、間をつなぐ情報がもう一つ必要です。それが光源から面までの距離です。距離が決まって初めて、光源が出した光の強さがその面でどれだけ薄まったかを計算できます。
このページのカンデラ・ルクス変換では、二つの単位がそれぞれ何を測る値なのか、なぜ距離の二乗が出てくるのか、光が斜めに入るとどれだけ落ちるのかを実際の数字で追います。計算結果が法令の定める作業面照度のどの区分に入るかも画面でそのまま確認でき、計算が外れる条件も併せて整理しました。
カンデラは光源側の値、ルクスは面側の値
カンデラ(cd)は光源がある方向へどれだけ強い光を出しているかを表す SI 基本単位です。一方ルクス(lx)は、その光が届いた面の 1 平方メートルが実際に何ルーメン受け取っているかを表します。だから照明器具を替えなくても机を光源に近づければルクスは上がりますが、カンデラは変わりません。スペックシートに cd が書かれ、現場の要求が lx で書かれる理由はここにあります。
- カンデラ(cd)— 光源が一方向へ出す光の強さ。距離とは無関係です。
- ルーメン(lm)— 光源が全方向へ出す光の総量。電球のパッケージに大きく書かれている値はたいていこれです。
- ルクス(lx)— 面が受ける光の密度。1 lx は 1 平方メートルが 1 ルーメンを受けている状態です。
- フットカンデラ(fc)— ルクスと同じ考え方を平方フィート基準にした単位。米国の図面や機器でよく見かけます。
距離がなければ換算そのものが成り立ちません
光度を照度に変える式は、距離の二乗で割る形になります。光が広がる面積が距離の二乗に比例して大きくなるため、同じ光源でも二倍離れれば明るさは半分ではなく四分の一になります。この関係を逆二乗の法則と呼び、結果の下にある距離ごとの棒がまさにこの減衰を示しています。
- 距離 2 倍 → 照度 1/4(25%)
- 距離 3 倍 → 照度 1/9(約 11%)
- 距離 5 倍 → 照度 1/25(4%)
- 距離を半分に → 照度 4 倍
光が斜めに入るときは入射角を入れます
逆二乗の法則だけを使うと、光が面に正面から当たると仮定した値になります。実際には壁を照らすスポットライトや角度を付けたダウンライトのように光が傾いて入ることが多く、このとき同じ光がより広い面積に広がって照度がコサインの比率だけ落ちます。入射角の欄に角度を入れるとこの補正が反映され、垂直入射に対して何パーセントかが状態欄に表示されます。
- 0 度 — 面の法線と平行な正面入射。減衰なし。
- 30 度 — 垂直入射の約 86.6%
- 45 度 — 約 70.7%
- 60 度 — ちょうど 50%
- 90 度に近づくと光が面をかすめるだけになり、照度は 0 に収束します。
値を一つ入れるだけで結果が出ます
換算の向きを選んで値の欄に数字を入れた瞬間に結果が更新されます。距離と入射角を空欄にするとそれぞれ例の距離 2 m と 0 度で計算し、どの値が代わりに使われたかを状態欄に書きます。桁区切りは入れても入れなくても構わず、よく使う条件のチップを押すと四つの代表的な状況が一度に埋まります。
- 換算の向きで cd → lx か lx → cd を選びます。
- 値の欄に光度か照度を数字で入れます。
- 距離を入れ、単位を m、cm、ft、in から選びます。
- 面が傾いていれば入射角を入れます。空欄なら 0 度です。
- 結果をコピーすると、入力値・式・結果・フットカンデラ・適用した基準がまとめて写ります。
例その一 — 1,000 cd の照明が 2 m 下の机につくる明るさ
光度 1,000 cd の照明を机から 2 m 上に正面向きで取り付けたとします。1,000 を距離の二乗である 4 で割ると 250 lx になります。ツールでも結果欄に 250 lx、その横に 23.23 fc が表示されます。250 lx は労働安全衛生規則の普通の作業(150 lx 以上)は満たしますが、精密な作業や一般的な事務作業に必要な 300 lx には届きません。図面作業や検査業務をここで行うなら、照明を下げるか光度を上げる必要があります。
- 入力 — 1,000 cd · 2 m · 0 度
- 計算 — 1,000 ÷ 2² = 250
- 結果 — 250 lx(23.23 fc)、普通の作業の区分
- 同じ照明を 1 m まで下げれば 1,000 lx、4 m に上げれば 62.5 lx になります。
- 照明を 45 度傾けると、同じ 2 m でも 176.8 lx まで落ちます。
逆向き — 事務室の 300 lx を出すには光度がいくら必要か
要求照度が先に決まっている場合の方が多いはずです。天井高 2.4 m の事務室で机上 300 lx を目標にしたなら、向きを lx → cd に変えて 300 と 2.4 を入れます。300 に 2.4 の二乗である 5.76 を掛けて 1,728 cd が出ます。あとは器具のスペックシートでその角度の光度が 1,728 cd 以上の製品を選べば済みます。ただしこれは照明一台が受け持つ分なので、複数灯を配置する計画なら一台あたりに必要な光度はその分下がります。
- 入力 — 300 lx · 2.4 m · 0 度
- 計算 — 300 × 2.4² = 1,728
- 結果 — 1,728 cd、目標照度 300 lx は 27.87 fc
- 天井高が 2.7 m になると、必要な光度は 2,187 cd に増えます。
結果がどの区分に入るかを判断する基準
ツール右側のラダーは、日本の法令が定める作業面照度の区分です。計算された照度がどの欄に入るか自動で表示されるので、数字だけを見て感覚で判断しなくて済みます。事務室については事務所衛生基準規則 第10条が、それ以外の作業場については労働安全衛生規則 第604条が基準を定めています。
| 作業の区分 | 基準 |
|---|---|
| 一般的な事務作業(事務所衛生基準規則 第10条) | 300ルクス以上 |
| 付随的な事務作業(事務所衛生基準規則 第10条) | 150ルクス以上 |
| 精密な作業(労働安全衛生規則 第604条) | 300ルクス以上 |
| 普通の作業(労働安全衛生規則 第604条) | 150ルクス以上 |
| 粗な作業(労働安全衛生規則 第604条) | 70ルクス以上 |
感光材料を取り扱う作業場や坑内の作業場などは、これらの基準の適用外です。
ルーメンやワットと混同しやすいところ
電球のパッケージにはたいていルーメンとワットが書かれています。ワットは消費電力なので明るさとは直接つながらず、ルーメンは四方へ出る総量なのでどの方向にどれだけ寄っているかを教えてくれません。そのためルーメンだけからルクスを直接求めることはできず、配光角や立体角の情報があって初めてカンデラへ移れます。この変換ツールにルーメンの入力欄がないのもそのためです。
- ワット — 消費電力。同じワットでも発光効率で明るさは大きく変わります。
- ルーメン — 全方向の光束の総量。配光が違えば同じルーメンでも床面照度は変わります。
- カンデラ — 特定方向の光度。スポットライトのように狭く絞るほど大きくなります。
- 狭い角度に絞った照明はルーメンが小さくてもカンデラが大きく、正面の照度は高く出ます。
フットカンデラ表記のスペックを読むとき
米国でつくられた照明図面や照度計の設定では、ルクスの代わりにフットカンデラが使われます。1 フィートは正確に 0.3048 メートルと定義されているので、1 fc は 0.3048 の二乗で割った値、およそ 10.7639 lx になります。ツールの結果にはルクスとフットカンデラが並んで出るため、二つの規格の文書を並べて比べるときに別途計算する必要がありません。
- 1 fc = 10.7639 lx(正確には 1 ÷ 0.3048²)
- 1 lx = 0.0929 fc
- 30 fc ≈ 323 lx — 米国 OSHA が事務所に求める最低値
- 10 fc ≈ 108 lx、5 fc ≈ 54 lx、3 fc ≈ 32 lx
この計算が実測とずれる条件
逆二乗の法則は、光が一点から出ていると見なせるときにだけ正確です。器具が大きかったり拡散板が広かったりすると近距離での誤差が大きくなり、照明業界では器具の最大寸法の 5 倍以上離れた地点からこの計算を信頼する慣行が使われています。次の条件に当てはまるなら、計算値は設計の目安にとどめて照度計で測り直す方が安全です。
- 距離が照明器具の最大寸法の 5 倍より近いとき
- 壁や天井が明るく、反射光が多く戻ってくる狭い部屋
- 複数の照明が同じ地点を照らしているとき。各照明の照度を別々に求めて足す必要があります。
- 配光が非対称な器具で、正面の光度だけがスペックシートに載っているとき
- 照度計のコサイン補正がない、または色補正が合っていないとき
- 照明が古くなって光束が落ちている、カバーに埃がたまっているとき
照明を取り付ける前に確認すること
計算が終わったからといってすぐ発注せず、次の項目を一度ずつ確かめておくと施工後のやり直しが減ります。とくにスペックシートのカンデラ値がどの角度の値かを確認しないことで生じる差が大きくなります。
- スペックシートの cd 値が正面基準か、配光曲線のどの角度の値かを確認したか
- 距離を照明の発光面から実際の作業面まで測ったか。天井高と混同しやすい箇所です。
- 作業面が傾いているなら入射角を反映したか
- 要求照度が維持照度か初期照度かを確認したか。維持照度なら減光の余裕を上乗せします。
- 同じ空間に他の照明があるなら、その分を足して計算したか
- その作業が法令のどの区分に当たるかを決めたか
参照した資料
このページの照度基準の確認日は 2026-09-05 です。画面の基準ラダーと下の表は事務所衛生基準規則 第10条と労働安全衛生規則 第604条の現行条文をそのまま写したもので、カンデラ・ルーメン・ルクスの定義は国際度量衡局の SI 文書に従っています。
一緒に使う換算ツール
カンデラとルクスの換算に関するよくある質問
カンデラとカンデラ毎平方メートルは同じですか。
別の量です。カンデラ(cd)は光源が出す光の強さで、カンデラ毎平方メートル(cd/m²)は輝度、つまり面が光って見える度合いを表します。ディスプレイの明るさに使われるニトは cd/m² と同じです。この変換ツールが扱うのは光度のカンデラで、輝度ではありません。
距離が分からないとカンデラとルクスは変換できませんか。
できません。ルクスは面が受ける光の密度なので、光源からどれだけ離れているかが決まらないと値が出ません。距離がまだ決まっていないなら、想定している取り付け高さを入れてみて、ツール下部の距離ごとの棒で上下の距離ならどうなるかを一緒に見る方が実用的です。
照明から二倍離れると明るさは半分ですか。
四分の一になります。光が広がる面積が距離の二乗で大きくなるためです。1,000 cd の照明が 1 m で 1,000 lx をつくるなら、2 m では 250 lx、4 m では 62.5 lx です。照明を少し下げるだけで体感の明るさが大きく変わるのはこのためです。
ルーメンの値をそのままルクスに変換できますか。
配光の情報なしでは難しいところです。ルーメンは全方向へ出る総量なので、その光が狭い角度に寄っているか広く散っているかで、同じルーメンでも床面照度は何倍も変わります。スペックシートでその方向のカンデラ値を探して使う方が正確で、その値がなければ配光曲線やビーム角を確認する必要があります。
入射角はどこを基準に測りますか。
面に垂直に立てた線、つまり法線と光が来る方向の間の角度です。光が面に正面から当たれば 0 度、面をかすめるように通れば 90 度に近づきます。天井から床を正面に照らすダウンライトは 0 度、45 度傾けて壁を照らすスポットライトは 45 度と入れます。
照度計で測った値と計算値が違います。どちらが正しいですか。
竣工検査や法的な判断では照度計の実測値が基準です。このツールは照明一台が点光源として作る分だけを計算するので、実際の空間で加わる反射光や他の照明の寄与が抜けています。逆に器具が大きく距離が近いと、計算値が実測より高く出ることもあります。
事務室や作業場は何ルクスにすればよいですか。
事務所衛生基準規則 第10条は、一般的な事務作業を 300 ルクス以上、付随的な事務作業を 150 ルクス以上と定めています。事務室以外の作業場については労働安全衛生規則 第604条が、精密な作業 300 ルクス以上、普通の作業 150 ルクス以上、粗な作業 70 ルクス以上と定めています。ツールの結果がどの区分かは画面のラダーにそのまま表示されます。
フットカンデラで書かれた値はどう読みますか。
1 フットカンデラは約 10.7639 ルクスです。1 フィートが正確に 0.3048 メートルなので、1 を 0.3048 の二乗で割った値になります。米国の図面でよく見る 30 fc は約 323 lx、10 fc は約 108 lx です。ツールの結果にはルクスとフットカンデラが並んで出るので、別に計算する必要はありません。
LED スポットライトのスペックにあるカンデラ値をそのまま入れてよいですか。
その値がどの方向の光度かを確認してから使ってください。多くのスペックシートはビーム中心の最大光度を載せていますが、照明を斜めに使う場合や照射範囲の端を計算する場合はその値が合いません。配光曲線があるなら、該当する角度のカンデラを読んで入れる方が正確です。
照明が複数あるときはどう計算しますか。
照明ごとに別々に計算して結果を足します。照度は足し合わせられる量なので、同じ地点に三台の照明がそれぞれ 120 lx、90 lx、60 lx をつくるなら、その地点の直射照度は 270 lx です。ただし壁や天井から戻る反射光はこの合計に入っていないため、明るい仕上げ材の部屋では実測値の方が高く出ます。