MP4から音声だけをMP3で保存します: ファイルはアップロードせず、大きな動画でも音声部分だけを読み取ります
MP4 MP3 変換ツールは、動画ファイルに入っている音声トラックだけを取り出してMP3で保存するツールです。ファイルを選ぶとまずMP4の目次を読み取り、映像・音声・その他の情報がそれぞれ何バイトを占めているかをバーで示し、音声トラックの波形を描きます。波形の上のつまみで必要な範囲だけを選び、音質を決めて「MP3に変換」を押せば完了です。
変換はすべてこのブラウザの中で行われ、動画がサーバーに送られることはありません。映像のバイトは読まず、音声のバイトだけを選んで読むため、数GBあるスマートフォンの動画でもファイルサイズの制限なく開けます。最初の画面にあるサンプル動画(合成音楽18秒)を192 kbpsで変換すると432,576バイト(433 KB)のMP3ができ、画面の予想サイズと実際のファイルサイズはバイト単位まで一致します。
動画から音声だけが必要なとき
動画ファイルは映像の分だけ重く、再生するには画面を点けておく必要があります。音声だけをMP3として取り出しておけば容量が小さくなり、音楽アプリ、カーオーディオ、録音の編集ソフトにそのまま取り込めます。
- 講義・会議の録画: 画面録画やオンライン会議の録画から話し声だけを残し、移動中に聴き直したり、文字起こしツールに渡したりできます。128 kbpsなら1時間で約57.6 MBです。
- ライブ・練習の動画: スマートフォンで撮った合奏や歌の動画から1曲だけを切り出してMP3で保管したり、一緒に練習した仲間に送ったりできます。
- 動画編集の下準備: 撮影した素材の音声だけを先に取り出し、編集ソフトでノイズを整えたり、別の動画のBGMに使ったりします。
- 音声記録の保管: 子どもとの会話、インタビュー、家族の行事など、映像より声が大切な記録を小さなファイルで残せます。
他人の動画や音源をダウンロードして変換し、利用することは著作権の侵害にあたるおそれがあります。このツールが開けるのは自分の端末にあるファイルだけで、動画のURLを入力して取り込む機能はありません。
使い方
- ファイルを選ぶ: 「MP4ファイルを選ぶ」を押すか、作業エリアのどこにでもファイルをドラッグして置きます。MP4・MOV・M4Vを開けます。
- 中身を確認する: 内訳のバーで映像・音声・その他の割合と、音声の形式(例: AAC · ステレオ · 48 kHz · 128 kbps)を確認します。音声トラックが2つ以上あるときは、下にトラックのボタンが現れます。
- 範囲を選ぶ: 波形の両端にあるつまみをドラッグするか、開始・終了の欄に 1:05.5 のように分:秒で入力します。「範囲を再生」で選んだ部分だけを聴けて、波形をクリックするとその位置から再生します。サンプル動画は最初の1.6秒がほぼ無音なので、開始を0:01.6に移すと16.4秒のMP3になります。
- 音質を選ぶ: 128・192・320 kbpsの各欄に、いま選んでいる範囲を変換したときのサイズがあらかじめ表示されます。初期値は192 kbpsです。
- 変換して保存する: 「MP3に変換」を押すと、選んだ範囲が波形の上で左から順に塗られていきます。終わったら「元の音声 / MP3」を切り替えて聴き比べ、「MP3を保存」でダウンロードします。
MP4の中では映像と音声が別々に入っています
MP4は映像・音声・字幕などのデータをまとめて入れる容器(コンテナー)で、その中の音声はAACなどの別の形式(コーデック)で圧縮されています。MP4はISOベースメディアファイルフォーマットから生まれ、そのフォーマットはAppleのQuickTime(MOV)形式から生まれました。そのため、iPhoneで撮ったMOVファイルも同じ方法で読めます。ファイル名の .mp4 を .mp3 に書き換えるだけでは、中のデータは変わりません。
ファイルの中には目次の役割をもつ箱(moov)があり、トラックごとに、サンプル1つ1つのサイズ(stsz)、サンプルのまとまりの位置(stco)、まとまりとサンプルの対応(stsc)、再生を始める位置(elst)が記されています。このツールはまずこの目次だけを読み、音声サンプルのあるバイトだけを選んで読み取ります。内訳バーの数値は、この目次に記されたサンプルサイズを合計したものです。
映像が毎秒16 Mbit、音声が毎秒128 kbitのファイルなら、音声は全体の約0.8%にとどまります(128 ÷ (16,000 + 128))。1 GBの動画でも、実際に読む音声は約8 MBという計算です。スマートフォンのカメラ設定が「互換性優先」(H.264)でも「高効率」(HEVC)でも、映像の形式は結果に影響しません。
| 音声の形式(コーデック) | このツールのデコード方法 | 長さの上限 |
|---|---|---|
| AAC(AAC-LC・HE-AAC)、MP3 | ブラウザ内蔵のデコーダー(WebCodecs AudioDecoder)で少しずつデコードしながら、そのままMP3に変換します | 一度に3時間 |
| FLAC・ALAC・Opus・PCM・AC-3など、3チャンネル以上の音声 | 音声トラックだけのファイルを作り、Web Audio(decodeAudioData)で丸ごとデコードします。ブラウザがその形式に対応している必要があります | 20分以下の音声のみ |
| 暗号化された音声(enca) | デコードできません | — |
WebCodecsのAudioDecoderは、Chrome 94、Firefox 130(PC)、Safari 26から使えます。この機能のないブラウザ(例: Android版Firefox)ではAACもWeb Audioの経路でデコードされるため、音声の長さが20分以下のファイルだけ変換できます(短い範囲を選んでも同じです)。Web Audioのデコード関数decodeAudioDataは完全なファイルデータしか受け付けず、音声全体を一度にメモリへ載せる必要があるからです。
音質は128・192・320 kbpsのどれにするか
kbpsは1秒あたりに使うデータ量(キロビット)です。このツールは固定ビットレート(CBR)で保存するので、サイズは音声の長さとビットレートで決まります。話し声が中心なら128 kbpsで足りることが多く、音楽や複数の音が重なる録音なら192 kbps以上が無難です。320 kbpsは、MP3のMPEG-1方式で選べる最も高い値です。
内訳バーで音声の形式がAACと表示される動画は、MP3にするときに非可逆圧縮をもう一度かけることになります。AACは、MP3よりも圧縮率を高めながら音の忠実度も上げるように設計された形式です。元がAAC 128 kbpsなら、MP3は192 kbpsで保存したほうが元の音に近くなります。逆に、元のビットレートの2倍を超えると、聴感上の差はほとんどなく容量だけが増えやすいため、このツールはそうした欄に「容量だけ増える可能性があります」と表示します。元の音声ですでに失われている音やノイズは、高いビットレートにしても戻りません。
| 音声の長さ(48 kHz) | 128 kbps | 192 kbps | 320 kbps |
|---|---|---|---|
| 1分 | 960,384バイト約0.96 MB | 1,440,576バイト約1.44 MB | 2,400,960バイト約2.40 MB |
| 10分 | 9,600,384バイト約9.6 MB | 14,400,576バイト約14.4 MB | 24,000,960バイト約24.0 MB |
| 1時間 | 57,600,384バイト約57.6 MB | 86,400,576バイト約86.4 MB | 144,000,960バイト約144.0 MB |
サイズは「再生時間(秒) × kbps × 1,000 ÷ 8」に、MP3のフレーム1つ分を足した値です。MP3は1,152サンプルを1フレームとして保存するため、このツールのエンコーダーではフレーム数が ⌈サンプル数 ÷ 1,152⌉ + 1、サイズが フレーム数 × 144,000 × kbps ÷ サンプルレート(バイト、小数点以下切り捨て)になります。たとえば48 kHzの音声1分は2,880,000サンプル、2,501フレームで、192 kbpsでは1フレームが576バイトなので1,440,576バイトです。44.1 kHzの音声は同じ長さで数百バイト大きくなります(1分・192 kbpsで1,440,705バイト)。表のMBは1,000,000バイトを基準にしています。
範囲の切り出しと試聴
つまみはマウスや指でドラッグできるほか、つまみにフォーカスを置いて矢印キーで0.1秒、Shiftキーを押しながらで1秒、Page Up・Page Downで10秒ずつ動かせます。開始・終了の欄には 1:05.5(1分5.5秒)や 65.5 のように入力し、1時間を超える場合は 1:02:03 のように入力します。終了は開始より0.1秒以上あとにしてください。
「範囲を再生」は選んだ範囲だけを再生し、終わると開始位置に戻ります。MP3を作成したあとは、「元の音声」と「MP3」を交互に押して同じ位置を聴き比べられます。128 kbpsと192 kbpsで迷うときは、短い範囲だけを2通りで変換して同じ箇所を聴き比べると早く決められます。
MP3は1,152サンプル単位で保存されるため、最後のフレームが0(無音)で埋められ、プレーヤーでのデコード時にも短い遅延が生じます。そのため、MP3の長さは選んだ範囲よりごくわずかに長くなります。サンプル動画の18秒を変換したMP3は、18.024秒と読み取られます。
音声トラックが複数ある動画
1本の動画に複数の音声トラックが入っていることがあります。複数の言語の音声が入った動画や、マイクとゲームの音を別々に保存した画面録画がその例です。プレーヤーによっては最初のトラックしか再生しませんが、このツールはトラックごとに形式・チャンネル・サンプルレート・長さ・言語コード(jpn・engなど)をボタンで示し、選んだトラックの波形を描き直します。
出力のサンプルレートとチャンネル数は元の音声に合わせます。元が48 kHzならMP3も48 kHz、モノラルならモノラルで保存し、もともとない左右の広がりを作ることはありません。MP3が対応していないサンプルレート(例: 96 kHz)は48 kHzに、3チャンネル以上(5.1chなど)はステレオにまとめて保存します。
アップロードせずに変換する仕組み
以前の版は、FFmpegの変換エンジン(約32 MB)をダウンロードしてからファイル全体をメモリに載せて変換していたため、受け付けるのは100 MiBまででした。現在の版は、ブラウザにもともと入っているデコーダーで音声をデコードし、MP3の保存にだけLAMEエンコーダー(約0.14 MB)をダウンロードします。デコードしたそばからMP3に変換してデコード済みの音声は捨てるので、長い動画でもメモリの使用量を抑えられます。
- ファイルはこの端末の中だけで読み取られ、作成したMP3も端末の中で作られます。通信するのは、ページとエンコーダーをダウンロードするときだけです。
- ファイルサイズに制限はありません。一度に変換する範囲は3時間までで(320 kbpsなら約432 MB)、それより長い場合は範囲を分けて変換してください。
- 変換は画面の裏側の別処理(Web Worker)で動くため、ページが固まりません。スマートフォンでは、変換中に長く別のアプリへ移らないほうが安全です。
よくある間違い
- 拡張子だけを変える: 名前だけ .mp3 にしたファイルは中身がMP4のままなので、プレーヤーによっては開けても、MP3だけを受け付けるアプリや提出フォームでは拒否されることがあります。
- 試聴だけして閉じる: 試聴や「完了しました」の表示は保存ではありません。「MP3を保存」を押したあと、ダウンロード一覧やファイルアプリでファイルを開いて確認してください。
- 録画が終わる前にコピーしたファイル: 録画が途中で切れたファイルや、ダウンロードが途中のファイルは、目次(moov)がないか末尾が欠けています。目次がなければ開けず、末尾だけが欠けている場合は、残っている先頭部分だけを読み取ったとお知らせします。
- プレーヤーで聴いた音と結果が違う: 音声トラックが複数ある動画では、プレーヤーが選んだトラックと、このツールが最初に選んだトラックが異なることがあります。トラックのボタンで言語コードとチャンネルを確認してください。
- 高いビットレートでノイズを消そうとする: 320 kbpsは圧縮による劣化を減らすだけで、ノイズやこもった声を直すことはできません。
制限と注意点
- 一度に開けるファイルは1つです。複数の動画を順に変換するときは、1つずつ保存してから次のファイルを選んでください。
- タイトル・作成者・ジャケット画像などの情報はMP3に引き継ぎません。映像や字幕も含まれません。
- 音量の増幅、ノイズ除去、声の分離は行いません。音声は元のまま、MP3への変換だけを行います。
- 元の音声がすでにMP3でも、そのまま取り出さずに再圧縮します。ビットレートは固定(CBR)の128・192・320 kbpsの3種類です。
- WebM・MKV・AVIはMP4とは別の容器なので開けません。保護された(DRM)コンテンツの暗号は解除しません。
- ページを再読み込みするか別のファイルを選ぶと、いまの結果は消えます。必要なMP3は先に保存してください。
基準日 規格とブラウザの文書は2026-10-20に確認しました。サイズの表とサンプルの結果は、このツールのエンコーダーを使い、同日にChromeで測った値です。
出典
- 01W3C — AAC WebCodecs Registrationコーデック文字列 mp4a.40.2(AAC-LC)など。descriptionはAudioSpecificConfig(ISO/IEC 14496-3)
- 02MDN — AudioDecoderWebCodecsで音声データをデコードするインターフェイス。Chrome 94・Firefox 130・Safari 26から(英語版)
- 03MDN — BaseAudioContext.decodeAudioData()完全なファイルデータだけを受け付け、結果はAudioContextのサンプルレートに合わせられる
- 04MDN — Web audio codec guideMP3(MPEG-1方式)のビットレートは32〜320 kbps、サンプルレートは32,000・44,100・48,000 Hz。AACはMP3よりも圧縮率を高めながら忠実度を上げるように設計されている(英語版)
- 05LAME — Technical FAQMP3の1フレーム = 1,152サンプル、最後のフレームは0で埋められる、デコーダー遅延は528サンプル。LAMEのライセンスはLGPL(英語版)
- 06Apple — QuickTime File Format: Sample size atomstsz(サンプルサイズ)・stco(まとまりの位置)・stsc(サンプルとまとまりの対応)・elst(再生開始位置)の定義(英語版)
- 07MDN — メディアコンテナーフォーマットMP4はISOベースメディアファイルフォーマットから、そのフォーマットはQuickTime形式から生まれた
- 08Apple サポート — Apple製のデバイスでHEIF/HEVCメディアを扱うカメラのフォーマット「高効率」(HEVC)と「互換性優先」(H.264)
- 09wasm-media-encoders — LAME MP3エンコーダーのWebAssembly版MITライセンス(エンコーダー本体のLAMEはLGPL)。このツールは0.7.0をそのまま使用(英語版)
よくある質問
動画ファイルはサーバーにアップロードされますか?
アップロードされません。ファイルはこのブラウザの中だけで読み取られ、MP3も端末の中で作られます。通信が発生するのは、初回の変換時にMP3エンコーダー(約0.14 MB)をダウンロードするときだけです。
ファイル名の .mp4 を .mp3 に変えるだけではだめですか?
名前を変えただけでは、中身はMP4のままです。プレーヤーによっては開けても、MP3だけを受け付けるアプリや提出フォームでは拒否されることがあります。音声をデコードしてMP3形式で保存し直して、はじめて本当のMP3になります。
128・192・320 kbpsのどれを選べばよいですか?
話し声が中心なら128 kbps、音楽や複数の音が重なる録音なら192 kbps以上が無難です。動画の音声がAAC 128 kbpsなら、MP3は192 kbpsのほうが元の音に近くなり、元の2倍を超えると容量だけが増えやすくなります。短い範囲を2通りで変換して同じ箇所を聴き比べてから選んでください。
1時間の講義動画をMP3にすると、容量はどれくらいですか?
音声が48 kHzの場合、128 kbpsは57,600,384バイト(約57.6 MB)、192 kbpsは86,400,576バイト(約86.4 MB)、320 kbpsは144,000,960バイト(約144.0 MB)です。映像の画質には関係なく、音声の長さとビットレートで決まります。
iPhoneで撮影したMOV動画も使えますか?
使えます。MOVはMP4と同じ系統のQuickTime形式なので、同じ方法で音声トラックを探します。カメラのフォーマットが「高効率」(HEVC)でも「互換性優先」(H.264)でも、映像は読まないので結果は変わりません。
動画の一部の範囲だけをMP3にできますか?
できます。波形の両端のつまみをドラッグするか、開始・終了の欄に 1:05.5 のように分:秒を入力すると、0.1秒単位で選んだ範囲だけがMP3になります。「範囲を再生」で、その部分だけを先に聴くこともできます。
音声トラックが複数ある動画では、どの音声になりますか?
最初は1番目の音声トラックを読み取り、トラックが2つ以上あるときはトラックのボタンが表示されます。ボタンごとに形式・チャンネル・サンプルレート・長さ・言語コードが書かれていて、聴きたいトラックを押すと波形が描き直され、そのトラックがMP3になります。
大きな動画ファイルも開けますか?
ファイルサイズの制限はありません。映像は読まず、目次と音声部分だけを読むためです。一度に変換できる範囲は3時間までで、WebCodecsに対応していないブラウザ(例: Android版Firefox)やFLAC・Opusなどの形式では、音声の長さが20分以下のファイルだけ変換できます。