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棚卸ロス計算機

棚卸ロスは、帳簿より不足した数量に原価を掛けた金額です。帳簿120個で実地112個、原価168円なら、ロスは1,344円で、帳簿在庫金額の6.67%です。品目を複数行入力すると、ロス額の合計と金額基準のロス率、帳簿より多かった超過分と差引差異が出ます。売上高比のロス率、目標ロス率との比較、ロスの大きい品目の順位と種類別の合計も一緒に確認できます。

最終更新 2026-10-24計算はブラウザ内だけで処理
実地棚卸した品目
最大20品目。原価と2つの数量は同じ単位(個・kg・箱)で入力してください。
ロス率の基準
目標ロス率は空欄なら比較しません。2%は例の値なので、自店の基準に合わせて変更してください。
在庫ロス額

    入力した実地数量と原価から計算した値です。会計・税務上の処理は、自社の方針と専門家の確認に従ってください。

    どの品目でロスが出たか

      ロスの種類別合計
      • 原因不明
      • 破損・劣化
      • 期限切れ
      • 盗難・紛失
      • 記録ミス

      最終更新 2026-10-24入力値は保存しません

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      帳簿120個で実地112個なら、棚卸ロスは不足8個×原価です

      棚卸ロス(在庫ロス)は、帳簿上の数量と実地棚卸で数えた数量の差に、1個あたりの原価を掛けた金額です。牛乳1Lの帳簿在庫が120本、実地棚卸で112本、原価が1本168円なら、不足した8本 × 168円 = 1,344円がロスになります。この品目の帳簿在庫金額は120 × 168円 = 20,160円なので、ロス率は1,344 ÷ 20,160 × 100 = 6.67%です。

      上の計算機の例は、5品目をまとめて実地棚卸した場合です。牛乳・卵・コーヒー豆・カップ麺の4品目が帳簿より不足していて、ロス額は合計2,932円、5品目の帳簿在庫金額112,800円に対して2.60%になります。ミネラルウォーター2Lは帳簿より2本多く、176円分が超過として出ますが、ロスから差し引かず別に表示します。目標ロス率を2%にすると許容されるロス額は2,256円で、676円を超えています。以下では、計算の手順、ロス率の2つの基準、超過分と差引差異、会計上の扱い、ロスの大きい品目から確認する方法を順に説明します。

      棚卸ロスはいつ計算しますか?

      • 月末・期末の実地棚卸が終わったとき: 品目ごとの差の数量だけでは、どの品目の影響が大きいかわかりません。単価の違う品目を金額に直すと、ロスの大きさを同じ尺度で比べられます。
      • 決算で棚卸減耗損を整理するとき: 帳簿棚卸と実地棚卸の差は、棚卸減耗損として処理します。原価性の有無を判断する前に、まず金額を確定しておく必要があります。
      • ロスの原因を探すとき: 破損・期限切れ・盗難などの種類を付けておくと、どの原因で金額がいちばん多く失われているかが見えます。少数の品目に偏っているなら、その品目の保管と発注を先に見直すと効果が出やすくなります。
      • 目標や業界の水準と比べるとき: 前回の棚卸より悪化していないか、社内の目標を超えていないかを確認します。業界の調査は売上高に対する比率で示されることが多いため、比べるときは基準を売上高に切り替えます。

      棚卸ロスの計算手順

      計算は品目ごとに同じ順序で行い、最後に合計します。例の牛乳1Lで1行ずつ確認します。

      手順計算牛乳1Lの例
      1. 差の数量帳簿数量 − 実地数量120 − 112 = 8本不足
      2. ロス額不足した数量 × 原価8 × 168円 = 1,344円
      3. 帳簿在庫金額帳簿数量 × 原価120 × 168円 = 20,160円
      4. ロス率ロス額 ÷ 帳簿在庫金額 × 1001,344 ÷ 20,160 × 100 = 6.67%
      5. 合計全品目のロス額 ÷ 全品目の帳簿在庫金額2,932 ÷ 112,800 × 100 = 2.60%

      原価は売価ではなく、その商品を仕入れた(作った)ときの原価で入力します。棚卸減耗損は原価で在庫を減らす金額なので、売価を掛けると失われた販売機会まで混ざり、ロスが大きく出てしまいます。例の5品目を表にまとめると次のとおりです。

      品目原価帳簿実地差ロス額帳簿数量比
      牛乳 1L168円1201128 不足1,344円6.67%
      卵 10個パック198円40382 不足396円5.00%
      コーヒー豆 1kg2,400円12.512.20.3 不足720円2.40%
      カップ麺118円2402364 不足472円1.67%
      水 2L(ミネラルウォーター)88円3003022 超過0円(超過 176円)該当なし
      合計該当なし該当なし該当なし該当なし2,932円金額基準で2.60%

      最後の列の数量ベースのロス率は、品目の中だけで意味を持ちます。牛乳は本、コーヒー豆はkgで数えているので、2つの数量を足した値から比率は出せません。そのため、複数品目の合計は金額だけで比べます。

      ロス率は何で割りますか?

      同じロス額でも、何で割るかによってロス率は変わります。計算機の「ロス率の基準」で、次の2つから選べます。

      基準式例(ロス2,932円)使う場面
      帳簿在庫金額比ロス額 ÷ 帳簿在庫金額 × 1002,932 ÷ 112,800 = 2.60%棚卸した在庫のうち、どれだけ失われたかを見るとき
      売上高比ロス額 ÷ 同じ期間の売上高 × 1002,932 ÷ 700,000 = 0.42%前の期間や業界の調査と比べるとき

      売上高比で見るときは、前回の棚卸から今回の棚卸までの売上高を入れます。ロスはその期間に積み上がったものだからです。全国万引犯罪防止機構の第11回全国小売業万引被害実態調査(平成28年6月公表、平成27年度に実施)では、年間の不明ロス(万引き以外を含む)の年間総売上高に対する比率が、有効回答220社の平均で0.41%でした。米国小売業協会(NRF)の2023年の調査では、2022会計年度の平均ロス率(shrink)は売上高比1.6%で、2021会計年度の1.4%から上がっています。業種も調査年も異なるため、そのまま目標にはできませんが、売上高比で何%くらいが一般的かを知る目安にはなります。小売業ではロスを売価で集計する例もあるため、原価で計算するこの計算機のロス率は、そうした調査の値より低く出ることがあります。

      目標ロス率に決まった基準はありません。計算機の2%は例の値なので、過去数回の棚卸結果や業種の特性(傷みやすい生鮮品、単価が高く小さい商品など)を踏まえて、自店の基準を決めてください。目標を入れると、許容ロス額(基準の金額 × 目標%)と、目標を超えた金額が一緒に出ます。

      帳簿より多かった品目はどうしますか?

      実地数量が帳簿より多い品目はロスではないため、ロス額に足しません。代わりに「超過分」として別に表示し、帳簿在庫金額から実地在庫金額を引いた「差引差異」の中でだけ相殺します。例では超過分はミネラルウォーターの176円で、差引差異は112,800 − 110,044 = 2,756円(帳簿在庫金額の2.44%)です。

      超過分をロスから直接引かないのは、原因が違うからです。帳簿より多く出る場合は、入荷登録の漏れ、返品処理の誤り、似た商品の数え間違いが多く見られます。牛乳が足りなくてミネラルウォーターが余ったからといって互いに打ち消し合うわけではないので、品目ごとに原因を確認し、帳簿を直してから再計算するほうが正確です。

      会計上の扱い: 棚卸減耗損と商品評価損

      在庫の損失は、会計上は2つに分かれます。数量が減ったものが棚卸減耗損、数量はそのままで価値が下がったものが評価損です。この計算機が求めるロス額は、棚卸減耗損にあたります。

      区分原因計算日本の基準IFRS(IAS 2)
      棚卸減耗損盗難・破損・蒸発や記録ミスで、数量が帳簿より少ない(帳簿数量 − 実地数量) × 原価企業会計基準第9号は表示区分を定めていない。1962年の連続意見書第四は原価性の有無で区分すべての減耗損は、発生した期間の費用
      商品評価損売れ行きの悪化や値下がりで、原価より安く売るしかない実地数量 × (原価 − 正味売却価額)正味売却価額が取得原価より下がれば差額は当期の費用(第7項)、表示は原則として売上原価(第17項)取得原価と正味売却価額のいずれか低い額で測定し、切り下げた期間の費用

      企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」の第7項は、通常の販売目的で保有する棚卸資産について、期末の正味売却価額が取得原価より下落しているときは正味売却価額を貸借対照表価額とし、差額を当期の費用として処理すると定めています。第17項は、この簿価切下額を売上原価とし、製造に関連して不可避的に発生するときは製造原価とすること、臨時の事象に起因し、かつ多額であるときは特別損失に計上することを定めています。この基準が扱うのは収益性の低下による簿価切下げで、本文に「棚卸減耗」の語はありません。

      棚卸減耗損の表示区分については、企業会計審議会が1962年に公表した連続意見書第四「棚卸資産の評価について」(第一・六)に、「棚卸修正差額は棚卸減耗費とし、原価性の有無にしたがい、原価性のあるものは製造原価、売上原価又は販売費に含め、原価性のないものは営業外費用項目又は利益剰余金修正項目とする」という記述があります。何を原価性があるとみなすかは数値では決まっていないため、毎期おおむね避けられない自然減耗や通常の破損の範囲は、会社が定めた方針で判断します。IAS 2は原価性による区分を設けず、評価減とすべての棚卸資産の減耗損は、評価減または減耗が発生した期間に費用として認識すると定めています。

      日本語版の計算機では、正常・異常の按分や仕訳例は表示しません。区分の根拠として現行の基準で確認できる本文が見つからなかったためです。金額を確定したあとの勘定科目や税務上の扱いは、会社の会計方針と税理士・公認会計士の判断に従ってください。

      ロスの大きい品目から確認する方法

      品目が多いほど、ロスは一部の品目に偏ることが多くなります。計算機の下にある「どの品目でロスが出たか」のバーは、ロス額の大きい順に品目を並べ、それぞれの割合と、上から足した累計の割合を示します。

      順位品目ロス額割合累計の割合
      1牛乳 1L1,344円45.8%45.8%
      2コーヒー豆 1kg720円24.6%70.4%
      3カップ麺472円16.1%86.5%
      4卵 10個パック396円13.5%100.0%

      例では、牛乳とコーヒー豆の2品目でロスの70.4%を占め、3品目目までで86.5%になります。差の数量はコーヒー豆が0.3kgと小さく、カップ麺の4個より少ないのに、単価が高いのでロス額は720円と472円のカップ麺を上回ります。数量の差が小さくても高単価の品目は先に確認し、累計が80%を超えるところまでの品目に管理を集中すると、少ない手間でロスを大きく減らせます。

      ロスの種類ごとに確認すること

      品目ごとにロスの種類を選ぶと、「ロスの種類別合計」のバーに原因別の金額が積み上がります。原因がわからないときは「原因不明」のままにして、わかり次第変更して見直してください。

      種類主な原因確認すること
      破損・劣化運搬・陳列中の破損、保管温度の逸脱検品の記録、冷蔵・冷凍の温度記録、陳列方法
      期限切れ発注過多、先入れ先出しが守られていない発注量と販売量の比較、陳列の順序、値引き処分の時期
      盗難・紛失万引き、内部の持ち出し、配送中の紛失死角の位置、出入りと持ち出しの記録、納品時の受け取り確認
      記録ミス入荷・返品の未登録、販売登録の誤り、単位の取り違え入出庫の伝票、POSの販売記録、ケースとバラの単位
      原因不明上の原因をまだ確認できていない次の棚卸まで、その品目の入出庫を別に記録する

      全国万引犯罪防止機構の同じ調査では、不明ロスの原因別の推定割合は、万引きが52.4%、管理誤りが31.7%、不明が10.4%、従業員の窃盗が4.4%、業者の不正が1.1%でした。盗難だけでなく、記録や管理のミスも3割を占めている点は、種類を分けて見る理由になります。

      間違えやすい点

      • 単価と数量の単位が違う: 1箱の原価を入れて数量はバラで数えると、ロスが箱の入り数だけ膨らみます。1つの品目の中では、原価と2つの数量を同じ単位にそろえてください。数量の単位(個・箱・kgなど)は品目ごとの選択欄で選べますが、単位を選んでも数値は換算されません。
      • 売価で計算した: 棚卸減耗損は原価基準です。売価で掛けると、会計上のロスより大きくなります。
      • 棚卸時点の入出庫を見落とした: 棚卸の直前に入荷した商品を帳簿に登録していない、または販売登録済みの商品が店頭に残っていると、差が出ます。棚卸の間は入出庫を止めるか、時点を記録しておいてください。
      • 超過分でロスを消した: 別の品目の超過分は、ロスを埋め合わせません。計算機はロス額と差引差異を別々に示します。
      • 数量ベースのロス率を合算した: 個とkgのように単位が違う数量を足した比率には意味がありません。複数品目の合計は、金額基準のロス率で見ます。
      • 期間が違う売上高で割った: 売上高比のロス率は、前回の棚卸から今回の棚卸までの売上高で割る必要があります。1年分の売上高で1か月分のロスを割ると、ロス率が小さく出ます。

      限界と注意

      • 入力した帳簿数量・実地数量・原価だけで計算します。先入先出法や総平均法などの評価方法による単価は、ご自身で決めて入力してください。
      • 評価損(価値が下がって生じた損失)は計算しません。正味売却価額が原価を下回る品目は、別に計算してください。
      • 棚卸減耗損の表示区分や勘定科目の処理は、会社の方針と会計・税務の専門家の判断に従ってください。日本語版の計算機は、通常の減耗と異常な減耗の按分を行いません。
      • 品目は最大20個まで入力できます。入力値は保存せず、サーバーにも送信しません。あとで開き直すには、「リンクをコピー」で得たアドレスを保管してください。品目名と数量はアドレスの # より後ろにだけ入ります。

      基準日 会計基準は2026-10-16に、企業会計基準第9号(最終改正2019年7月4日、ASBJのPDF)、連続意見書第四(1962年、転載ページ)、IAS 2(IFRS財団のページ)で確認しました。業界のロス率は、全国万引犯罪防止機構の第11回調査(平成27年度実施)と、NRF National Retail Security Survey 2023(2022会計年度)の値です。日本の調査値は10年前のものなので、目安として扱ってください。

      出典

      よくある質問

      棚卸ロスはどのように計算しますか?

      帳簿数量から実地数量を引いて不足した数量を求め、原価を掛けます。帳簿120個、実地112個、原価168円なら 8 × 168 = 1,344円です。品目が複数あるときは、品目ごとのロス額を足し合わせます。

      ロス率は何で割りますか?

      実地棚卸した在庫のうちどれだけ失われたかを見るなら、帳簿在庫金額(帳簿数量 × 原価)で割ります。前の期間や業界の調査と比べるなら、前回の棚卸から今回の棚卸までの売上高で割ります。例のロス2,932円は、帳簿在庫金額112,800円の2.60%、売上高700,000円の0.42%です。

      実地数量が帳簿より多いときはどうしますか?

      ロスではないのでロス額には足さず、超過分として別に表示します。帳簿在庫金額から実地在庫金額を引いた差引差異の中でだけ相殺します。例では超過分は176円、差引差異は2,756円(2.44%)です。入荷登録の漏れや数え間違いが多いので、原因を確認して帳簿を直してください。

      原価は売価で入力してもよいですか?

      原価で入力してください。棚卸減耗損は原価で在庫を減らす金額なので、売価を掛けると失われた販売機会まで混ざり、ロスが大きく出てしまいます。

      棚卸減耗損と商品評価損は何が違いますか?

      棚卸減耗損は盗難・破損・記録ミスで数量が帳簿より減った損失、評価損は数量はそのままで値下がりにより原価より安く売るしかなくなった損失です。企業会計基準第9号では、正味売却価額が取得原価を下回る分(第7項)が評価損にあたり、原則として売上原価です(第17項)。この計算機が出すのは棚卸減耗損で、評価損は実地数量 × (原価 − 正味売却価額)で別に求めます。

      棚卸減耗損はどの勘定科目で処理しますか?

      企業会計基準第9号は棚卸減耗損の表示区分を定めていません。1962年の連続意見書第四は、原価性のあるものを製造原価・売上原価・販売費、ないものを営業外費用などとしています。何を原価性ありとみなすかは会社の方針で判断するため、日本語版の計算機は按分を行いません。勘定科目と税務の扱いは、税理士や公認会計士に確認してください。

      目標ロス率は何%にすればよいですか?

      決まった基準はありません。計算機の2%は例の値なので、過去の棚卸結果と業種の特性を見て決めてください。参考として、全国万引犯罪防止機構の第11回調査(平成27年度実施)では不明ロスが売上高比で平均0.41%、米国小売業協会(NRF)の2023年調査では2022会計年度の平均ロス率が売上高比1.6%でした。

      入力した品目や数量は保存・送信されますか?

      保存せず、サーバーにも送信しません。あとで開き直すには、「リンクをコピー」で得たアドレスを保管してください。品目名と数量はアドレスの # より後ろにだけ入るため、ページを開くときにサーバーへは渡りません。