体重60kgの人が1万歩歩くと、約331kcalを消費します
歩幅70cmで1万歩歩くと7kmになり、時速4.8kmなら1時間28分かかります。体重60kgの場合、この間の総消費カロリーは約331kcalです。じっとしていても使う安静時の分を除くと、歩いたことで増えた消費は約243kcalになります。
上の計算機は、歩数・時間・距離のうち分かっている値から計算し、速度と傾斜(上り・下り)も反映します。歩行のカロリーは、米陸軍環境医学研究所が2019年に発表したLCDA歩行式で求めています。階段とステップマシンは、2024年版の身体活動コンペンディウム(Adult Compendium of Physical Activities)の強度の値で計算します。
歩行のカロリーを確かめたいのはどんなときか
- 歩数計アプリの歩数をカロリーに直したいとき: スマートフォンのアプリは歩数だけを表示することが多く、腕時計型の端末は心拍数を加えて計算するため、同じ歩行でも数字が食い違います。
- 「歩いて1日300kcal消費したい」と決めるとき: 目標カロリーを入れると、必要な時間・距離・歩数がまとめて出ます。
- トレッドミルで速度と傾斜のどちらを上げるか選ぶとき: 下の表で、同じ時間の組み合わせ別のカロリーを比べられます。マスを押すと、その条件ですぐ計算します。
- ステップマシンのような短くきつい運動と歩行を比べるとき: 同じ体重・時間で、階段7種類のカロリーを棒グラフで見られます。
日本では、厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が、成人は歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上に相当)、高齢者は1日40分以上(約6,000歩以上)行うよう勧めています。「1日1万歩」という目標は研究で決められた基準ではなく、日本で歩数計の宣伝や歩く会を通じて広まった数字です(Tudor-Locke・Bassett 2004)。14件の研究をまとめたメタ分析では、1日7,000歩が2,000歩の場合より死亡リスクが47%低いことと関連していました(Ding ほか 2025)。また60歳以上では6,000〜8,000歩、60歳未満では8,000〜10,000歩まで、歩数が増えるほどリスクが下がり続けました(Paluch ほか 2022)。カロリーは歩行がもたらす効果の一部にすぎないので、歩数と合わせて、どれだけ続けて歩けているかも見るのがよいでしょう。
計算機の使い方
- 運動の種類を選ぶ: いちばん上で「ウォーキング・歩数」か「階段・ステップマシン」を選びます。
- 計算の基準を選ぶ: アプリに歩数しかなければ「歩数で」、運動記録に時間があれば「時間で」、コースの長さが分かれば「距離で」計算します。
- 体重と値を入れる: 体重と歩数(または時間・距離)を入れます。入力欄の下のボタンで、よく使う値をすぐ入れられます。信号待ちや休憩の時間は除いてください。
- 速度と傾斜を合わせる: トレッドミルは、画面に表示された速度と傾斜をそのまま入れます。屋外でいつも通り歩いたなら「ふつう 4.8」、少し息が弾む程度なら「速め 5.6」が目安です。下りは傾斜の前に−を付けます。
- 歩幅を確かめる: 歩幅は、歩数と距離を相互に換算するときだけ使います。初期値の70cmではなく自分の歩幅を入れると、歩数と1分あたりの歩数が正確になります。
- 結果を読む: 大きな数字は歩いた間の総消費カロリーで、活動消費は安静時の分を除いた値です。道のりの図で1万歩の位置とカロリーの旗を、表で速度・傾斜別のカロリーを確認します。
計算方法
W/kg = 1.44 + 1.94·S0.43 + 0.24·S4 + 0.34·S·G·(1 − 1.05(1 − 1.1(G + 32)))
Sは秒速(m/s)、Gは傾斜(%)で、結果は体重1kgあたりの消費エネルギー(W)です。この式は、米陸軍環境医学研究所が兵役年齢の健康な成人95人を測定した11件の研究データで作成し、交差検証したLCDA傾斜歩行式で、秒速約1.96m(時速約7km)までの速度と、−40〜45%の傾斜のデータを含んでいます(Looney ほか 2019)。1 METは、2024年版Compendiumの定義どおり体重1kgが1時間に使う1kcalとし、1kcal = 4.184kJで換算しています。
| 段階 | 計算 | 60kg · 1万歩 · 時速4.8km · 平地 |
|---|---|---|
| 距離 | 歩数 × 歩幅 | 10,000 × 70cm = 7.00km |
| 時間 | 距離 ÷ 速度 | 7 ÷ 4.8 × 60 = 87.5分 |
| 体が使うエネルギー | 上の式(S = 4.8 ÷ 3.6) | 4.39W/kg |
| 強度(MET) | W/kg ÷ 1.162 | 3.78 MET |
| 総消費 | MET × 体重 × 時間(h) | 3.78 × 60 × 1.458 ≈ 331kcal |
| 活動消費 | (MET − 1) × 体重 × 時間(h) | ≈ 243kcal |
| 脂肪換算 | 活動消費 ÷ 7.7 | ≈ 31.6g |
1万歩は何kmで、何kcalか
1万歩の距離は歩幅で決まります。歩幅60cmなら6km、70cmなら7km、80cmなら8kmで、同じ時速4.8kmで歩いても所要時間は1時間15分、1時間28分、1時間40分と変わります。下の表は、平地を時速4.8kmで1万歩歩いたときの総消費カロリーです。
| 体重 | 歩幅60cm 6km · 1時間15分 | 歩幅70cm 7km · 1時間28分 | 歩幅80cm 8km · 1時間40分 |
|---|---|---|---|
| 50kg | 236kcal | 276kcal | 315kcal |
| 60kg | 284kcal | 331kcal | 378kcal |
| 70kg | 331kcal | 386kcal | 441kcal |
| 80kg | 378kcal | 441kcal | 504kcal |
| 90kg | 425kcal | 496kcal | 567kcal |
平地を時速4.8kmで歩くとき、1kmあたりの消費カロリーは体重に比例し、50kgで約39kcal、60kgで約47kcal、70kgで約55kcal、80kgで約63kcal、90kgで約71kcalです。歩幅は、いつもの歩き方で10m歩き、10mを歩数で割ると求められます。10mを14歩で歩いたなら、歩幅は約71cmです。
速く歩くと、どれだけ消費が増えるか
| 時速 | この計算機 LCDA MET | 2024 Compendium トレッドミル平地の測定平均 | ACSM歩行式 多くの計算機が使う式 | 30分 60kg | 1kmあたり 60kg | 1分あたりの歩数 歩幅70cm |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 3.2km | 3.0 | 3.0(17349、3.2〜3.9km) | 2.5 | 89kcal | 55kcal | 76歩 |
| 4.0km | 3.3 | 3.5(17352、4.0〜4.7km) | 2.9 | 99kcal | 50kcal | 95歩 |
| 4.8km | 3.8 | 3.8(17355、4.8〜5.5km) | 3.3 | 113kcal | 47kcal | 114歩 |
| 5.6km | 4.5 | 4.8(17358、5.6〜6.3km) | 3.7 | 134kcal | 48kcal | 133歩 |
| 6.4km | 5.4 | 5.8(17361、6.4〜7.1km) | 4.0 | 163kcal | 51kcal | 152歩 |
| 7.0km | 6.4 | 5.8(17361、6.4〜7.1km) | 4.3 | 192kcal | 55kcal | 167歩 |
同じ時間なら、速く歩くほどカロリーは増え、時速6kmを超えると増え方が大きくなります。距離で見ると事情が変わります。1kmあたりのカロリーは時速4.8〜5.6km付近でもっとも少なく、とてもゆっくり歩いても、とても速く歩いても、かえって増えます。そのため、1万歩のように距離が決まっている歩行は、速度を上げてもカロリーはあまり増えず、歩く時間が短くなります。
多くの計算機が使うACSM歩行式は、速い歩行を実際より低く見積もります。時速6.4kmでは、2024年版Compendiumの測定平均(5.8 MET)より3割以上低い4.0 METになります。この計算機のLCDA式は5.4 METで、測定値に近い値です。時速7kmを超えると、歩くより走るほうが楽な速さに近づくため、この式は使いません。走る場合は、ランニングペース計算で速度と記録を確かめてください。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、歩行またはそれと同等以上の身体活動を、成人は1日60分以上(1日約8,000歩以上に相当)、高齢者は1日40分以上(約6,000歩以上)が目安とされています。歩数で見ると、1分あたり100歩以上が中強度(約3 MET)に当たるという研究があります(Tudor-Locke ほか 2019、21〜40歳76人)。計算機の「週150分の目安との比較」欄は、強度が3 MET以上の歩行だけを数え、6 MET以上は2倍で数えます。
坂道と下りの歩行
| 傾斜 | MET | 30分のカロリー | 上った・下った高さ |
|---|---|---|---|
| −10% | 2.6 | 79kcal | 240m下る |
| −5% | 2.9 | 87kcal | 120m下る |
| 0%(平地) | 3.8 | 113kcal | 0m |
| 3% | 4.6 | 139kcal | 72m |
| 6% | 5.7 | 172kcal | 144m |
| 10% | 7.4 | 222kcal | 240m |
| 12% | 8.3 | 248kcal | 288m |
| 15% | 9.5 | 286kcal | 360m |
表は、体重60kgの人が時速4.8kmで30分(2.4km)歩いた場合の値です。傾斜10%は、水平に100m進む間に10m上る勾配で、角度にすると約5.7度です。トレッドミルで傾斜12%・時速3マイル(4.83km)・30分歩く「12-3-30」は、体重60kgで約249kcalになり、同じ速度の平地歩行(114kcal)の2倍以上です。
下りは平地より消費が少なくなりますが、傾斜がおよそ−10%より急になると、体を支えるために使う力が増えて、カロリーは再び増えます。計算機はこの変化を反映し、−20%まで計算します。
ステップマシン・階段の消費カロリー
| 種類 | Compendiumコード | MET | 10分 | 20分 | 30分 |
|---|---|---|---|---|---|
| ステップマシン(階段昇降マシン) | 02065 | 9.3 | 93kcal | 186kcal | 279kcal |
| 階段を上る(速く、1段ずつ) | 17134 | 9.3 | 93kcal | 186kcal | 279kcal |
| 階段を上る(2段ずつ) | 17136 | 7.5 | 75kcal | 150kcal | 225kcal |
| 階段の上り下り | 17138 | 7.5 | 75kcal | 150kcal | 225kcal |
| 階段を上る(ふつう) | 17131 | 6.8 | 68kcal | 136kcal | 204kcal |
| 階段を上る(ゆっくり) | 17133 | 4.5 | 45kcal | 90kcal | 135kcal |
| 階段を下りる | 17070 | 3.5 | 35kcal | 70kcal | 105kcal |
表は体重60kgの場合です。ステップマシンの30分は約279kcalで、同じ30分を時速4.8kmで平地を歩いたとき(113kcal)の約2.5倍です。ただし、この強度はマシンのレベルを区別しない平均値で、手すりに体を預けると、実際の消費は減ります。段数で計算するときは、1分あたりの段数から時間を換算するので、マシンに表示された値を入れてください。
腕時計やアプリの数字と違う理由
- 総消費と活動消費: 腕時計やアプリには、安静時の分を除いた「アクティブ」なカロリーだけを表示するものが多くあります。その数字は、この計算機の活動消費と比べてください。
- 計算式: 計算機ごとに使う式が違います。時速6.4kmの平地では、ACSM歩行式が4.0 MET、この計算機が5.4 MET、2024年版Compendiumの測定平均が5.8 METです。同じ歩行でも、使う式によってカロリーが3割以上違うことがあります。
- 心拍数: 腕時計は心拍数と動きを合わせて計算するため、同じ速度で歩いても、体力やその日の体調で数字が変わります。
- 1日全体の歩数: 1日の歩数には、家の中でゆっくり動いた分が混ざっているので、運動として歩いた分より強度が低くなります。1日全体の歩数に運動時の速度をそのまま使うと、カロリーが多く出ます。
間違えやすい点
- 歩幅に2歩分の長さを入れる: 歩幅は、片方の足からもう片方の足までの長さです。左足からまた左足までの長さを入れると、距離とカロリーが2倍になります。
- 傾斜の%を角度と取り違える: トレッドミルの10%は10度ではなく、約5.7度です。
- 手すりをつかんで坂道を歩く: 腕で体重を支えると脚の仕事が減るので、表のカロリーより消費は少なくなります。
- 休憩の時間まで入れる: 信号待ちや休憩の時間を除かないと、その速度で歩いたカロリーになりません。
- 脂肪換算を減る体重だと思い込む: 「脂肪1kg ≈ 7,700kcal」は目安の規則で、実際の減量は、もともとの体脂肪量や食事によって、これより少なかったり異なったりします(Hall 2008)。
限界と注意
- LCDA式は、兵役年齢の健康な成人のデータから作った式です。子ども、高齢者、妊娠中の人、持病のある人では、実際との差が大きくなることがあります。
- 速度は時速2〜7km、傾斜は−20〜40%だけを計算します。リュックなどの荷物を持つ場合や、砂地・雪道のような柔らかい路面は反映しません。
- 階段の強度はCompendiumの平均値で、マシンのレベルや段の高さは反映しません。
- 脂肪換算はエネルギーの大きさを置き換えた値で、体脂肪がその分だけ減るという予測ではありません。
- 心臓や関節の病気がある場合や、運動を新しく始める場合は、強度を決める前に医師に相談してください。この計算機は医学的な助言の代わりにはなりません。
基準日 LCDA歩行式の原文、2024年版Adult Compendiumの歩行・階段のMET、厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を2026-10-18に確認しました。
出典
- 01Looney DP, et al. Estimating Energy Expenditure during Level, Uphill, and Downhill Walking. Med Sci Sports Exerc. 2019;51(9):1954-1960LCDA傾斜歩行式。95人・11件の研究、秒速1.96mまで、傾斜−40〜45%
- 02Bernard TE, Williams KE, Ashley CD. Estimating metabolic rate from ISO heart rate method and two walking equations. Ind Health. 2024;62(5):287-294LCDA式の全文とACSM歩行式を併せて掲載した公開原文
- 032024 Adult Compendium of Physical Activities: Walking歩行・トレッドミル・階段のMETとコード(17xxx)
- 042024 Adult Compendium of Physical Activities: Conditioning Exercise階段昇降マシン(stair treadmill ergometer)02065、9.3 MET
- 05Herrmann SD, et al. 2024 Adult Compendium of Physical Activities. J Sport Health Sci. 2024;13(1):6-121 MET = 1kcal/kg/h(酸素3.5mL/kg/分)
- 06厚生労働省. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023成人は1日60分以上(約8,000歩以上)、高齢者は40分以上(約6,000歩以上)。p.11 成人、p.15 高齢者
- 07Tudor-Locke C, et al. Walking cadence (steps/min) and intensity in 21-40 year olds: CADENCE-adults. Int J Behav Nutr Phys Act. 2019;16:81分100歩 ≈ 中強度(3 MET)、130歩 ≈ 高強度(6 MET)
- 08Tudor-Locke C, Bassett DR. How many steps/day are enough? Preliminary pedometer indices for public health. Sports Med. 2004;34(1):1-81日1万歩の由来(日本の歩数計の宣伝と歩く会)
- 09Ding D, et al. Daily steps and health outcomes in adults: a systematic review and dose-response meta-analysis. Lancet Public Health. 2025;10(8):e668-e6811日7,000歩は2,000歩より死亡リスクが47%低い
- 10Paluch AE, et al. Daily steps and all-cause mortality: a meta-analysis of 15 international cohorts. Lancet Public Health. 2022;7(3):e219-e22860歳以上は6,000〜8,000歩、60歳未満は8,000〜10,000歩までリスクが低下
- 11Hall KD. What is the required energy deficit per unit weight loss? Int J Obes. 2008;32(3):573-5763,500kcal/ポンド(約7,700kcal/kg)の規則の限界
よくある質問
1万歩歩くと何カロリー消費しますか?
歩幅70cm・時速4.8km・平地なら、1万歩は7km、1時間28分で、体重60kgの総消費は約331kcal(活動消費は約243kcal)です。同じ条件で、50kgは約276kcal、70kgは約386kcalです。
1時間歩くと何カロリー消費しますか?
体重60kgの人が時速4.8kmで平地を1時間歩くと、総消費は約227kcal、安静時の分を除いた活動消費は約167kcalです。時速5.6kmの速歩きなら約268kcalです。
歩行のカロリーはどう計算しますか?
速度と傾斜から体が使うエネルギーを求めるLCDA歩行式(Looney ほか 2019)でMETを出し、総消費 = MET × 体重(kg) × 時間(h)で計算します。活動消費は、METから1を引いた値で同じ計算をします。
トレッドミルは、速度と傾斜のどちらを上げるのがよいですか?
体重60kg・30分の場合、平地を時速6.4kmで歩くと約163kcal、時速4.8kmで傾斜10%なら約222kcalです。同じ時間なら傾斜を上げたほうがカロリーは大きく、走らずに強度を上げられます。
ステップマシン30分は何カロリーですか?
2024年版Compendiumの階段昇降マシン(コード02065)の強度9.3 METで計算すると、体重60kgは30分で約279kcalです。同じ30分を時速4.8kmで平地を歩いたとき(約113kcal)の約2.5倍です。
1日1万歩は必ず歩かなければいけませんか?
1万歩は研究で決まった基準ではなく、日本で歩数計の宣伝を通じて広まった数字です。厚生労働省のガイド2023は、成人で1日約8,000歩以上(高齢者は約6,000歩以上)を目安としています。14件の研究をまとめた2025年のメタ分析では、1日7,000歩が2,000歩より死亡リスクが47%低いことと関連していました。
歩幅はどうやって測りますか?
いつもの歩き方で10m歩き、その10mを歩数で割ります。10mを14歩で歩いたなら、歩幅は約71cmです。歩幅は片方の足からもう片方の足までの長さで、2歩分の長さを入れると、距離とカロリーが2倍になります。
腕時計に表示されるカロリーと違うのはなぜですか?
腕時計は心拍数と動きで計算し、安静時の分を除いた活動カロリーだけを表示することが多くあります。この計算機の活動消費と比べ、同じ速度・傾斜で歩いた時間だけを入れているかも確かめてください。