混合ワクチンは生後16週齢を過ぎるまで接種し、26週齢以降にもう1回接種します
子犬・子猫の混合ワクチンは、生後6〜8週齢で初回を受け、2〜4週間隔で生後16週齢以上になるまで繰り返します。その後、生後26週齢以降に追加接種を1回受け、3歳でもう一度接種したあとは、3年より短い間隔では接種しません。世界小動物獣医師会(WSAVA)の2024年ガイドラインが勧める日程です。2026年1月1日生まれの子犬を生後8週から4週間隔で接種すると、2月26日(木)、3月26日(木)、4月23日(木)の3回になり、26週齢の追加接種は7月2日(木)、3歳の再接種は2029年1月1日(月)です。
この計算機は、生年月日と、病院で決めた初回の週齢・接種間隔を入れると、必要な回数と日付を計算します。接種のたびに手帳欄へ接種日を記録すると、次の回を予定日ではなく実際に接種した日から数え直します。狂犬病は、日本の狂犬病予防法に合わせて「生後91日以上の犬、毎年4月1日〜6月30日」で表示します。レプトスピラ(犬)と猫白血病(FeLV)は、スイッチを入れると日程に加わります。
なぜ16週齢を過ぎるまで何回も接種するのか
生まれたばかりの子犬・子猫は、初乳を通じて母親から抗体(移行抗体)を受け取ります。この抗体は幼い体を守りますが、残っている間は、ワクチンが免疫をつくるのを妨げることもあります。WSAVAは、多くの子で移行抗体が生後8〜12週ごろにワクチンに反応できる程度まで減ると説明しています。ところが、移行抗体を多く受け取った子は12週を過ぎてもワクチンに反応できず、少なく受け取った子はそれより早く病気にかかりやすい状態になります。
移行抗体が病気を防ぐには足りないのに、ワクチンを妨げるだけは残っている時期を「感受性の窓(window of susceptibility)」と呼びます。この窓がいつ開いていつ閉じるかは子ごとに違い、前もって知ることはできません。そこで2〜4週間ごとに接種を重ねて窓を狭め、最後の接種を生後16週齢以上で行って、ほとんどの子が免疫を得られるようにします。間隔が短いほど窓は狭くなりますが、接種回数は増えます。計算機の接種マップで灰色に薄れていく帯が、移行抗体が減っていく期間です。
- 新しく迎えた子犬・子猫: ブリーダーや保護団体で受けた回と日付を手帳欄に記録すると、残りの回と次の日付がすぐに出ます。
- 病院によって間隔が違うとき: 2週・3週・4週の間隔で、接種回数と終わる日がどう変わるかを比べられます。
- 散歩・トリミング・ホテルの利用を計画するとき: 最後の基礎接種の2週間後にあたる「免疫が整う日」を目安に日取りを決められます。
- 家族と予定を共有するとき: リンクやカレンダーファイルで同じ予定を共有すれば、次の通院日を忘れにくくなります。
計算方法
- 初回: 生年月日に、初回の週齢(6〜10週)×7日を足します。すでに接種していれば、記録した日を使います。
- 次の回: 前の回を実際に接種した日に、接種間隔(2・3・4週)×7日を足します。
- 基礎接種の終わり: 生後16週齢(112日)以上で接種する回が最後です。そのため、初回の週齢と間隔によって回数は3〜6回に変わります。
- 16週齢を過ぎてから初めて接種する場合: 接種間隔どおりに2回接種し、1年以内に追加接種を1回行います(AAHA)。
- 26週齢の追加接種: 生後26週齢(182日)と、最後の基礎接種の4週間後のうち遅いほうの日です。WSAVAは、この接種の代わりに、最後の基礎接種の4週間後(生後20週齢以降)に抗体検査を受ける方法も示しています。
- 再接種: 3歳の誕生日(生年月日+36か月)に接種し、その後は3年ごとです。その月に同じ日がない場合は月末に合わせます。
- 免疫が整う日: 最後の基礎接種日+14日です。WSAVAは、最後の接種から2週間たつまで免疫反応が十分に出ないことがあると説明しています。
- 狂犬病(犬のみ): 初回は生年月日+91日です。2回目以降は、前回の接種が3月2日以降なら翌年、それより前ならその年の、4月1日〜6月30日の期間で表示します。猫は狂犬病予防法の対象ではないため、狂犬病の日程は出しません。
- レプトスピラ・FeLV: 生後8週に1回目、2〜4週間後(FeLVは3〜4週間後)に2回目、その後は1年ごとです。
- 予定日を過ぎたとき: まだ接種していない最初の回は、今日接種するものとして、そこから先の日付を続けます。残り日数は日付だけで数えます。
基準 WSAVA 2024の犬・猫ワクチン接種ガイドラインと一覧表、AAHA 2022の犬のガイドライン、AAHA/AAFP 2020の猫のガイドライン、狂犬病予防法と同法施行規則(e-Gov法令検索)を、2026年10月23日に原文で確認しました。
初回の週齢と間隔で、3〜6回になります
2026年1月1日生まれを基準に計算しました。最後の接種が生後16週齢以上になるまで回数を増やすため、間隔が短いほど、また早く始めるほど、回数が多くなります。
| 初回 | 間隔 | 接種する週齢 | 回数 | 最後の接種 | 免疫が整う日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 6週 | 2週 | 6・8・10・12・14・16週 | 6回 | 2026-04-23(木) | 2026-05-07(木) |
| 6週 | 3週 | 6・9・12・15・18週 | 5回 | 2026-05-07(木) | 2026-05-21(木) |
| 6週 | 4週 | 6・10・14・18週 | 4回 | 2026-05-07(木) | 2026-05-21(木) |
| 8週 | 2週 | 8・10・12・14・16週 | 5回 | 2026-04-23(木) | 2026-05-07(木) |
| 8週 | 3週 | 8・11・14・17週 | 4回 | 2026-04-30(木) | 2026-05-14(木) |
| 8週 | 4週 | 8・12・16週 | 3回 | 2026-04-23(木) | 2026-05-07(木) |
| 10週 | 2週 | 10・12・14・16週 | 4回 | 2026-04-23(木) | 2026-05-07(木) |
| 10週 | 4週 | 10・14・18週 | 3回 | 2026-05-07(木) | 2026-05-21(木) |
どの組み合わせでも、26週齢の追加接種は2026年7月2日(木)、3歳の再接種は2029年1月1日(月)です。接種間隔は動物病院が決めます。WSAVAの一覧表は3〜4週間隔を基本とし、感染リスクが特に高い場合は生後20週齢まで2〜3週間隔で続ける方法も示しています。
WSAVAとAAHAでは、追加接種の考え方が少し違います
世界の主なガイドラインは、どれも「幼い時期に16週齢前後まで繰り返し、そのあとは3年ごと」という枠組みです。ただし、最初の追加接種をいつにするか、猫の間隔をどうするかには違いがあります。
| 項目 | WSAVA 2024 | AAHA 2022(犬) | AAHA/AAFP 2020(猫) |
|---|---|---|---|
| 初回 | 生後6〜8週齢 | 生後6〜8週齢 | 生後6週齢以降 |
| 間隔 | 2〜4週間 | 2〜4週間 | 3〜4週間 |
| 基礎接種の終わり | 生後16週齢以上 | 16週齢を超えるまで(18〜20週を勧める場合もある) | 16〜20週齢まで |
| 最初の追加接種 | 生後26週齢以降 | 基礎接種から1年以内 | 6か月齢 |
| その後 | 3歳で接種、以後3年より短い間隔にしない | 3年ごと | 3年ごと |
| レプトスピラ・FeLV | 流行地域でコア(犬)、FeLVが多い地域の1歳未満の猫でコア | レプトスピラは12週から2〜4週間隔で2回、追加接種ののち毎年 | 1歳未満の猫は接種(検査で陰性を確認) |
この計算機は、猫には26週齢の追加接種をそのまま使っています(WSAVAの考え方です。AAHA/AAFPの猫のガイドラインも、6か月齢での再接種を勧めています)。混合ワクチンを毎年にするか3年ごとにするかは、ワクチンの種類、飼育環境、病院の方針によって変わります。年1回の接種を勧められたときは、何のための接種かをかかりつけの獣医師に確認し、抗体検査で代えられるかも相談してください。なお、WSAVAは犬のコロナウイルス性腸炎のワクチンを、根拠が弱いため推奨しない(non-recommended)ワクチンに分類しています。
狂犬病は犬が対象で、毎年4月1日〜6月30日に1回です
日本の狂犬病予防法第5条は、犬の所有者に、犬へ毎年1回、狂犬病の予防注射を受けさせ、交付された注射済票を犬に着けることを義務づけています。同法施行規則第11条は、生後91日以上の犬は毎年4月1日から6月30日までの間に1回受けるものとし、3月2日以降にすでに受けた犬はその年は不要としています。犬の登録は、犬を取得した日(生後90日以内に取得した場合は、生後90日を過ぎた日)から30日以内に市区町村へ申請します(第4条)。
生後91日以上で、3月2日(1月1日〜5月31日に迎えた場合は前年の3月2日)以降に狂犬病の予防注射を受けていない、または受けたかどうかわからない犬を迎えた場合は、迎えた日から30日以内に接種します(施行規則第11条第2項)。この計算機は、初回を生後91日(生年月日+91日)に置き、2回目以降は、前回の接種日が3月2日以降なら翌年、それより前ならその年の、4月1日〜6月30日の期間で表示します。実際の接種場所や手続きは、お住まいの市区町村の案内で確認してください。
狂犬病予防法の対象は犬で、猫は含まれません。猫に狂犬病ワクチンを接種するかどうかは任意のため、この計算機は猫の狂犬病日程を出しません。接種を考えるときは、かかりつけの獣医師に相談してください。
接種が遅れた、または記録がないとき
- 16週齢を過ぎて初めて接種する犬: 2〜4週間隔で2回接種し、1年以内にもう1回接種します(AAHA)。WSAVAは、26週齢を過ぎた犬なら、改変生ワクチン(MLV)のコアワクチン1回でも十分な可能性が高く、リスクが高い状況では2〜4週間後にもう1回接種することを検討するよう説明しています。
- 成猫: MLVの猫汎白血球減少症ワクチンは1回でもほとんどの猫で免疫がつきますが、ヘルペスウイルスとカリシウイルスのワクチンは効力がそれより弱いため、WSAVAもメーカーの推奨どおり2〜4週間隔の2回を支持しています。
- 基礎接種の途中で日付が遅れたとき: 残りの回をできるだけ早く接種し、次の回は実際に接種した日から数え直します。遅れが長いときは、動物病院が遅れを取り戻す日程を決めます。
- 記録を探せるとき: ワクチン接種証明書や前の病院の記録の日付と製品名を、あわせて獣医師に見せてください。生年月日だけで計算した幼い時期の日付は、いまの接種計画ではありません。
レプトスピラ・FeLVと、そのほかのワクチン
WSAVAは、ワクチンを、すべての動物が接種するコアワクチン、地域や生活に応じて選ぶノンコアワクチン、根拠が足りず推奨しないワクチンに分けています。
| ワクチン | WSAVA 2024の分類 | 日程 |
|---|---|---|
| レプトスピラ(犬) | 流行地域などでコア | 多くは生後8週から、2〜4週間後に2回目、その後は毎年 |
| パラインフルエンザ・ボルデテラ(犬のケンネルコフ) | ノンコア | 製品の説明書に従い、毎年 |
| 犬インフルエンザ | ノンコア | 2回接種して免疫をつけ、その後は毎年 |
| 犬コロナウイルス性腸炎 | 推奨しない | — |
| 猫白血病(FeLV) | FeLVが多い地域の1歳未満の猫と、感染の機会が続く猫でコア | 生後8週から、3〜4週間後に2回目、1年後、リスクが続けば毎年(検査で陰性の猫のみ) |
| 狂犬病 | 流行地域や法律で定められた地域でコア | 日本では生後91日以上の犬に毎年(4〜6月) |
一部の混合ワクチンにはレプトスピラが含まれています(DHLPPのL)。その場合でも、レプトスピラの部分は毎年接種し直す必要があります。含まれているかどうかは、ワクチン証明書の種類で確認してください。
間違えやすい点
- 過ぎた日付を接種済みと見る: 計算機の過ぎた日付は予定日にすぎません。接種したかどうかは、手帳欄に記録して初めて反映されます。
- 基礎接種を16週齢前に終える: 8・11・14週のように14週で終えると、移行抗体が遅くまで残った子は、免疫がついていない可能性があります。
- 予定日から次の回を数える: 接種が遅れたときは、実際に接種した日から間隔を数えます。
- 生後91日を12週と数える: 生後91日は13週ちょうどで、12週(84日)より7日遅い日です。1月1日生まれなら、12週にあたる3月26日(木)ではなく4月2日(木)になります。
- 3月2日以降に受けたのに、4〜6月にもう一度受ける: 3月2日以降に狂犬病の予防注射を受けた犬は、その年の4〜6月の接種は不要です(施行規則第11条第1項ただし書)。
- FeLV検査なしで接種する: FeLVワクチンは、検査で陰性だった猫にだけ接種します。
限界と注意
- この計算機は、国際的なガイドラインと日本の法令に基づく参考日程です。実際のワクチンの種類と日付は、健康状態と製品の説明書をもとに動物病院が決めます。
- 妊娠中、病気や薬の治療中、保護施設や繁殖施設のように感染リスクが高い環境にいる動物は、日程が異なります。
- 狂犬病は、犬の登録・鑑札・注射済票の手続きまでは扱いません。市区町村の案内に従ってください。
- 国際ガイドラインと、日本の動物病院が使うワクチンの種類や接種間隔の方針が異なることがあります。迷ったときはかかりつけの獣医師の説明を優先してください。
- 記録はこのページのアドレス(リンク)にだけ入り、サイトには保存されません。リンクをコピーするか、カレンダーファイルに保存してください。
出典
- 01Squires RA ほか: 2024 guidelines for the vaccination of dogs and cats (WSAVA VGG), J Small Anim Pract 65(5):277–3166〜8週開始・2〜4週間隔・16週以上、移行抗体は8〜12週、26週以降の追加または20週以降の抗体検査、最後の接種2週後に免疫、成犬・成猫、犬コロナ腸炎ワクチン非推奨
- 02WSAVA: Dogs Vaccination Table (PDF)3歳で再接種、以後3年より短い間隔にしない、レプトスピラ8週から2回・毎年、狂犬病は地域の法規が優先
- 03WSAVA: Cats Vaccination Table (PDF)リスクの低い猫は3歳で再接種、以後3年ごと、リスクが高ければ毎年まで、FeLVは8週から3〜4週間隔で2回・1年後・検査陰性のみ
- 04AAHA: 2022 Canine Vaccination Guidelines16週を超えて2〜4週間隔、基礎接種から1年以内に追加、その後3年ごと、16週を過ぎて開始なら2回、レプトスピラは12週から2回
- 05Stone AE ほか: 2020 AAHA/AAFP Feline Vaccination Guidelines, J Feline Med Surg 22(9):813–830猫は6週以降3〜4週間隔で16〜20週まで、6か月齢で再接種、その後3年ごと、FeLVは1歳未満の猫で接種・検査後
- 06e-Gov法令検索: 狂犬病予防法第4条(犬の登録)、第5条(毎年1回の予防注射・注射済票)
- 07e-Gov法令検索: 狂犬病予防法施行規則第11条(生後91日以上の犬は4月1日〜6月30日に1回、3月2日以降に接種済みならその年は不要、迎えてから30日以内の接種)
よくある質問
子犬のワクチンは何回接種しますか?
混合ワクチンの基礎接種は、生後6〜8週で始めて2〜4週間隔で生後16週を過ぎるまで続けます。8週から4週間隔なら8・12・16週の3回、6週から2週間隔なら6・8・10・12・14・16週の6回です。その後、26週齢以降に追加接種を1回、3歳で再接種と続きます。
なぜ16週を過ぎるまで何回も接種するのですか?
母親からの移行抗体が残っていると、ワクチンが免疫をつくれません。この抗体は生後8〜12週ごろに弱まるのが一般的ですが、12週を過ぎても残る子がいるため、最後の基礎接種を16週以上で行うことで、ほとんどの子が免疫を得られます。
子猫のワクチンの時期は子犬と同じですか?
基礎接種の枠組みは同じです。猫の3種混合ワクチン(パルボ・ヘルペス・カリシ)も6〜8週で始めて、2〜4週間隔で16週以上まで接種し、26週齢以降に1回追加します。その後、リスクの低い猫は3歳から3年ごとで、多頭飼育やホテル利用が多い猫は、より短い間隔になることもあります。
狂犬病の予防注射はいつ受けますか?
犬は生後91日以上になったら、毎年4月1日から6月30日までの間に1回受けます(狂犬病予防法第5条、同法施行規則第11条)。3月2日以降に受けていれば、その年は不要です。迎えた犬が3月2日以降に接種済みか不明なら、迎えた日から30日以内に受けます。
猫にも狂犬病の予防注射は必要ですか?
狂犬病予防法の対象は犬で、猫には法律上の接種義務がありません。猫に接種するかどうかは任意のため、この計算機は猫の狂犬病日程を出していません。接種を考える場合は、かかりつけの獣医師に相談してください。
接種日が数日ずれたらどうしますか?
まだ接種していなければ、できるだけ早く接種し、次の回は実際に接種した日から数え直します。この計算機で接種日を記録すると、その後の日付が自動で続きます。遅れが長いときは、動物病院で遅れを取り戻す日程を決めてください。
混合ワクチンは毎年接種する必要がありますか?
WSAVAは、基礎接種と26週の追加接種のあと、コアワクチンを3歳で再接種し、以後は3年より短い間隔にしないよう勧めています。ただし、レプトスピラは免疫が長く続かず毎年必要です。混合ワクチンの種類と接種間隔は、病院と相談して決めてください。
散歩はいつから始めてよいですか?
免疫反応は、最後の基礎接種から2週間たつまで十分に出ないことがあります(WSAVA)。計算機の免疫が整う日以降が、ほかの犬が多い公園や地面に出る目安です。それまでの社会化は、抱っこなど地面に下ろさない方法を獣医師と相談してください。