体重60kgの人がシティサイクルで時速15km、30分走ると約124kcal消費します
平地でシティサイクル(いわゆるママチャリ)に乗り、平均時速15kmで30分(7.5km)走ると、体重60kgの人は約124kcalを消費します。そのうち32kcalは何もしなくても使う分なので、運動で上乗せした活動カロリーは約92kcalです。同じ条件でロードバイクは113kcal、砂利道を走るMTBは161kcalです。
上の計算機は、自転車がその速度を出すのに必要なパワー(W)を先に求め、そのパワーを出すのに要する酸素の量をカロリーに換算します。パワーは空気・転がり・上り坂の抵抗を足し合わせた物理モデル(Martinほか 1998)で、カロリーはアメリカスポーツ医学会(ACSM)の脚エルゴメーター式で計算します。速度の区間ごとにMET値を1つ掛ける計算機では、この条件で126kcalになります。時速15kmでは近い値ですが、時速20kmになると差が開きます。理由はMETの表を使う計算機と数字が違う理由で説明します。この結果は、平地を風のない状態で一定の速度で走ったものとして出した値なので、実際の道で使ったカロリーの下限に近い値です。
自転車のカロリーを確かめたいのはどんなとき?
- 通勤・通学の自転車をカロリーに直したいとき: アプリに出る距離・時間(または平均速度)と獲得標高を、そのまま入れるだけです。
- 室内バイクやスマートトレーナーで運動したとき: 画面に出る平均パワー(W)を入れるのがいちばん正確です。パワーが出ない機種は、一般的な室内バイクかスピンバイクのレッスンを選びます。
- 電動アシスト自転車でも運動になるのか知りたいとき: 補助の段階ごとに、自分の脚が出すパワーとカロリーがどれだけ減るかを比べられます。
- 同じ時間でどの自転車・どの速度がよく消費するか見たいとき: 上の自転車カードと「速度だけ変えると」のグラフで、同じ記録のカロリーを見比べられます。
カロリーは、自転車の効果の一部にすぎません。英国の成人263,450人を追跡した研究(追跡期間の中央値は5.0年)では、自転車で通勤する人は、自動車や公共交通機関で通勤する人より、全死亡リスクが41%(ハザード比0.59)、心血管疾患の発症リスクが46%(0.54)、がんの発症リスクが45%(0.55)低くなっていました(Celis-Moralesほか 2017)。観察研究なので自転車だけの効果とは言い切れませんが、主な危険因子を調整したあとも差が残りました。
運動量の目安としては、厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が、成人に3メッツ以上の運動を週60分以上(週4メッツ・時以上)、身体活動を1日60分以上行うよう示しています。WHOの2020年のガイドラインは、成人に中強度の身体活動を週150〜300分、または高強度を週75〜150分行うことを勧めています。
計算機の使い方
- 自転車を選ぶ: いちばん上のカードから、ロードバイク・シティサイクル・MTB・電動アシスト・室内バイクのうち乗った自転車を押します。各カードには、同じ記録で乗ったときのカロリーが出ています。
- 記録を入れる: 「時間 + 平均速度」「距離 + 時間」「距離 + 平均速度」のうち、わかっている2つを選びます。残りの1つは「自動」欄に計算されます。時間は信号待ちや休憩を除いた走行時間、平均速度も走っている区間の平均で入れてください。
- 体重と自転車・荷物の重さを入れる: 体重欄には体重だけを入れ、自転車やカバン・荷物は下の欄に別に入れます。自転車を選ぶと、その種類の代表的な重さが先に入ります。
- 上り坂を入れる: アプリに出る獲得標高(上りをすべて足した高さ)を入れます。平地は0のままにします。
- パワーがわかれば入れる: パワーメーターや室内バイクの画面に平均パワーがあれば、「平均パワー」欄に入れます。空欄なら、速度と条件から推定した値を使います。
- 結果を読む: 大きな数字は、走っている間に使った総カロリーです。横の棒は、そのカロリーが安静時にも使う分・脚を回す分・筋肉が出す熱・ペダルの仕事にどう分かれるか、そしてペダルの仕事が空気・転がり・上り坂のどれに使われたかを示します。
計算の方法
計算は2段階です。まず平均速度を保つのに必要なペダルパワーを求め、次にそのパワーを出すのに要する酸素の量をカロリーに換算します。
ペダルパワー(W) = (空気抵抗 + 転がり抵抗 + 上り坂) ÷ 0.976
空気抵抗に打ち勝つパワーは ½ × 空気密度1.225 × CdA × 速度³、転がり抵抗のパワーは Crr × (体重 + 自転車・荷物) × 9.807 × 速度、上り坂は (体重 + 自転車・荷物) × 9.807 × 獲得標高 ÷ 時間で求めます。速度は秒速(m)で入れ、0.976はチェーンやギアで失う分(約2.4%)を見込んだ駆動効率です。Martinほか(1998)が実際の道路でパワーメーターの測定値と照らし合わせて確かめたモデルで、ROBERINの自転車速度計算機と同じ計算コードを使っています。
VO2(mL/kg/分) = 1.8 × パワー(W) × 6.118 ÷ 体重 + 3.5 + 3.5
ACSMの脚エルゴメーター式は、1Wの仕事(1分あたり6.118kg·m)ごとに酸素1.8mLが要るとし、そこに安静時の3.5と、負荷なしでペダルを回すのに要る3.5を足します。酸素1Lを5kcalに換算すると、1分あたりのカロリーは VO2 × 体重 ÷ 200です。この式は仕事率300〜1,200kg·m/分(50〜200W)でもっとも正確です。
| 段階 | 計算 | 60kg · シティサイクル · 時速15km · 30分 · 平地 |
|---|---|---|
| 速度 | 時速 ÷ 3.6 | 15 ÷ 3.6 = 4.17m/秒 |
| 空気抵抗のパワー | ½ × 1.225 × CdA × 速度³ | ½ × 1.225 × 0.40 × 4.17³ = 17.7W |
| 転がり抵抗のパワー | Crr × 重さ × 9.807 × 速度 | 0.006 × 75kg × 9.807 × 4.17 = 18.4W |
| ペダルパワー | 合計 ÷ 0.976 | (17.7 + 18.4) ÷ 0.976 = 37.0W |
| 酸素摂取量 | 1.8 × W × 6.118 ÷ 体重 + 7 | 1.8 × 37.0 × 6.118 ÷ 60 + 7 = 13.79mL/kg/分 |
| 強度 | VO2 ÷ 3.5 | 3.9 MET(中強度) |
| 1分あたりのカロリー | VO2 × 体重 ÷ 200 | 13.79 × 60 ÷ 200 = 4.14kcal |
| 総消費 | 1分あたりのカロリー × 時間(分) | 4.14 × 30 ≈ 124kcal |
総消費124kcalは、安静時にも使う分32kcal、脚を回す分31kcal、筋肉が出す熱45kcal、ペダルの仕事16kcal(37.0W × 1,800秒 ÷ 4,184)に分かれます(32 + 31 + 45 + 16 = 124)。この式では、筋肉はペダルに伝えた仕事の約2.8倍を熱として出します。自転車の種類ごとに使う値は次の表のとおりで、自転車・荷物の重さは欄で変えられます。
| 自転車 | 空気抵抗の面積 CdA | 転がり抵抗係数 Crr | 自転車・荷物の初期値 |
|---|---|---|---|
| ロードバイク(ブラケットを持つ姿勢) | 0.34m² | 0.005(アスファルト) | 10kg |
| シティサイクル(上体を起こした姿勢) | 0.40m² | 0.006(太いタイヤ) | 15kg |
| MTB(砂利道・林道) | 0.50m² | 0.012(砂利道) | 13kg |
| 電動アシスト自転車 | 0.40m² | 0.006(太いタイヤ) | 23kg |
METの表を使う計算機と数字が違う理由
検索で上位に出る自転車カロリー計算機の多くは、2024 Adult CompendiumのMET値に体重と時間を掛けています。時速19.3〜22.5km(12〜13.9mph)は8.0 MET、22.5〜25.7km(14〜15.9mph)は10.0 METのように速度の区間ごとに値が1つなので、時速19.2kmと19.4kmの間で6.8 METが8.0 METに跳ね上がり、カロリーも急に変わります。この計算機は、速度が上がるにつれて空気抵抗に打ち勝つパワーが速度の3乗で大きくなる分を、途切れずに計算します。
| 平均時速(km) | ロードバイク(kcal) | シティサイクル(kcal) | METの表(kcal) | MET |
|---|---|---|---|---|
| 10 | 173 | 185 | 252 | 4.0 |
| 15 | 225 | 248 | 252 | 4.0 |
| 20 | 311 | 351 | 504 | 8.0 |
| 25 | 443 | 507 | 630 | 10.0 |
| 30 | 631 | 730 | 756 | 12.0 |
| 35 | 887 | 1,033 | 1,058 | 16.8 |
体重60kg · 1時間 · 平地 · 無風。METの表は、体重と自転車の種類にかかわらず同じMETを使います。
時速20kmでは、METの表の値(504kcal)がこの計算(シティサイクルで351kcal)の約1.4倍です。この計算は、平地を風のない状態で一定の速度で走った場合のパワーから出発するので、実際の道で使ったカロリーの下限に近い値と考えてください。酸素摂取量を実際に測った研究では、通勤のように4.3kmのコースを走った12人が、同じ電動アシスト自転車を補助なしで走って6.1 MET(Simonsほか 2009)、一般の自転車は8.4 MET(Berntsenほか 2017、1 MET = 3.5mL/kg/分に換算した値、Bourneほか 2018がまとめたもの)でした。2024 Compendiumの通勤の自転車(自分で選んだ速度)の行も6.8 METで、いずれもこの計算の例(シティサイクル、時速15km)の3.9 METより大きい値です。信号からの発進、向かい風、短い坂が混ざる道では、同じ平均速度でも平地を一定に走る場合よりパワーが多く要るため、実際の消費は上の結果より大きいことがあります。パワーメーターや室内バイクの平均パワーを入れると、こうした差のない、実際に出した仕事での計算になります。
体重・時間別の自転車カロリー
シティサイクルで平地を平均時速15kmで走った場合です。この計算はCdAを体格にかかわらず固定しているので、体重が増えても、カロリーはMETの表のようには比例して増えません。実際には体格が大きいほど前面の面積も大きくなるため、差は表よりもう少し大きくなります。
| 体重(kg) | 30分(kcal) | 1時間(kcal) | METの表 1時間(kcal) |
|---|---|---|---|
| 40 | 95 | 190 | 168 |
| 50 | 109 | 219 | 210 |
| 60 | 124 | 248 | 252 |
| 70 | 139 | 278 | 294 |
| 80 | 153 | 307 | 336 |
| 90 | 168 | 336 | 378 |
シティサイクル · 平地 · 平均時速15km · 自転車・荷物15kg。
同じ10kmでも、速度によってカロリーは変わります。体重60kgの人がシティサイクルで10kmを走ると、時速12km(50分)は172kcal、15km(40分)は165kcal、20km(30分)は176kcal、25km(24分)は203kcalです。ゆっくり走ると安静時にも使う分と脚を回す分が長い時間積み重なり、速く走ると空気抵抗が大きくなるため、この計算ではシティサイクルは時速15km前後で同じ距離をいちばん少ないカロリーで走れます。
上り坂を入れると
上り坂では、体と自転車を持ち上げる仕事が増えます。この計算機は、アプリの獲得標高の分だけ、(体重 + 自転車・荷物) × 9.807 × 高さの仕事を平地のパワーに足します。体重60kgの人がシティサイクルで平均時速15km、1時間走った記録なら次のようになります。
| 獲得標高(m) | 平均パワー(W) | 強度(MET) | 1時間のカロリー(kcal) |
|---|---|---|---|
| 0 | 37 | 3.9 | 248 |
| 100 | 58 | 5.0 | 317 |
| 300 | 100 | 7.2 | 456 |
| 500 | 142 | 9.4 | 594 |
| 1,000 | 246 | 14.9 | 940 |
下り坂で取り戻すエネルギーは差し引いていません。下りで得るエネルギーの大半はブレーキと大きくなった空気抵抗で失われますが、一部はペダルを休める時間として戻ってくるので、周回コースのように上り下りの多いコースは、大きく出ることがあります。反対にMETの表は上り坂を別に反映しないため、ゆっくりした上りの記録ほど低い速度区間の値が当てはまり、小さく出ます。
電動アシスト自転車のカロリー
道路交通法施行規則第1条の3は、電動アシスト自転車の人の力に対する補助力の比率の上限を、速度ごとに定めています。時速10km未満では2(200%)以下、10km以上24km未満では「走行速度(km/h)から10を引いた数を7で割ったものを2から引いた数」以下で、24km以上では補助しない(補助力は0)と定められています。たとえば時速15kmの上限は128.6%、時速20kmでは57.1%です。
この計算機は、選んだ段階の比率と、この法令の上限の小さいほうで計算し、平均時速24kmまでを対象にします。モーターは、ライダーが出した力に比率を掛けた分を上乗せします。Boschは走行モードごとに、Ecoはライダーの力の最大60%、Tourは最大140%、Sportは最大240%、Turboは最大340%を補助すると案内しています。この計算機の「弱・標準・強」は、Eco・Tour・Turboの最大比率にあたります。ただしBoschの比率は、Boschが案内する最大値にすぎず、日本の法令上の上限を超えることはできません。そのため時速15kmでは、「標準(140%)」も「強(340%)」も、上限の128.6%、表示上は129%で計算されます。自分の脚のパワーは、必要なパワー ÷ (1 + 補助比率)です。モーターが常に選んだ段階の最大比率(日本では法令上の上限との小さいほう)で補助するものとして計算しているので、下の表の強度は実際の走行強度の下限に近い値です。この計算は、ペダルをこぎながらモーターが補助する場合だけを対象にしています。
| モーター補助 | 実際の補助比率(%) | 自分の脚のパワー(W) | モーターのパワー(W) | 30分のカロリー(kcal) | 強度(MET) | METの表 kcal(MET) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| オフ | 0 | 39 | 0 | 127 | 4.0 | 214 (6.8) |
| 弱(最大60%) | 60 | 24 | 15 | 103 | 3.3 | 189 (6.0) |
| 標準(最大140%) | 129 | 17 | 22 | 91 | 2.9 | — |
| 強(最大340%) | 129 | 17 | 22 | 91 | 2.9 | 126 (4.0) |
体重60kg · 平均時速15km · 30分 · 平地 · 自転車23kg。
実際に測った研究では、補助を受けてもこの計算よりずっと多く使っていました。通勤のように4.3kmを走った12人は、同じ電動アシスト自転車で、補助なしが6.1 MET、Eco補助が5.7 MET、強い補助が5.2 METで、3条件とも中強度の基準(3 MET)を超え、補助を受けたときのほうが速く走っていました(Simonsほか 2009)。実際の消費は表より大きいことがあります。運動をしていなかった女性8人が、標高差102mの9.5kmを走った実験では、補助を受けると消費カロリーが36.5%減りました(Sperlichほか 2012)。
室内バイク・スピンバイクのカロリー
室内バイクには空気抵抗も転がり抵抗もなく、ペダルの仕事がすべて抵抗装置(マグネット・ファン・摩擦)で熱になります。そのため、画面の平均パワー(W)をそのままACSM式に入れる方法がいちばん正確です。画面の速度と距離は、機種ごとに計算方法が違うため使いません。
| 平均パワー(W) | 30分のカロリー(kcal) | 強度(MET) | Compendium 固定式自転車の行 | 行のMET |
|---|---|---|---|---|
| 50 | 146 | 4.6 | 50 W | 4.0 |
| 75 | 187 | 5.9 | 70–80 W | 5.8 |
| 100 | 228 | 7.2 | 90–100 W | 6.0 |
| 125 | 269 | 8.6 | 101–125 W | 6.8 |
| 150 | 311 | 9.9 | 126–150 W | 8.0 |
| 200 | 393 | 12.5 | 200–229 W | 10.8 |
| 250 | 476 | 15.1 | 230–250 W | 12.5 |
体重60kg。
体重60kgでは、どのパワーでもACSM式の強度が、2024 Compendiumの固定式自転車のワット行よりやや高く出ます。パワーが出ない機種は、Compendiumの一般的な室内バイク6.8 MET(60kg・30分で214kcal)かスピンバイクのレッスン9.0 MET(284kcal)を選んでください。60kgの人にとって、6.8 METは平均約92W、9.0 METは約133Wを出す強度にあたります。
ウォッチやアプリの数字と違うとき
- 総カロリーと活動カロリーを分けて見ます: ウォッチの「アクティブカロリー」は安静時にも使う分を除いた値なので、計算結果の活動カロリーと比べてください。
- パワーメーターアプリの「kJ ≈ kcal」という目安: 人の効率20〜25%と1kcal = 4.184kJがほぼ打ち消し合うという目安です(TrainingPeaks)。出力が低いほど安静時にも使う分と脚を回す分の割合が大きくなり、小さく出ます。出力が高いほど差は縮まります。体重60kgで1時間の平均60Wは216kJですが、この計算機では324kcalになります。200Wでは720kJに対して787kcal、差は約9%です。効率の研究をまとめたレビューも、総効率は出力によって大きく変わり、出力が大きいほど仕事がないときの基礎消費の割合が小さくなるためだと説明しています(Ettema・Lorås 2009)。ROBERINの自転車速度計算機のカロリーは、このkJの目安です。
- 心拍数で計算するウォッチ: パワーではなく心拍数からカロリーを見積もるので、同じパワーでもその日の心拍数が違えば数字が変わります。
- 時間の基準をそろえます: 自動一時停止をオンにしたアプリの時間は動いていた時間で、オフのアプリは休憩の時間も含みます。
間違えやすい入力
- 体重に自転車の重さを足して入れる: 自転車・荷物には別の欄があるので、二重に足されます。体重欄には体重だけを入れます。
- 最高速度や休憩の時間が混ざった記録を入れる: 平均速度は動いていた区間の平均、時間は動いていた時間にそろえます。
- 室内バイクの画面の速度を入れる: 室内バイクを選んでから、平均パワーを入れるか運動の種類を選びます。
- 電動アシスト自転車の記録を普通の自転車として計算する: モーターが上乗せした仕事まで人がしたことになり、カロリーが大きく出ます。
- 獲得標高を二重に入れる: 往復のコースは、アプリの獲得標高(上りの合計)だけを入れ、下りの標高は入れません。
限界
- 風がなく、平地を一定の速度で走るものとしてパワーを計算します。向かい風、信号からの発進、前の人の後ろで風を避ける走り方、荒れた路面は反映しません。
- 自転車の種類ごとのCdA・Crr・重さは代表的な仮定値です。CdAは風洞測定の範囲(Crouchほか 2017)に収まる値ですが、体格・服装・姿勢によって大きく変わります。
- 上り坂は獲得標高の位置エネルギーだけを足し、下り坂で取り戻す分は差し引いていません。
- ACSM式は50〜200Wでもっとも正確です。とてもゆっくりした走行や、高強度の区間が多い記録は誤差が大きくなることがあります。
- 電動アシスト自転車の補助は、Boschの走行モードの最大比率と、道路交通法施行規則の上限のうち小さいほうで計算します。メーカーや機種によって補助の仕組みは違います。
- 健康な成人の平均的な式で出した目安であり、医学的な測定ではありません。胸の痛み、めまい、強い息切れがあるときは運動をやめ、医療者に相談してください。
基準日 2024 Adult Compendiumの自転車MET、ACSM脚エルゴメーター式、Boschの走行モードの補助比率、道路交通法施行規則第1条の3、厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」、WHO 2020ガイドラインを2026-10-19に確認しました。
出典
- 01Martin JC, et al. Validation of a Mathematical Model for Road Cycling Power. J Appl Biomech. 1998;14(3):276-291空気抵抗・転がり抵抗・重力・駆動損失で構成されるパワーモデル。道路での測定値と比較
- 02Ohio University 学位論文(ACSM's Guidelines for Exercise Testing and Prescription を引用): 脚エルゴメーターの代謝式VO2 = 1.8 × WR ÷ 体重 + 3.5 + 3.5。仕事率300〜1,200kg·m/分(50〜200W)でもっとも正確
- 032024 Adult Compendium of Physical Activities: Bicycling速度区間(01010〜01060)・通勤(01011)・MTB(01009)・電動アシスト自転車(01080〜01088)・固定式自転車のワット行(01210〜01248)・スピンバイク(01270)のMET
- 04Herrmann SD, et al. 2024 Adult Compendium of Physical Activities. J Sport Health Sci. 2024;13(1):6-12METの定義と活動ごとの値
- 05Simons M, et al. Electrically assisted cycling: a new mode for meeting physical activity guidelines? Med Sci Sports Exerc. 2009;41(11):2097-210212人・4.3km。同じ電動アシスト自転車で補助なし6.1・Eco 5.7・強い補助5.2 MET
- 06Sperlich B, et al. Biomechanical, cardiorespiratory, metabolic and perceived responses to electrically assisted cycling. Eur J Appl Physiol. 2012;112(12):4015-4025女性8人・9.5km。補助時の消費カロリーが36.5%減少
- 07Bourne JE, et al. Health benefits of electrically-assisted cycling: a systematic review. Int J Behav Nutr Phys Act. 2018;15:116研究ごとの強度のまとめ(Berntsen 2017の標準MET換算で電動アシスト自転車6.9・一般の自転車8.4)
- 08Bosch eBike Systems: Riding modesEco 最大60%・Tour 140%・Sport 240%・Turbo 340%(of rider power)
- 09道路交通法施行規則 第1条の3 — e-Gov法令検索人の力に対する補助力の比率の上限: 時速10km未満で2以下、10km以上24km未満で2から(走行速度−10)÷7を引いた数以下、24km以上は補助しない
- 10Crouch TN, et al. Riding against the wind: a review of competition cycling aerodynamics. Sports Engineering. 2017;20:81-110風洞測定のCdA: アップライト0.27〜0.36m²(1つの研究は0.43〜0.52)、ドロップ0.24〜0.33m²
- 11TrainingPeaks: Predicting and Measuring Kilojoules人の効率20〜25%と4.184が打ち消し合い、kJ ≈ kcal
- 12Ettema G, Lorås HW. Efficiency in cycling: a review. Eur J Appl Physiol. 2009;106(1):1-14総効率は出力に大きく左右される。仕事がないときの基礎消費の割合が理由
- 13厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」成人は3メッツ以上の運動を週60分以上(週4メッツ・時以上)、身体活動は1日60分以上(p.11)
- 14WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour (2020)成人は中強度の身体活動を週150〜300分、または高強度を週75〜150分
- 15Celis-Morales CA, et al. Association between active commuting and incident cardiovascular disease, cancer, and mortality. BMJ. 2017;357:j1456263,450人。自転車通勤の全死亡ハザード比0.59・心血管疾患0.54・がん0.55
よくある質問
自転車を30分こぐと何カロリー消費しますか?
体重60kgの人がシティサイクルで平地を平均時速15kmで30分走ると、約124kcalを消費します。安静時にも使う分を除いた活動カロリーは約92kcalです。同じ条件でロードバイクは113kcal、砂利道を走るMTBは161kcalで、速度区間のMETの表で計算すると126kcalになります。
自転車を1時間こぐと何カロリーですか?
体重60kg・シティサイクル・平地で、平均時速15kmなら248kcal、20kmなら351kcal、25kmなら507kcalです。同じ1時間でも、速いほど空気抵抗に打ち勝つパワーが速度の3乗で大きくなるので、カロリーは急に増えます。
自転車で10km走ると何カロリーですか?
体重60kgの人がシティサイクルで10km走ると、時速12km(50分)は172kcal、15km(40分)は165kcal、20km(30分)は176kcal、25km(24分)は203kcalです。この計算では、同じ距離は時速15km前後でいちばん少なく、それより遅くても速くても少しずつ増えます。
室内バイクを30分こぐと何カロリーですか?
画面に平均パワーが出るなら、その値で計算するのがいちばん正確です。体重60kgの人が平均100Wで30分こぐと約228kcalです。パワーが出ない場合は、2024 Compendiumの一般的な室内バイク6.8 METで214kcal、スピンバイクのレッスン9.0 METで284kcalです。
電動アシスト自転車でも運動になりますか?
なります。体重60kgの人が平均時速15kmで30分走ると、この計算では補助なしが127kcal(4.0 MET)、弱が103kcal(3.3 MET)で、どちらも中強度の基準(3 MET)を超えます。標準と強は、道路交通法施行規則の補助比率の上限(時速15kmで128.6%)により91kcal、2.9 METとなり、3 METをわずかに下回ります。ただしこれは、モーターが常に最大比率(または法令上限)で補助するとした値で、下限に近い数字です。実際に測った研究では補助を受けた走行も5.2〜5.7 METとより高く、その研究では補助を受けたときのほうが速く走っていました。
ほかの自転車カロリー計算機より少なく出るのはなぜですか?
多くの計算機は、速度の区間ごとにMET値を1つ(たとえば時速19.3〜22.5kmは8.0 MET)体重と時間に掛けます。この計算機は、その速度に必要なパワーを空気抵抗と転がり抵抗から求めてカロリーに換算するので、平地を一定に走ったシティサイクルの記録は、時速20kmでMETの表の約7割になります。時速15kmではほぼ同じ値です。平地・無風を前提にしているため下限に近い値で、信号・向かい風・坂が多い道は、実際の消費がこれより大きいことがあります。
体重に自転車の重さも足すのですか?
いいえ。体重欄には体重だけを入れ、自転車とカバン・荷物の重さは「自転車・荷物の重さ」欄に別に入れます。この重さは転がり抵抗と上り坂の計算に使われます。体重60kgの人がシティサイクルで時速15km、30分走るとき、自転車・荷物が15kgから25kgに増えるとカロリーは124kcalから128kcalに増えます。
上り坂があるコースはどう計算しますか?
アプリに出る獲得標高(上りの合計)を入れると、体と自転車を持ち上げた仕事の分が加算されます。体重60kgの人がシティサイクルで平均時速15km、1時間走った記録に獲得標高300mを入れると、248kcalから456kcalに増えます。下り坂で取り戻すエネルギーは差し引いていません。
スマートウォッチのカロリーと違うのはなぜですか?
まず総カロリーどうし、活動カロリーどうしで比べてください。ウォッチの活動カロリーは、安静時にも使う分を除いた値です。心拍数から見積もるウォッチと、「kJ ≈ kcal」の目安を使うパワーメーターアプリは計算方法が違い、出力が低いほどkJの目安はこの計算機より小さく出ます。
信号待ちや休憩の時間も入れますか?
除いて入れてください。時間は実際にペダルをこいで動いていた時間、平均速度はその間の平均にします。アプリで自動一時停止をオンにしている場合は、アプリが出す移動時間と平均速度をそのまま使えます。