迷路作成ツールは、正解がひとつだけの迷路を形・大きさ・道の作り方に合わせて作ります
このツールは、四角・円形・六角の3種類の迷路を作ります。四角は縦横4~80マス、六角は4~50マス、円形は中心のマスを囲むリング3~40周まで選べます。作られる迷路はすべて完全迷路です。迷路研究者 Walter Pullen の定義では、完全迷路とは、切り離された壁も到達できない区画もなく、どのマスからどのマスへも道がちょうど1本だけの迷路のことです。そのため、スタートからゴールまでの正解も1本だけになります。
作った迷路は、そのまま画面で解けます。「自分で解く」を押して矢印キーや指で動かすと、かかった時間と歩数が記録され、ゴールすると最短ルートと比べてくれます。正解の線、迷路ができあがる過程、正解ルートの長さ・行き止まり・分かれ道の数といった指標も見られます。気に入った迷路は、正解ページを付けて A4 で印刷したり、PNG・SVG で保存したりできます。番号入りのリンクを使えば、同じ迷路をもう一度開けます。
迷路を自分で作りたいとき
ネットで探した迷路は、大きさや難しさが決まっていて、正解が付いていないことも少なくありません。自分で作れば、使う人や場面に合わせて調整できます。
- 子ども向けのプリント: はじめての子には8マスの大きな迷路、慣れてきたら16マスや円形の迷路を渡します。正解ページも一緒に印刷しておけば、大人がすぐに確かめられます。
- クラス全員が同じ迷路で: コピーしたリンクを配るか、印刷した紙の下にある番号を使えば、全員が同じ迷路になります。だれが先にゴールしたか、だれが短く行けたかを比べるのに向いています。
- ちょっとした気分転換: 紙を使わず画面で解き、時間と歩数を記録します。同じ迷路をもう一度解けば、記録がどれだけ縮んだかが分かります。
- ゲームやボードゲームのマップ案: SVG で保存すると、編集ソフトで線の太さや色を変え、マスに絵を重ねてマップの下地にできます。
- アルゴリズムの勉強: 「作る過程」を押すと、壁を壊していく順番がそのまま再生されます。3つの方式が同じ大きさの盤面をどれほど違う形に埋めるのか、目で比べられます。
使い方
- 「かんたん設定」で、こども・ふつう・むずかしい・激ムズ・円形・六角のどれかを押すか、形と大きさを自分で決めます。設定を変えると、迷路はすぐに描き直されます。
- 道の作り方を選びます。長い曲がり道は長くくねった道、短い枝は短い行き止まりが多い迷路、均一はその中間です。
- スタートとゴールを決めます。「角」は左上から右下へ(円形は外側から中心へ)、「いちばん遠く」は道のりがもっとも長くなる外側の2マスを入口と出口にします。距離は直線ではなく道に沿って測るため、入口と出口が壁1枚をはさんで隣り合うこともあります。
- 「新しい迷路」を押すと、同じ設定で別の迷路が出ます。下の指標で正解ルートの長さと行き止まりの数を見て、難しさの見当をつけます。
- 「自分で解く」で画面上で解くか、印刷・PNG・SVG・リンクのコピーで書き出します。「正解」のスイッチを入れると、正解ルートが描かれます。
3つの道の作り方は何が違うのか
どの方式も、マスの間の壁を1枚ずつ壊して、すべてのマスがちょうど1本の道でつながるようにします。違いは次に壊す壁をどう選ぶかで、その順番が迷路の持ち味を変えます。
- 長い曲がり道(再帰バックトラッカー): となりに未訪問のマスがあるかぎり掘り進み、行き詰まったら戻って別の枝を掘ります。Pullen によると、この方式は曲がり道がもっとも長く続く迷路になり、行き止まりは少ないものの長く、正解はたいてい非常に長くくねった道になります。
- 短い枝(修正 Prim): すでに作った区域のふちにあるマスをランダムに選んでつなげていきます。迷路が開始マスから四方に均等に育つので、Pullen の説明どおり、短い行き止まりが多く、正解はかなりまっすぐ寄りです。
- 均一(Wilson): 空きマスからランダムに歩き回り、すでに作った区域に着いたら、歩いた道から輪を消した経路を迷路につなげます。David Wilson が1996年に発表した方法で、同じ盤面で作れるすべての完全迷路を同じ確率で選びます。特定の偏りがない迷路が必要なときに使います。
| 道の作り方 | 行き止まり | 正解ルートの長さ | 正解ルートの分かれ道 | Pullen の表の行き止まり |
|---|---|---|---|---|
| 長い曲がり道 | 10.2% | 231マス(25.7%) | 21.9回 | 10% |
| 均一 | 29.0% | 100マス(11.2%) | 48.2回 | 29% |
| 短い枝 | 35.2% | 66マス(7.4%) | 42.0回 | 36% |
行き止まりの割合は、Pullen が四角い迷路についてまとめた表の値(再帰バックトラッカー 10%、Wilson 29%、修正 Prim 36%)とほぼ同じになります。注目したいのは正解ルートの分かれ道です。正解の道をたどる間に、複数の枝から1つを選ばなければならなかった場所の数で、長い曲がり道は正解がもっとも長いのに選ぶ場所は最少、均一は正解が短い代わりに選ぶ場所が2倍以上あります。どちらが難しく感じるかは人によって違うので、指標も見ながら選んでください。
難しさを決めるもの
迷路の難しさを1つの数字で決める基準はありません。代わりに、次の4つが体感の難しさを大きく左右します。
- 大きさ: マス数が増えると、正解ルートも行き止まりもあわせて増えます。もっとも確実に難しくなる方法です。
- 行き止まり: 入ってから引き返さなければならない道です。短い行き止まりはすぐ見抜けますが、長い行き止まりは、かなり進んでからやっと間違いに気づきます。
- 正解ルートの分かれ道: 正解をたどる途中で、道を選ばなければならない回数です。多いほど、間違った道に入る機会が増えます。
- スタート・ゴールの位置: 「いちばん遠く」にすると、道のりが最長になる外側の2マスが入口と出口になり、正解が長くなります。
指標の下にある目盛りは、いまの迷路の行き止まりの割合を、同じ形の迷路について道の作り方ごとに出した平均と並べて見せます。平均は、このツールで四角 30 × 30、六角 24 × 24、円形 15周の迷路を、道の作り方ごとに400個ずつ作って測った値です。
| 形 | 長い曲がり道 | 均一 | 短い枝 |
|---|---|---|---|
| 四角 30 × 30 | 10.2% | 29.0% | 35.2% |
| 六角 24 × 24 | 10.9% | 32.0% | 40.1% |
| 円形 15周 | 10.5% | 29.5% | 36.2% |
四角・円形・六角の迷路
四角い迷路は、マスごとに上下左右の4つの隣があるいちばんなじみ深い形です。印刷して鉛筆で解くのに向いていて、縦横を別々に決められるので、A4 縦に合わせた細長い迷路も作れます。
円形の迷路は、Pullen の用語集でいうシータ(theta)迷路で、通路が同心円に沿って並び、ふつうスタートかゴールが中心にあります。外側のリングほど円周が長くなるため、マスをそのままにすると外側のマスが極端に広くなってしまいます。このツールでは、Jamis Buck の『Mazes for Programmers』が説明する方法と同様に、リングごとにマスを分け直します。内側のリングの1マスが、このリングの内周で占める幅をリングの厚みで割って四捨五入した数だけマスを分けるので、2周目からは、その幅が厚みの1.5倍を超えるリングでマスの数が2倍になります(中央のマスを囲む1周目は6マスに分けます)。そのため、10周の迷路の各リングのマス数は、中心から順に 1、6、12、24、24、24、48、48、48、48、48 で、合計331マスです。
六角の迷路は、マスごとに隣が6つあるので分かれ道ができる場所が多く、道が斜めにつながるため、四角い迷路とは目の流れが違います。同じ道の作り方でも、上の表のとおり、均一と短い枝では行き止まりの割合が四角よりやや高く出ます。
迷路の解き方
壁伝い(右手法)は、片手を壁につけたまま離さずに歩く方法です。Pullen によると、この方法は最短ルートを見つけてくれるわけではなく、ゴールが中心にあって、その周りを閉じた輪の道が囲んでいると、まったく通用しません。このツールの迷路は、切り離された壁のない完全迷路なので、そうした輪はありません。円形迷路の中心のゴールも、壁をたどればいつかは着きますが、行き止まりを1つずつ出入りするので時間がかかります。
行き止まり埋めは、紙の迷路に向いた方法です。行き止まりを見つけて分かれ道まで塗りつぶし、新しくできた行き止まりをまた塗りつぶす、というのをくり返すと、正解だけが残ります。Pullen は、完全迷路ではいつでもただ1つの正解が見つかると書いています。短い枝の迷路のように、短い行き止まりが多いほど効果が大きくなります。
「自分で解く」の歩数は、引き返した分もすべて数えます。ゴールしたときの歩数が最短ルート(正解ルートの長さ − 1)と同じなら、一度も間違った道に入らなかったことになります。通った道はうすい線で残り、来たマスへ戻るとその線は消えます。
印刷と保存
印刷を押すと、迷路1ページ分が A4 縦(余白12 mm)で用意されます。上には名前と日付を書く欄、下には迷路番号と、もう一度開くためのアドレスが印字されます。「正解ページも印刷」を入れておくと、2ページ目に正解の線を描いた同じ迷路が出ます。正方形の迷路は紙の幅いっぱいに入るので、1マスの一辺は次のとおりです。
| 横のマス数 | 1マスの一辺 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| 8マス | 約20.2 mm | はじめての子ども、クレヨンや太いペン |
| 16マス | 約10.8 mm | 鉛筆で解くプリント |
| 30マス | 約6.0 mm | 細いペンで解く大人向け |
| 60マス | 約3.0 mm | じっくり取り組むチャレンジ用 |
| 80マス | 約2.3 mm | 大きな紙に SVG で印刷するとき |
PNG は長辺が約2,400ピクセルの白背景の画像なので、文書やメッセージにそのまま貼れます。SVG は線そのものを保存するため、どれだけ拡大しても粗くならず、編集ソフトで線の太さや色を変えられます。保存したファイルには画面上の正解表示がそのまま入るので、問題用と正解用を別々に保存したいときは、「正解」のスイッチを切って1回、入れて1回保存してください。
よくある間違い
- 番号は同じなのに迷路が違う: 番号が同じ迷路になるのは、形・大きさ・道の作り方が同じときだけです。番号だけを控えたなら、設定もあわせて控えるか、設定が入っている「リンクをコピー」を使ってください。
- スタート・ゴールを変えると迷路が変わると思う: スタート・ゴールは迷路の壁を変えず、入口と出口を移すだけです。同じ迷路でも「いちばん遠く」にすると、正解が長くなります。
- 行き止まりの数だけで難しさを選ぶ: 短い枝の迷路は行き止まりがいちばん多い一方、正解はいちばん短くなります。正解ルートの分かれ道の数とあわせて見てください。
- 問題用の図に正解が入ってしまった: PNG・SVG の保存は、正解スイッチの状態に従います。印刷は、1ページ目に正解を入れず、別に入れた2ページ目にだけ正解を入れます。
- スマホで大きな迷路を解こうとする: 60マスの迷路を幅360ピクセルの画面に描くと、1マスの一辺が6ピクセルもありません。スマホでは全画面にしても幅がほとんど変わらずマスは大きくならないので、画面で解く迷路は30マス以下(1マス約10ピクセル)にしてください。
できないこと
- 輪になった道のある迷路(ブレイド)、橋のように上下に交差する通路、多層の迷路は作りません。すべての迷路は、正解がひとつの完全迷路です。
- 形は四角・円形・六角の3種類で、ハートや文字のように外枠を絵の形に切り抜く機能はありません。
- 迷路番号は0から約43億までの32ビットのシードで、乱数にはゲーム用の疑似乱数(mulberry32)を使っています。抽選やセキュリティなど、予測できないことが求められる用途には使わないでください。
- 同じ番号が同じ迷路になるのは、いまこのツールの生成方式を前提にした話です。生成方式を直すと、同じリンクでも別の迷路が出る場合があるので、どうしても残したい迷路は PNG・SVG で保存してください。
- 印刷のサイズや余白は、ブラウザの印刷設定(倍率・用紙)によって変わることがあります。倍率は100%または標準のままにしてください。
- 「自分で解く」の時間は最初の一歩から計り、歩数には引き返した分も含まれます。
出典
基準日 Pullen のアルゴリズム表・用語集、Wilson 論文の書誌、Buck の書籍情報は、2026年10月22日に原文で確認しました。本文の表の平均値は、同じ日にこのツールで道の作り方ごとに迷路を400個ずつ作って測った値で、印刷のマスの大きさは、印刷幅を(横のマス数 + 1.2)で割って計算しています。
- 01Walter D. Pullen — Think Labyrinth: Maze Algorithms生成アルゴリズムの比較表(行き止まりの割合)、再帰バックトラッカー・修正 Prim・Wilson の説明、壁伝いと行き止まり埋め(英語)
- 02Walter D. Pullen — Think Labyrinth: Glossary完全迷路(Perfect)、シータ迷路(Theta)、River の定義(英語)
- 03David B. Wilson (1996), Generating random spanning trees more quickly than the cover timeSTOC '96 論文集 296~303ページ、輪を消すランダムウォークで一様な全域木を作る方法(英語)
- 04Jamis Buck (2015), Mazes for Programmers — Pragmatic Bookshelf'Going in Circles' の章(円形の格子をリングごとに分ける方法)、六角・三角の格子、Wilson と Aldous-Broder(英語)
よくある質問
同じ迷路をもう一度作れますか?
はい。迷路には番号があり、形・大きさ・道の作り方が同じなら、同じ番号からはいつでも同じ迷路が出ます。「リンクをコピー」を押すと、この設定と番号が入ったアドレスがコピーされ、印刷した紙の下にも番号とアドレスが載ります。スタート・ゴールの位置は迷路の形を変えず、入口と出口を移すだけです。
正解が2つ以上になることはありますか?
ありません。このツールが作る迷路は、道が輪になる場所のない完全迷路なので、どのマスからどのマスへも道はちょうど1本だけです。そのため、スタートからゴールまでの正解も1本で、正解の線はその道をそのまま示します。
3つの道の作り方は何が違いますか?
長い曲がり道は、行き止まりが少ない代わりに道が長く曲がり、正解も長くなります。短い枝は短い行き止まりが多く、正解は比較的まっすぐです。均一は作れるすべての迷路を同じ確率で選ぶ方式で、2つの中間のような印象になり、正解ルート上で道を選ぶ場所がもっとも多くなりました。
右手法でこの迷路は解けますか?
解けます。片手を壁につけたまま歩く方法は、中心の目標を囲む輪の道があると失敗しますが、このツールの迷路には輪の道がないので、円形迷路の中心のゴールまでたどり着けます。ただし最短ルートで進む方法ではないため、行き止まりに何度も出入りすることになります。
子ども向けにはどんな設定がいいですか?
はじめてなら、かんたん設定の「こども」(8 × 8、短い枝)から始めてみてください。マスが大きくて鉛筆でなぞりやすく、正解も短めです。慣れたら大きさを12~16マスに増やすか、円形を選んでみましょう。印刷のとき正解ページを入れておくと、2ページ目に正解が出ます。
印刷したとき、1マスの大きさはどれくらいですか?
A4 縦・余白12 mm で印刷すると、正方形の迷路の1マスの一辺は、おおよそ 186 mm ÷ (横のマス数 + 1.2) です。16マスなら約10.8 mm、30マスなら約6.0 mm、60マスなら約3.0 mm になります。鉛筆で解く紙なら、30マス以内が無難です。
スマホで自分で解くとき、うまく動きません。
「自分で解く」を押してから迷路の上を指でドラッグすると、コマは壁を越えずに通路をたどって指のほうへ動きます。指が壁の向こうにあると、それ以上近づけない場所で止まるので、分かれ道では進みたい通路の上へ指を動かしてください。スマホは全画面にしても幅がほとんど変わらずマスが大きくならないため、画面で解く迷路は30マス以下が向いています。
PNG と SVG はどちらで保存すればいいですか?
文書やメッセージにそのまま貼る画像なら PNG が手軽です。長辺が約2,400ピクセルあるので、A4 1枚に印刷しても線がくっきりします。大きな紙に印刷するときや、編集ソフトで線の太さ・色を変えたいときは SVG を使ってください。SVG は線として保存されるので、どれだけ拡大しても粗くなりません。正解を入れたまま保存すると、正解の線も一緒に入ります。