1980年の1万円は、2026年8月のお金で15,624円です
インフレ調整計算機は、ある年の金額を別の年のお金に直し、同じ物やサービスを買うのにいくら必要かを計算します。総務省統計局の消費者物価指数(総合・全国、2025年=100)で見ると、1980年の年平均は65.4、2026年8月は102.179です。この間に物価は56.2%上がっており、1980年の1万円は現在のお金で15,624円に当たります。1年あたりでは平均0.97%ずつ上がった計算です。逆に、現在の1万円で買える量は1980年のお金に直すと6,401円分にすぎず、同じ金額の購買力は36.0%下がったことになります。
この計算機には二つの使い方があります。「実際の物価」は、1970年から2025年までの年平均指数と、公表されている最新月の指数を使い、過去と現在の金額を相互に換算します。「物価上昇率を仮定」は、物価が毎年一定の率で上がると仮定して、将来に必要な金額や、将来受け取る金額の現在価値を求めます。以下では、どんなときに必要か、計算方法、10年ごとの換算表、物価が大きく動いた年、体感との違い、将来の仮定、間違えやすい点と限界の順に説明します。
どんなときに必要か
金額が同じでも、買える量は年ごとに違います。そのため、異なる年の金額をそのまま比べると判断を誤ります。親の世代の初任給、昔の授業料や家賃、何十年も前に貸した金額、貯めておいた現金を今と比べるときは、まず同じ年のお金に直す必要があります。たとえば1970年の1,000円でそろえた買い物は、現在のお金では3,702円に当たります。昔の値段が安く思える理由の多くは、この物価の違いです。
将来の計画にも同じ計算を使います。老後資金や教育費のように10年、20年先に使うお金は、今の金額のまま目標にすると足りなくなります。物価が毎年2%ずつ上がるなら、今1,000万円で買えるものを10年後に買うには12,189,944円が必要で、10年後に受け取る1,000万円は今のお金で8,203,483円分です。昇給率や預金の金利を見るときも、物価上昇率を上回っているかを確かめないと、暮らしが実際に楽になったかどうかは分かりません。
計算方法
- 「計算方法」で、実際の物価か、物価上昇率の仮定かを選びます。
- 金額を入力します。円単位の数値で、入力中は3桁ごとにカンマが付きます。
- 実際の物価では、基準時点(当時のお金)と比較時点(換算先のお金)を選びます。年は12か月の平均指数で、一番上の最新月は統計局が最も新しく公表した月の指数です。中央のボタンで二つの時点を入れ替えると、逆向きに計算します。
- 仮定の物価上昇率では、年間の物価上昇率と期間(年)を入力し、「将来に必要な金額」か「将来の金額の現在価値」かを選びます。
- 結果欄には、同じ価値の金額が大きな数字で表示され、2本の棒が二つの時点の金額の大きさを比べます。下の行には、その間の物価上昇、年平均の物価上昇率、同じ金額の購買力、換算倍率が出ます。さらに下の図は、時点ごとの同じ価値を線で、年ごとの物価上昇率を棒で表します。「10年ごとの同じ価値」の欄を押すと、その年が比較時点になります。
計算式は同じ価値 = 金額 × 比較時点の指数 ÷ 基準時点の指数です。1980年の1万円を2026年8月のお金に直すと、10,000 × 102.179 ÷ 65.4 = 15,624円になります。年平均の上昇率は、二つの時点の指数の比を期間で複利計算して逆算した値で、(102.179 ÷ 65.4)1 ÷ 46.1 − 1 = 0.97%です。年平均の指数はその年の中ほど(7月初め)、月の指数はその月の中ほどに置いて期間を測るため、1980年から2026年8月までは約46.1年です。
消費者物価指数は、世帯が購入する商品とサービスの価格の変化を、基準年を100として表した統計です。現在の公表指数は2025年を100とする2025年基準で、家計調査の結果をもとに選んだ588品目に「持家の帰属家賃」を加えた589品目を、消費支出の割合(ウエイト)で束ねて作ります。統計局は基準改定のたびに、過去の指数を新しい基準年に合わせて比例換算してつないでいます。この計算機は二つの時点の比だけを使うので、基準年が何年でも結果は変わりません。
10年ごとの1万円の現在価値
次の表は、各年の1万円が2026年8月のお金でいくらか、その間に物価が年平均で何%ずつ上がったか、そして現在の1万円をその年のお金に直すといくらかを示します。1970年の1万円は現在のお金で3万7千円を超え、現在の1万円は1970年のお金では2,701円にしかなりません。
| 年 | 消費者物価指数(年平均) | その年の1万円 → 2026年8月のお金 | 年平均の上昇率 | 2026年8月の1万円 → その年のお金 |
|---|---|---|---|---|
| 1970年 | 27.6 | 37,021円 | 2.36% | 2,701円 |
| 1975年 | 47.4 | 21,557円 | 1.51% | 4,639円 |
| 1980年 | 65.4 | 15,624円 | 0.97% | 6,401円 |
| 1985年 | 74.9 | 13,642円 | 0.76% | 7,330円 |
| 1990年 | 80.1 | 12,756円 | 0.68% | 7,839円 |
| 1995年 | 85.7 | 11,923円 | 0.57% | 8,387円 |
| 2000年 | 86.9 | 11,758円 | 0.62% | 8,505円 |
| 2005年 | 85 | 12,021円 | 0.88% | 8,319円 |
| 2010年 | 84.7 | 12,064円 | 1.17% | 8,289円 |
| 2015年 | 87.7 | 11,651円 | 1.38% | 8,583円 |
| 2020年 | 89.3 | 11,442円 | 2.22% | 8,740円 |
| 2025年 | 100 | 10,218円 | 1.93% | 9,787円 |
古い年ほど年平均の上昇率が高いのは、1970年代の高い物価上昇が期間に含まれるためです。1990年や2000年を起点にすると、年平均の上昇率は1%を下回ります。2020年を起点にすると、2022年以降の上昇が入り、年平均は2.22%まで上がります。
物価が大きく上がった年と、下がった年
年ごとの物価上昇率は、その年の年平均指数を前の年の年平均指数で割った値です。1970年以降で最も上がったのは1974年(23.2%)で、1973年(11.7%)、1975年(11.5%)、1976年(9.5%)と、1970年代半ばに高い上昇が集中しています。1980年も7.7%でした。その後、2000年(-0.7%)、2002年(-0.8%)、2009年(-1.4%)、2010年(-0.7%)のように前年を下回る年もありました。2022年は2.6%、2023年は3.2%、2024年は2.8%、2025年は3.2%と、近年は3%前後の上昇が続いています。
なお、2014年4月に消費税率が5%から8%に上がったとき、全国の総合指数は前年同月より3.4%上がりましたが、この上昇には税率改定の影響が含まれています。2019年10月の8%から10%への引き上げでは、軽減税率や幼児教育・保育の無償化の開始もあり、前年同月比は0.2%の上昇にとどまりました(統計局「2025年基準 消費者物価指数のしくみと見方」)。
| 年 | 物価上昇率(前年の平均比) | 備考 |
|---|---|---|
| 1973年 | 11.7% | |
| 1974年 | 23.2% | |
| 1975年 | 11.5% | |
| 1976年 | 9.5% | |
| 1980年 | 7.7% | |
| 2002年 | -0.8% | |
| 2009年 | -1.4% | |
| 2014年 | 2.8% | 消費税率が5%から8%に上がった年(4月) |
| 2019年 | 0.4% | 消費税率が8%から10%に上がった年(10月) |
| 2020年 | 0.0% | |
| 2021年 | -0.2% | |
| 2022年 | 2.6% | |
| 2023年 | 3.2% | |
| 2024年 | 2.8% | |
| 2025年 | 3.2% |
計算機の図の下側の棒グラフが、この値です。選んだ二つの時点の間の棒は濃く塗られ、その区間で最も高かった年に印が付きます。同じ46年でも、どの年を通るかで累計の上昇率は大きく変わります。
体感の物価と違う理由
- 平均的な買い物かごです: 消費者物価指数は、世帯全体の平均的な支出の割合で品目を束ねます。外食や家賃の割合が大きい世帯は、その品目が上がるとき、平均より大きく感じます。
- よく買う物ほど目につきます: 食料品のように頻繁に買う物の値上がりは気づきやすい一方、家電や通信料のようにたまにしか買わない物や下がった物は印象に残りにくくなります。
- 持ち家の住居費は「帰属家賃」で入っています: 土地や住宅の購入費そのものは含まれませんが、持ち家の世帯が住居に使うサービスを、同じ家を借りたと仮定した家賃(帰属家賃)として算入しています。価格の動きは民営借家の家賃で測ります(統計局の資料)。マンション価格の上昇のような資産価格の変化は、この計算機では見られません。
- 品目とウエイトが入れ替わります: 指数品目とウエイトは基準改定で見直されます。2025年基準は589品目です。新しく広まった物が入り、使われなくなった物が外れるので、数十年前と今の買い物かごは同じではありません。
将来の物価を仮定して計算する
将来の物価は誰にも分からないので、「物価上昇率を仮定」には自分で決めた値を入れます。目安になる値の一つが、日本銀行が掲げる「物価安定の目標」で、消費者物価の前年比2%です(2013年1月に導入)。次の表は、年2%と年3%を仮定したときの1,000万円の変化です。
| 仮定 | そのとき受け取る1,000万円の現在価値 | 今の1,000万円分の物にそのとき必要な金額 |
|---|---|---|
| 年2% · 10年後 | 8,203,483円 | 12,189,944円 |
| 年2% · 20年後 | 6,729,713円 | 14,859,474円 |
| 年2% · 30年後 | 5,520,709円 | 18,113,616円 |
| 年3% · 10年後 | 7,440,939円 | 13,439,164円 |
| 年3% · 20年後 | 5,536,758円 | 18,061,112円 |
| 年3% · 30年後 | 4,119,868円 | 24,272,625円 |
お金の価値が半分になるまでの年数は、72を年間の物価上昇率で割ると見当がつきます。年2%なら72 ÷ 2 = 36年、正確に計算すると35.0年です。年3%なら見当は24年、正確には23.4年です。計算機の「購買力が半分になるまで」の行が、正確な値を表示します。
間違えやすい点
- 累計の上昇率を年数で割る: 46.1年で56.2%上がったからといって、毎年1.2%ずつ上がったわけではありません。物価も複利で積み上がるので、年平均は0.97%です。
- 年平均と12月の値を混ぜる: ニュースの「年間の物価上昇率」は年平均どうしの比較で、12月の記事の「前年同月比」は12月どうしの比較です。同じ年でも数字が異なることがあります。
- 最新月と年平均を同じ性格のものと考える: 計算機の最新月は1か月の指数で、年は12か月の平均です。比較時点を最新月にすると「今月のお金」への換算、2025年にすると「昨年の平均のお金」への換算になります。1万円を2025年のお金に直すと9,787円です。
- 基準年が変わると結果も変わると考える: 基準改定で指数の数字は変わりますが、過去の系列は新しい基準年の平均で割って比例換算されるため、二つの時点の比は変わりません。そのため、この計算機の換算結果は基準年が何年でも同じです。
- 物価の換算を賃金や資産の上昇と同じに見る: 同じ期間に賃金が物価より上がっていれば、同じ仕事で買える量は増えています。物価の換算は「同じ物の値段」の比較であって、所得や資産の比較ではありません。
限界
- 全国の消費者物価指数(総合)1本で計算します。地域別・品目別の差や、世帯ごとに違う消費の構成は反映しません。
- 実際の物価は1970年からで、年は年平均しか選べません。年平均の指数は小数第1位までの公表値を使います。最新月は2026年8月(102.179)だけです。9月分の全国指数は、統計局の公表日の規則(毎月19日を含む週の金曜日)では2026年10月23日の予定で、公表され次第更新します。特定の月どうしを比べたいときは、統計局の消費者物価指数の月次の時系列表を使ってください。
- 消費税率の引き上げの影響は、指数に含めたまま計算しています(2014年4月、2019年10月の税率改定など)。税抜きの物価の動きを知りたいときは、別の指標が必要です。
- 税金、利子、投資収益は計算しません。預金や投資で増えたお金を物価と比べるときは、別に計算した金額を入力してください。
- 結果は物価指数による推計値です。損害賠償や契約金額など、法的な関係を判断する根拠にはなりません。
- 仮定の物価上昇率は、入力した率が毎年同じように続くものとして計算します。実際の物価は年ごとに上下します。
基準日 この計算機と本文の指数は、2026-10-16に確認した総務省統計局の消費者物価指数(総合・全国、2025年=100)です。年平均は1970〜2025年、最新月は2026年8月(102.179)で、新しい月の指数が公表されたら更新します。表の数字はこの計算機の計算結果で、年2%・年3%などの仮定は予測ではなく例です。
出典
- 01総務省統計局「2025年基準 消費者物価指数のしくみと見方」(PDF)589品目、持ち家は帰属家賃で算入、消費税は価格に反映、過去系列は基準改定のたびに比例換算、全国は毎月19日を含む週の金曜日に公表
- 02総務省統計局「消費者物価指数(CPI) 結果」2025年(令和7年)を100とする指数、2026年8月分の全国指数まで掲載
- 03日本銀行 Outline of Monetary Policy(物価安定の目標)消費者物価の前年比2%を目標とし、2013年1月に導入
よくある質問
1980年の1万円は、今のお金でいくらですか?
2026年8月の消費者物価指数で換算すると15,624円です。1980年の年平均指数65.4から2026年8月の102.179まで、物価が56.2%上がったためです。逆に、現在の1万円は1980年のお金では6,401円分にあたります。
貨幣価値はどのように計算しますか?
金額に比較時点の消費者物価指数を掛け、基準時点の指数で割ります。たとえば1980年の1万円なら、10,000 × 102.179 ÷ 65.4 = 15,624円です。現在のお金を過去のお金に直すときは、二つの時点を入れ替えて同じ式を使います。
年平均の物価上昇率はどう求めますか?
累計の倍率を期間で複利計算して逆算します。1980年から2026年8月までの約46.1年で1.562倍になったので、1.562の(1 ÷ 46.1)乗から1を引いた0.97%が年平均です。累計の上昇率56.2%を年数で割った1.2%とは異なります。
計算結果が体感の物価と違うのはなぜですか?
消費者物価指数は、世帯全体の平均的な支出の割合で品目を束ねた買い物かごだからです。外食や家賃の割合が大きい世帯では、感じ方が異なります。また、持ち家の住居費は帰属家賃として入っていますが、土地や住宅の購入費そのものは含まれないため、不動産価格の上昇は反映されません。
2026年は、なぜ8月の値しか選べないのですか?
年平均の指数は12か月分が出そろわないと決まらないため、2026年の年平均はまだありません。代わりに、統計局が公表した最も新しい月である2026年8月の指数(102.179)を「最新」の時点として入れています。全国の9月分は、毎月19日を含む週の金曜日という公表日の規則から、2026年10月23日に公表される予定で、出たら更新します。
2025年基準の指数に変わると、結果も変わりますか?
この計算機の指数は、すでに2025年を100とする新しい基準のものです。基準改定では、過去の指数を新しい基準年の平均で割って比例換算してつなぐため、二つの時点の比は変わりません。したがって、基準年が違っていても換算結果は同じになります。
将来の物価は何%で計算すればよいですか?
将来の物価は決まっていないので、自分で仮定します。目安の一つは、日本銀行の「物価安定の目標」である消費者物価の前年比2%です。年2%なら、10年後に受け取る1,000万円は今のお金で8,203,483円分になり、お金の価値が半分になるまでに35.0年かかります。
1970年より前の金額も計算できますか?
この計算機の消費者物価指数は1970年からなので、それより前の年は選べません。また、年は年平均しか選べないため、特定の月どうしを比べたいときは、総務省統計局が公表している消費者物価指数の月次の時系列表を使ってください。