必要なツールを、すぐ使えるように

FIP計算ツール

FIPは、三振・四球・死球・被本塁打だけから計算し、防御率と同じ目盛りに載せた投手指標です。(13 × 被本塁打 + 3 ×(四球 + 死球)− 2 × 三振)÷ 投球回にリーグ定数を足します。2026年の大野 雄大(中日)は143イニングで三振96・四球39・死球5・被本塁打18、174 ÷ 143 + 2.780 = 4.00で、防御率2.45より1.55高い値でした。同じ年のNPB平均は3.31です。

最終更新 2026-10-23計算はブラウザ内だけで処理
比較するリーグ

FIP

—
—
—
—

線にマウスを重ねると投手名が表示されます

最終更新 2026-10-23入力値は保存しません

ROBERINの基準必要なツールを、
すぐ使えるように。
  • ひと目で分かる画面入力と結果の位置をはっきり分けます。
  • 結果が先主要な結果を先に示し、過程は必要なときだけ。
  • 求めない登録や不要な入力なしですぐ使えます。

143イニングで三振96・四球39・死球5・被本塁打18なら、FIPは4.00です

FIP(Fielding Independent Pitching)は、投手が自分で決められる四つの結果、つまり三振・四球・死球・被本塁打だけから計算する指標です。FanGraphsは、インプレー打球の結果と出来事の順序がリーグ平均並みだった場合に、その投手の防御率がどれくらいになったかを示す値だと説明しています。式は(13 × 被本塁打 + 3 ×(四球 + 死球)− 2 × 三振)÷ 投球回 + 定数で、定数は結果を防御率と同じ目盛りに移すためだけに加えます。

2026年の大野 雄大(中日)の成績を入れてみます。13 × 18 = 234、3 ×(39 + 5)= 132、2 × 96 = 192なので、括弧の中は234 + 132 − 192 = 174です。143イニングで割ると174 ÷ 143 = 1.217となり、NPB 2026年の定数2.780を足したFIPは4.00です。同じシーズンの防御率は2.45でした。三振・四球・本塁打だけを見れば、実際より1.55点ほど多く失点していてもおかしくなかったことになります。規定投球回に達したNPBの投手22人の中で、FIPは最も高く、防御率との差も最大でした。

FIPを防御率と並べて見る理由

防御率は、投手が登板している間に入った点をそのまま数えます。そのため、後ろの守備がどれだけアウトにしたか、安打がどの順序で出たかによって、同じ投球でも数字が大きく変わります。FanGraphsは、2アウトから単打・単打・本塁打・アウトの順なら3点、本塁打・単打・単打・アウトの順なら1点という例で、この違いを説明しています。FIPは守備・運・順序の影響を取り除き、投手本人の結果だけを残します。次のような場面で防御率の隣に置くと役に立ちます。

  • シーズン途中で防御率が急に高い、または低い投手について、実力が変わったのか運の影響なのかを見極めたいとき
  • 守備の強いチームと弱いチームの投手を、同じ目盛りで比べたいとき
  • 来季の防御率を見込むとき:FanGraphsは、防御率とFIPのどちらかに賭けるならFIPのほうが良い選択だと説明しています。
  • WARの考え方を知りたいとき:FanGraphsの投手WARは、防御率ではなくFIPをもとにしています。

使い方

  1. 上部で比較するリーグ(KBO・MLB・NPB)を選びます。FIP定数欄に、そのリーグの2026年レギュラーシーズンの定数が入ります。
  2. 投球回・奪三振・与四球・与死球・被本塁打を入れます。投球回は成績表のとおり143.1のように入れればよく、複数の試合を足すときは6.2+7+5.1のように+でつなぎます。死球欄を空欄にすると0として計算します。
  3. 防御率がわかれば一緒に入れます。結果の帯にERA − FIPが表示され、図にはこの成績のERAからFIPへ向かう線が描かれます。
  4. 2026年の規定投球回到達投手を読み込んで、実在の投手の成績と比べることもできます。読み込んだ投手は、順位や比較の数え方から自分自身を除きます。
  5. 別のシーズンやリーグの成績なら、FIP定数欄にその定数を直接入れます。下の定数表に2025年の値もあります。

計算方法

FanGraphs LibraryとMLB公式用語集は同じ式を使っています。重みの13・3・2は、FanGraphsの説明では、本塁打・四球・三振が失点を防ぐうえで持つ相対的な価値にもとづいています。

  • FIP =(13 × 被本塁打 + 3 ×(四球 + 死球)− 2 × 三振)÷ 投球回 + 定数
  • 投球回 = アウト数 ÷ 3(143⅓イニング = アウト430個、145.1イニング = 145⅓イニング = アウト436個)
  • 定数 = リーグ防御率 −(13 × リーグ被本塁打 + 3 ×(リーグ四球 + リーグ死球)− 2 × リーグ三振)÷ リーグ投球回
FIPの計算例(2026年レギュラーシーズンの実際の成績)
投手括弧の中÷ 投球回+ 定数FIPERA
大野 雄大(中日)143イニング ・ K 96 ・ BB 39 ・ HBP 5 ・ HR 18234 + 132 − 192 = 1741.2172.780(NPB)4.002.45
Jacob deGrom(TEX)162⅔イニング ・ K 201 ・ BB 46 ・ HBP 2 ・ HR 20260 + 144 − 402 = 20.0123.093(MLB)3.114.20
Won Tae In(Samsung)145⅓イニング ・ K 117 ・ BB 34 ・ HBP 8 ・ HR 678 + 126 − 234 = −30−0.2063.553(KBO)3.354.52

1/3イニングを0.33と置いたり、143.1をそのまま143.1で割ったりすると、結果がずれます。この計算ツールはイニングをアウト数に直して割り、最後にだけ小数第2位へ丸めます。下の図の綱引きは、この計算をそのまま描いたものです。定数の位置から出発し、三振の分だけ左へ引かれ、四球・死球と本塁打の分だけ右へ押された先がFIPです。

リーグ別のFIP定数(2025・2026年レギュラーシーズン)

定数は、リーグ平均のFIPがリーグ平均の防御率と一致するように決めます。そのためリーグごと、年ごとに異なります。下の値は、各リーグの公式記録にあるチーム投手成績の合計から、FanGraphsの式どおりに計算したものです。

リーグ防御率(= リーグ平均FIP)とFIP定数
リーグ ・ シーズン防御率FIP定数K/9BB/9HR/9
NPB 20263.312.7807.912.850.84
NPB 20253.012.6977.292.670.64
MLB 20264.173.0938.503.411.16
MLB 20254.153.1288.493.211.18
KBO 20264.663.5537.803.750.96
KBO 20254.313.4307.773.610.84

FanGraphsが公表しているMLBの定数は、2026年が3.100、2025年が3.135で、MLB公式統計の合計から計算した値より、どちらの年も0.007大きくなっています。FanGraphsの選手ページのFIPとぴったり合わせたいときは、定数欄に3.100を入れてください。定数が0.007違うと、FIPの小数第2位が0.01変わることがあります。

定数がリーグごとに違うため、同じ成績でもどのリーグの定数を使うかでFIPは変わります。大野 雄大の2026年の成績にNPBの定数を使うと4.00、MLBの定数なら4.31、KBOの定数なら4.77です。KBOとNPBの定数の差は0.773にもなります。別のリーグの投手と比べるときは、FIPの数字を直接並べるのではなく、それぞれのリーグ平均からどれだけ離れているかを比べてください。計算ツールの「リーグ平均を100としたFIP」の行が、その比率です。

防御率とFIPの差を読む

ERA − FIPが正なら、三振・四球・本塁打から見込まれるより多くの点を許したことを、負なら少なく抑えたことを意味します。MLB公式用語集は、インプレー打球の被打率が高かった投手は、FIPより防御率が高くなりやすいと説明しています。FanGraphsはこの差を多くの場合インプレー打球の運とみなしますが、走者を抑える力や、安打になりにくいフライを多く打たせる力を持つ投手は、継続的にFIPより低い防御率を残せると付け加えています。1シーズンのあいだは二つの値が大きく開くことがあっても、長く見れば大半の投手で二つの値は近づきます。

NPB 2026年 規定投球回の投手22人の防御率とFIP(FIP順、定数2.780)
投手投球回ERAFIPERA − FIP
髙橋 遥人(阪神)1591.871.99−0.12
才木 浩人(阪神)1542.512.23+0.28
井上 温大(巨人)1472.022.24−0.22
隅田 知一郎(西武)166⅓2.272.26+0.01
平良 海馬(西武)1461.362.27−0.91
エスピノーザ(オリックス)149⅓2.712.64+0.07
村上 頌樹(阪神)180⅓1.852.72−0.87
伊藤 大海(日本ハム)172⅔3.182.80+0.38
山野 太一(ヤクルト)162⅓2.332.80−0.47
東 克樹(DeNA)161⅓2.402.85−0.45
北山 亘基(日本ハム)147⅔2.562.92−0.36
柳 裕也(中日)1502.342.93−0.59
金丸 夢斗(中日)160⅔2.912.95−0.04
武内 夏暉(西武)1433.272.97+0.30
荘司 康誠(楽天)1593.453.04+0.41
早川 隆久(楽天)1532.943.25−0.31
奥川 恭伸(ヤクルト)1562.883.26−0.38
九里 亜蓮(オリックス)163⅔3.193.45−0.26
大津 亮介(ソフトバンク)144⅓2.683.53−0.85
ジャクソン(ロッテ)150⅔3.463.59−0.13
床田 寛樹(広島)143⅓2.763.67−0.91
大野 雄大(中日)1432.454.00−1.55

22人のうち、防御率がFIPより低い投手が16人、高い投手が6人です。規定投球回の投手は、KBOが18人中11人対7人、MLBが46人中28人対18人と、三つのリーグすべてで防御率がFIPより低い側のほうが多くなりました。MLBでは、Jacob deGrom(TEX)が防御率4.20、FIP 3.11で、大野 雄大とは反対の向きに1.09開いています。

本塁打1本は三振6.5個に相当します

重みが13 : 3 : 2なので、本塁打1本を打ち消すには、三振6.5個、または四球・死球4.33個が必要です。四球1個は三振1.5個に相当します。1回の出来事がFIPを動かす大きさは、投球回で割るため、投げたイニングが少ないほど大きくなります。

1回の出来事がFIPを変える大きさ
投球回被本塁打1本四球・死球1個三振1個
60+0.217+0.050−0.033
100+0.130+0.030−0.020
145⅓+0.089+0.021−0.014
162⅔+0.080+0.018−0.012
180+0.072+0.017−0.011

中継ぎ投手のように60イニング前後しか投げていない場合は、本塁打1本でFIPが0.22近く上がります。短いイニングのFIPが大きく揺れる理由はここにあります。

FIPはいくつなら良いのか

FIPは防御率と同じ目盛りなので、防御率と同じように読めば大丈夫です。FanGraphsは次の目安表を示したうえで、リーグ平均のFIPは毎年リーグ平均の防御率と一致するように調整されるため、あくまで目安だと断っています。

FanGraphsのFIP目安表(2016年の得点環境が基準)
評価FIP
最上位(Excellent)3.20
非常に良い(Great)3.50
平均以上(Above Average)3.80
平均(Average)4.20
平均以下(Below Average)4.40
悪い(Poor)4.70
非常に悪い(Awful)5.00

2026年のリーグ平均はNPBが3.31、MLBが4.17、KBOが4.66なので、この表をリーグの区別なく使うと判断がずれます。たとえばFIP 4.20は、NPBではリーグ平均を0.89上回る値ですが、KBOでは0.46下回る値です。そこで計算ツールは、選んだリーグの2026年平均と規定投球回の投手の順位を先に示し、目安表は読み取りの行に参考として添えるだけにしています。

よくある間違い

  • 143.1イニングを143.1で割る:143.1は143⅓イニングです。たとえば6.1イニング(アウト19個)で被本塁打1・四球2・三振7の投手は、括弧の中が13 + 6 − 14 = 5です。5 ÷ 6.1 = 0.8197と割ると、MLBの定数3.093を足して3.91になりますが、アウト数で5 × 3 ÷ 19 = 0.7895と割れば3.88で、0.03違います。イニングが短いほど、このずれは大きくなります。
  • 死球を入れ忘れる:式の3倍の項には、四球と死球の両方が入ります。大野 雄大の死球5個を抜くと、FIPが4.00ではなく3.89になり、0.11低く出ます。
  • 敬遠を別に引く:FanGraphsとMLB公式用語集の式は、四球をすべて使います。敬遠を引く式を使うなら、定数も同じ方法で求め直さないと、リーグ平均のFIPがリーグ平均の防御率と合いません。
  • 別のリーグ・シーズンの定数を使う:MLBの定数はNPBより0.313大きいため、NPBの記録にMLBの定数を使うとFIPが0.31高く出ます。2025年の記録なら2025年の定数を使ってください。
  • FIPとFIP−を混同する:FanGraphsのFIP−は、リーグと球場の両方を補正した版です。計算ツールの「リーグ平均を100としたFIP」は球場の補正をしていないので、FIP−とは別の値です。
  • 1試合のFIPで判断する:FanGraphsは、FIPは1試合の投球を説明するのには向かず、1シーズン程度のイニングに適していると説明しています。

限界

  • インプレー打球はすべてリーグ平均の確率で安打になると仮定します。ゴロ・フライの質や走者の抑え方のように、実際に失点を減らす技術はFIPに入りません。
  • リーグと球場の補正がありません。FanGraphsは、投手有利の球場で投げる投手のFIPは継続的に低く出ると説明しています。比較は同じリーグ・同じ年の中で行ってください。
  • FanGraphsが投手WARに使うFIPは、内野フライを三振として数えるifFIPで、定数も別に求めます。そのため選手ページのFIPやこの計算機のFIPとは少し違います。
  • KBO・NPBの定数は、公式記録の合計から自分で計算した値です。ほかの記録サイトは式や丸め方が違い、定数が少し異なる場合があります。
  • リーグ平均と規定投球回の投手一覧は、2026年レギュラーシーズン終了後の公式記録で、ポストシーズンの記録は含みません。

基準日 式と説明は、2026-10-23にFanGraphs LibraryとMLB公式用語集の原文で確認しました。定数・リーグ平均・規定投球回の投手は、KBO記録室、MLB公式統計(Stats API)、NPB公式記録の2026年レギュラーシーズン(2026-10-21取得)と2025年レギュラーシーズン(2026-10-23取得)から計算しました。

出典

よくある質問

FIPとは何ですか?

Fielding Independent Pitchingの略で、投手が自分で決められる三振・四球・死球・被本塁打だけから計算する指標です。インプレー打球が安打になったかアウトになったかは含めず、防御率と同じ目盛りで読めるように定数を足します。FanGraphsは、守備・運・出来事の順序の影響を取り除いた値だと説明しています。

FIPの計算方法は?

(13 × 被本塁打 + 3 ×(四球 + 死球)− 2 × 三振)÷ 投球回 + 定数です。投球回の末尾の.1・.2は⅓・⅔イニングを表します。143イニングで三振96・四球39・死球5・被本塁打18なら(234 + 132 − 192)÷ 143 = 1.217で、NPB 2026年の定数2.780を足して4.00になります。

FIP定数はどう求めますか?

リーグ防御率から、リーグ全体の記録で計算した(13 × 本塁打 + 3 ×(四球 + 死球)− 2 × 三振)÷ 投球回を引きます。こうすると、リーグ平均のFIPがリーグ平均の防御率と一致します。2026年レギュラーシーズンの公式合計で計算すると、NPBは2.780、MLBは3.093、KBOは3.553です。FanGraphsが公表しているMLBの2026年の値は3.100です。

防御率がFIPより低いのは、どういう意味ですか?

三振・四球・本塁打だけから見れば、実際より失点が多くてもおかしくなかったという意味です。大野 雄大は防御率2.45、FIP 4.00でした。FanGraphsはこの差を多くの場合インプレー打球の運とみなしますが、走者を抑える力やフライを打たせる力が理由になる場合もあると説明しています。

FIPはいくつなら良い数字ですか?

FanGraphsの目安表(2016年の得点環境)では、3.20が最上位、3.50が非常に良い、3.80が平均以上、4.20が平均、4.40が平均以下、4.70が悪い、5.00が非常に悪いとされています。ただしリーグ平均のFIPは毎年リーグ平均の防御率と一致するように調整されるため、その年のリーグ平均と比べるほうが正確です。

FIPの平均は?

リーグ平均のFIPがリーグ平均の防御率と一致するように定数を決めるため、両者は同じ値になります。2026年レギュラーシーズンはNPBが3.31、MLBが4.17、KBOが4.66で、2025年はNPBが3.01、MLBが4.15、KBOが4.31です。

敬遠も四球に入れますか?

FanGraphs LibraryとMLB公式用語集のFIPの式は、四球(BB)と死球(HBP)をそのまま使い、敬遠を別に引きません。成績表の四球には敬遠が含まれているので、その数字をそのまま入れてください。敬遠を引く式を使うなら、定数も同じ方法で求め直す必要があります。

何イニングからFIPを信頼できますか?

FanGraphsは、FIPは1試合の成績を説明するのには向かず、1シーズン程度のイニングに適していると説明しています。イニングが少ないと本塁打1本の重みが大きくなり、60イニングなら本塁打1本でFIPが0.22上がりますが、180イニングなら0.07です。