同時に勤務するのが「重なり」、誰もいない時間が「空白」
早番が 8:00〜16:00、遅番が 15:00〜23:00 に勤務するとき、15:00〜16:00 の1時間は2つのシフトが同時にいる重なりです。23:00 から翌日 8:00 までは誰も勤務しないため、1日に9時間の空白が生まれます。誰かが勤務しているのは 8:00〜23:00 の15時間で、2つのシフトが各8時間ずつ働くので、延べ勤務時間は人数分を合計して16時間になります。
計算機のダイヤルは時計と同じく真上が0時で、時計回りに1日が進みます。内側のリングの色の弧がシフトごとの勤務時間、外側の帯の高さがその時刻に勤務している人数です。斜線の部分が空白で、濃く塗った部分が2つ以上のシフトの重なりです。シフト表は毎日同じ時刻で繰り返すものとして描くため、22:00 に始まり翌朝 6:00 に終わる勤務も、0時で途切れずに1本の弧としてつながります。
重なりと空白を確認したほうがよい場面
シフト表は1行ずつ時刻を見ると問題なさそうでも、シフトを時刻順に並べ直さないと、すき間や重なりの長さは意外と見えません。次のような仕事では、一度時刻順に組み直して確かめる価値があります。
- 引継ぎが必要な仕事: 病棟、監視室、生産設備のように、前のシフトが状況を申し送る仕事では、2つのシフトがそろう時間が必要です。終了と開始が同じ時刻なら重なりは0分で、シフト表の上には申し送りの時間がありません。
- 持ち場を空けられない仕事: 警備、24時間営業の店舗、コールセンターの当番では、空白はそのまま誰も対応できない時間です。空白の一覧を見れば、何時から何時まで人を足せばよいかが分かります。
- 忙しい時間帯に人手が要る仕事: 昼や夕方に客が集中する店舗は、1人いれば空白ではなくても作業が滞ります。必要人数を決めておくと、それを下回る時間が「人数不足」として別に表示されます。
- 人件費を抑えたいとき: 重なった時間は同じ仕事を2つのシフトで担うため、賃金も二重に出ます。重なりが引継ぎに必要な長さを超えているなら、開始か終了を少しずらすだけで延べ勤務時間が減ります。
計算の方法
- 時刻を分に直します。15:30 は 15 × 60 + 30 = 930分です。1日は0分から1,440分までです。
- 勤務の長さを求めます。終了が開始より遅ければ「終了 − 開始」、早ければ翌日に終わる勤務として1,440分を足します。22:00〜6:00 は 360 + 1,440 − 1,320 = 480分、つまり8時間です。
- 1日を境目の時刻で区切ります。すべての勤務の開始と終了を1日の輪の上に置き、その間の区間ごとに、勤務しているシフトの数と人数を数えます。開始時刻は勤務に含め、終了時刻は含めません。
- 区間を状態ごとに足します。勤務するシフトが0の区間は空白、2つ以上の区間は重なり、人数が必要人数より少ない区間は人数不足です。3つのシフトが同時にいても、その時間は重なりに1回しか数えません。
- 延べ勤務時間は別に数えます。各勤務の長さに人数を掛けて合計した値です。確認する範囲を営業時間に絞っても、この値はシフト表全体で計算します。
空白 = Σ 区間の長さ(シフト0) · 重なり = Σ 区間の長さ(シフト2以上) · 人数不足 = Σ 区間の長さ(人数 < 必要人数) · 延べ勤務時間 = Σ 勤務の長さ × 人数
空白と勤務のある時間を足すと、確認する範囲の全体(1日なら24時間)になります。重なりは勤務のある時間の中に含まれるので、3つをすべて足すと24時間を超えます。
交代制の型ごとの重なりと空白
同じ3交代でも、終了と開始を接するか、30分ずつ重ねるかで結果が変わります。下の表はすべて1日24時間の範囲で、各シフトは1人です。「そのまま交代」は、前のシフトが終わる時刻に次のシフトが始まり、引継ぎが0分になる箇所の数です。
| シフト表 | 重なり | 空白 | そのまま交代 | |
|---|---|---|---|---|
| 2交代 早番 8:00〜16:00・遅番 15:00〜23:00 | 1時間 | 9時間 | 0か所 | 入れてみる |
| 12時間2交代 日勤 7:00〜19:00・夜勤 19:00〜7:00 | 0分 | 0分 | 2か所 | 入れてみる |
| 工場の3交代 6:00〜14:00・14:00〜22:00・22:00〜6:00 | 0分 | 0分 | 3か所 | 入れてみる |
| 病院の3交代 日勤 8:30〜17:00・準夜勤 16:30〜1:00・深夜勤 0:30〜9:00 | 1時間30分 | 0分 | 0か所 | 入れてみる |
| 夜勤 22:00〜6:00・早朝 5:00〜9:00 | 1時間 | 13時間 | 0か所 | 入れてみる |
| 3班 8:00〜18:00・9:00〜17:00・10:00〜16:00 | 8時間 | 14時間 | 0か所 | 入れてみる |
12時間2交代と、接して組んだ工場の3交代は、空白が0分なのですき間なく見えます。ただし、そのまま交代が2か所、3か所あるため、引継ぎの時間も0分です。病院の3交代は 30分ずつ重ねてあるので、3か所で合計1時間30分の重なりができ、そのぶん各勤務の拘束は8時間30分に延びます。最後の行のように3つの班が昼間の中央に集まると、重なりは8時間になる一方で、空白も14時間に達します。
必要人数で見ると、重なっていても足りないことがある
店舗が 10:00〜22:00 に営業し、レジと売り場に常に2人必要だとします。開店の2人が 9:30〜15:30、中番の1人が 12:00〜18:00、閉店の2人が 16:00〜22:30 に勤務します。営業時間の中に空白はありませんが、15:30〜16:00 は中番の1人だけになり、必要人数に1人足りません。
| 時間 | 勤務するシフト | 人数 | 状態 |
|---|---|---|---|
| 10:00〜12:00 | 開店 | 2人 | 必要人数を満たす |
| 12:00〜15:30 | 開店・中番 | 3人 | 重なり |
| 15:30〜16:00 | 中番 | 1人 | 人数不足 |
| 16:00〜18:00 | 中番・閉店 | 3人 | 重なり |
| 18:00〜22:00 | 閉店 | 2人 | 必要人数を満たす |
| 合計 | 重なり 5時間30分 | 3人 | 人数不足 30分 |
閉店の開始を 15:30 に30分早めれば不足は0分になりますが、そのぶん閉店の2人の勤務が30分ずつ延び、延べ勤務時間は1時間増えます。逆に、重なり5時間30分のうち客の少ない時間帯があるなら、中番をそこで短くする手もあります。営業時間を指定すると、その外の時間(閉店のシフトが片づけをする 22:00〜22:30)は空白・重なり・不足の計算から外れます。ただし、延べ勤務時間と深夜勤務はシフト表全体で数えます。
引継ぎの重なりを作るときに確認すること
前のシフトが終わる時刻に次のシフトが始まると、シフト表の上では引継ぎが0分です。実際に申し送りをするには、前のシフトが残るか次のシフトが早く来る必要があり、その時間も労働時間です。労働基準法第32条は、休憩時間を除いて1週間に40時間、1日に8時間を超えて労働させてはならないと定めています。休憩を除いてすでに8時間働く勤務に30分の引継ぎを足すと、その30分は法定労働時間を超えます。超えた時間を働かせるには、労使協定(第36条、いわゆる36協定)の締結と届出が必要で、第37条第1項により割増賃金を支払います。法律は、通常の賃金の2割5分以上5割以下の範囲で政令が定める率以上としています。時間外が1か月60時間を超えた部分は5割以上です。
30分の引継ぎを入れた病院の3交代は、1日の重なりが1時間30分で、1人ずつなら1年(365日)で547時間30分、2つのシフトが同時にいる計算です。引継ぎが必要な時刻だけ重ね、ほかの交代は接するようにして重なりの位置を選べば、引継ぎの時間を守りながら重なりを減らせます。
シフトの組み方では、前の勤務が終わってから次の勤務が始まるまでの時間も見ておきたい点です。労働時間等の設定の改善に関する特別措置法第2条第1項は、事業主に、健康と福祉を確保するために必要な終業から始業までの時間の設定(勤務間インターバル)などの措置を講じる努力を求めています。努力義務で、具体的な時間数は同条には書かれていません。準夜勤の翌日に早番を入れるような組み合わせは、ダイヤルで終了と開始を見比べると気づきやすくなります。
休憩が作る空白
労働基準法第34条第1項は、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を、労働時間の途中に与えなければならないと定めています。休憩は原則として一斉に与えますが、労働者の過半数で組織する労働組合などとの書面による協定があれば例外にできます(第2項)。休憩時間は自由に利用させなければなりません(第3項)。
1人だけで勤務する時間帯に休憩が入ると、その時間は実際には空白です。計算機に休憩を反映するには、1つの勤務を2行に分けて入れます。A班が 8:00〜17:00 で 12:00〜13:00 が休憩なら、「A班 8:00〜12:00」と「A班 13:00〜17:00」の2行にして、ほかの人がその時間を受け持つかを流れの一覧で確かめます。2人以上が同時に勤務している時間なら、休憩を交代で取るように組むだけで空白を防げます。
深夜の勤務時間は勤務ごとに数えます
労働基準法第37条第4項は、午後10時から午前5時までの間に労働させた場合、その時間の労働について通常の労働時間の賃金の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないと定めています。厚生労働大臣が必要と認める地域または期間については、午後11時から午前6時までです。計算機は 22:00〜5:00 を深夜として、勤務の行ごとに重なった長さを示し、結果には人数を掛けて合計した深夜勤務を出します。22:00〜6:00 の勤務は8時間のうち 22:00〜5:00 の7時間が深夜で、15:00〜23:00 の勤務は 22:00〜23:00 の1時間だけが深夜です。
計算機が示すのは時刻が重なった長さです。深夜の割増が実際に必要になるかや、時間外・休日の割増と重なる場合の扱いは、就業規則や雇用契約と合わせて確認してください。なお、深夜帯の長さは 22:00〜5:00 の7時間であり、夜勤が 5:00 を過ぎた1時間は深夜の時間に入りません。
間違えやすい計算
- 延べ勤務時間から勤務のある時間を引いた値を重なりと読む: 3班の例では延べ勤務時間が24時間、勤務のある時間が10時間で、差は14時間です。しかし2つ以上の班が同時にいるのは 9:00〜17:00 の8時間だけです。3つの班がそろう時間を二重に引くので、差が大きくなります。
- 接している交代に引継ぎ時間があると思う: 14:00 に終わって 14:00 に始まるなら、重なりは0分です。流れの一覧には「そのまま交代 · 重なり0分」と別に表示されます。
- 営業していない時間まで空白に数える: 24時間営業でないなら、確認する範囲を営業時間に変えると、本当に空いている時間だけが残ります。営業時間も 20:00〜4:00 のように0時をまたげます。
- シフトが重なれば人数も足りていると考える: 1人ずつのシフトが2つ重なっても2人です。必要人数が3人なら、重なっている時間も人数不足です。人数の欄と必要人数をあわせて入れると、この違いが見えます。
- 24時間勤務を同じ時刻で入れる: 8:00〜8:00 は0分なのか1日なのか判断できないため、エラーにします。実際に24時間勤務なら、行の下の「24時間勤務として数える」を押してください。
限界と注意
- シフト表は毎日同じ時刻で繰り返すと仮定します。曜日ごとに違うシフト表は、同じ内容の日ごとに分けて別々に計算してください。
- 時刻は1分単位で、勤務は20行まで入れられます。1行は24時間を超えられません。
- 1日は常に24時間として扱います。時差のある拠点どうしの勤務は、同じ時間帯に直して入れてください。
- 休憩、移動、席を外す時間は自動では引きません。必要なら勤務を分けて入れてください。
- 結果は時刻の長さを数えた値で、労働時間の認定、時間外・深夜の割増賃金、法律違反の有無は判定しません。
- 入力はこのブラウザの中だけで計算し、サーバーには送りません。「リンクをコピー」を押したときだけ、シフト表がアドレスに入ります。
法令の確認日: 2026年10月22日。労働基準法(令和8年7月17日施行の改正を反映した現行条文)の第32条・第34条・第36条・第37条と、労働時間等の設定の改善に関する特別措置法の第2条を、e-Gov 法令検索で確認しました。
出典
- 01e-Gov 法令検索: 労働基準法(昭和22年法律第49号)第32条 休憩を除き1週40時間・1日8時間。第34条 6時間超45分・8時間超1時間の休憩を労働時間の途中に。第36条 時間外・休日労働の労使協定。第37条 第1項の割増賃金と第4項の深夜(午後10時〜午前5時)2割5分以上
- 02e-Gov 法令検索: 労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(平成4年法律第90号)第2条第1項 事業主の努力義務として、終業から始業までの時間の設定(勤務間インターバル)などを規定
- 03IETF RFC 5545, 3.6.1 Event Component予定の終了(DTEND)はその時刻を含まない。終了と開始が同じ2つの勤務が重ならない扱いの根拠
よくある質問
早番 8:00〜16:00 と遅番 15:00〜23:00 は何時間重なりますか?
15:00〜16:00 の1時間が重なります。1日24時間で見ると、23:00 から翌日 8:00 までの9時間は誰も勤務しない空白で、誰かが勤務している時間は15時間です。
6:00〜14:00、14:00〜22:00、22:00〜6:00 の3交代は重なりがありませんか?
重なりは0分、空白も0分です。そのかわり 6:00・14:00・22:00 の3か所は、前のシフトが終わる時刻に次のシフトが始まる「そのまま交代」で、引継ぎの時間が0分です。引継ぎが必要なら、各シフトの終了を30分ずつ遅らせて入れてみてください。
必要人数を2人にすると何が変わりますか?
空白の欄が、人数不足の時間に切り替わります。勤務している人数が2人未満の時間をすべて足した値で、誰もいない時間も含まれます。店舗の例では、15:30〜16:00 に中番の1人だけが残り、30分が不足します。
夜10時から朝6時までの勤務はどう入れますか?
開始 22:00、終了 6:00 をそのまま入れてください。終了が開始より早ければ翌日に終わる8時間の勤務として扱い、ダイヤルには0時をまたぐ1本の弧で描きます。この勤務のうち、労働基準法第37条第4項の深夜(午後10時〜午前5時)にあたるのは 22:00〜5:00 の7時間です。
営業時間だけを確認すると何が変わりますか?
営業の開始から終了までの時間だけを、空白・重なり・人数不足として数えます。営業 20:00〜4:00 に 22:00〜6:00 と 23:00〜2:00 の勤務を入れると、20:00〜22:00 の2時間が空白、23:00〜2:00 の3時間が重なりです。延べ勤務時間と深夜勤務はシフト表全体で数えます。
重なる時間と延べ勤務時間はなぜ別に出ますか?
重なる時間は2つ以上のシフトが同時にいる時刻の長さで、3つ重なっても1回しか数えません。延べ勤務時間は、各勤務の長さに人数を掛けて合計した値です。8:00〜18:00、9:00〜17:00、10:00〜16:00 の3班なら、重なりは8時間、延べ勤務時間は24時間です。
休憩時間はどう反映しますか?
1つの勤務を、休憩の前後の2行に分けて入れてください。8:00〜17:00 で 12:00〜13:00 が休憩なら、8:00〜12:00 と 13:00〜17:00 として入れます。労働基準法第34条は、6時間を超えるなら45分以上、8時間を超えるなら1時間以上の休憩を労働時間の途中に与えるよう定めているため、1人だけの時間帯では休憩中に空白ができることがあります。
開始と終了を同じ時刻で入れるとどうなりますか?
8:00〜8:00 は0分なのか24時間なのか分からないため、エラーにして結果を確定しません。実際に24時間勤務なら、その行の下の「24時間勤務として数える」を押してください。使わない行なら削除します。