最適な睡眠スケジュールとは、毎日同じ時刻に起きる予定のことです
平日は0:30に布団に入って7:00に起き、金曜・土曜の夜は2:00に入って10:30に起きる人を考えてみます。寝つくまでに15分かかるなら、平日の睡眠の中央時刻は3:53、休日は6:23です。睡眠の中央時刻は毎週末2時間30分遅くなり、月曜にまた前に戻ります。このずれが「社会的時差ボケ」です。
上の計算機に平日の夜と休日の夜の就床・起床時刻を入れると、社会的時差ボケ、1週間の平均睡眠時間、体内時計の目安になる補正した睡眠の中央時刻がまとめて出ます。休日も同じ時刻に起きる「整えた予定」(この例なら毎日23:45就床、7:00起床)と、今の予定からそこまで1日15分ずつずらす日ごとの手順も表示します。睡眠のタイムテーブルで「今」と「調整後」を切り替えると、2本のバーが同じ位置に重なり、社会的時差ボケが消えるようすを確かめられます。
1晩ではなく1週間の予定で考える理由
何時に寝ればよいかは1晩だけ見れば答えが出ますが、体内時計は1週間くり返す時刻に合わせて動きます。厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、寝だめのために休日の起床時刻が大きく遅れると体内時計が混乱し、時差のある地域へ海外旅行したときと同じ時差ボケが生じると説明しています。これを社会的時差ボケ(Social Jetlag)とも呼びます。同じガイドは、平日に6時間以上寝ていても、休日に2時間以上の寝だめをする習慣がある人は、寿命短縮のリスクが軽減されないという報告も紹介し、休日に長時間の睡眠が必要な場合は平日の睡眠時間が不足しているサインだと説明しています。MCTQ(ミュンヘン・クロノタイプ質問票)のデータでは、回答者の69%が1時間以上、約3分の1が2時間以上の社会的時差ボケでした(Roenneberg 2012)。
- 週末に寝だめをしている場合: 平日の睡眠が足りているか、休日の起床がどれだけ遅れているかを1画面で確認し、寝だめの分が何分かを見ます。
- 新学期や転職で起床時刻が変わる場合: 合わせたい起床時刻を入れると、今夜から何日かけて何時に寝起きすればよいかが日ごとに出ます。
- 月曜の朝だけ特につらい場合: 週末の睡眠の中央時刻が平日より何時間遅いかを見れば、毎週月曜にその分だけ睡眠の中央時刻を前に戻していることが数字でわかります。
- 朝型か夜型か知りたい場合: 休日の睡眠から寝だめの分を引いた補正値を、最も多い時刻と比べます。
計算機の使い方
- 働く(通学する)日を選びます。初期設定は月〜金で、選んだ日の前の夜が平日の夜として計算に入ります。
- 平日の夜の就床時刻と起床時刻を入れます。就床時刻は、明かりを消して眠ろうと横になった時刻です。
- 休日の夜の就床・起床時刻を入れ、休日もアラームで起きるならスイッチを入れます。
- 寝つくまでの時間(初期値15分)と年齢層を合わせます。年齢層によって推奨される睡眠時間の下限が変わります。
- 起床時刻を変えたいときは、整えた予定の行に合わせる起床時刻を入れます。空欄なら今の平日の起床時刻をそのまま使います。
- 結果の整えた予定・社会的時差ボケと、下の15分ずつずらす手順を確認し、結果のコピーやリンクのコピーで保存します。
計算方法
- 入眠時刻 = 就床時刻 + 寝つくまでの時間
- 睡眠時間 = 起床時刻 − 入眠時刻、睡眠の中央時刻 = 入眠時刻 + 睡眠時間 ÷ 2(分単位で四捨五入)
- 社会的時差ボケ = 休日の睡眠の中央時刻 − 平日の睡眠の中央時刻
- 1週間の平均睡眠時間 = (平日の睡眠時間 × 働く日数 + 休日の睡眠時間 × 休みの日数) ÷ 7
- 補正した睡眠の中央時刻 = 休日の睡眠の中央時刻 − (休日の睡眠時間 − 1週間の平均睡眠時間) ÷ 2。休日のほうが長く眠っているときだけ引き、休日もアラームで起きる場合は計算しません。
- 整えた予定: 眠る時間 = 1週間の平均睡眠時間を15分単位で切り上げた値と、年齢層の推奨下限のうち長いほう、入眠時刻 = 合わせる起床時刻 − 眠る時間、就床時刻 = 入眠時刻 − 寝つくまでの時間
- ずらす日数 = 平日の就床・起床時刻と整えた予定との差のうち大きいほう ÷ 15分(切り上げ)
先ほどの例で、1週間の平均睡眠時間は (6時間15分 × 5 + 8時間15分 × 2) ÷ 7 = 6時間49分です。休日の寝だめは (8時間15分 − 6時間49分) ÷ 2 = 43分なので、補正した睡眠の中央時刻は、6:23から43分を引いた5:40になります。眠る時間は6時間49分を15分単位で切り上げた7時間で、成人の推奨下限も7時間のため、7:00に起きるには0:00に眠りにつく必要があり、就床時刻は23:45です。平日の就床0:30から45分前倒しするには、1日15分ずつで3日かかります。
例の予定をひと目で確認
| 夜 | 就床 | 入眠 | 起床 | 睡眠時間 | 睡眠の中央時刻 |
|---|---|---|---|---|---|
| 平日の夜(5晩) | 0:30 | 0:45 | 7:00 | 6時間15分 | 3:53 |
| 休日の夜(2晩) | 2:00 | 2:15 | 10:30 | 8時間15分 | 6:23 |
| 整えた予定(毎日) | 23:45 | 0:00 | 7:00 | 7時間 | 3:30 |
この予定の社会的時差ボケは、6:23 − 3:53 = 2時間30分です。整えた予定では平日と休日が同じになり、0分になります。整えた予定の睡眠の中央時刻3:30は今の平日より23分早いものの、休日の睡眠まで均等に割り振ったことで、1週間の平均睡眠時間は6時間49分から7時間に増えます。
休日の過ごし方で変わる社会的時差ボケ
平日を0:30就床・7:00起床に固定し、休日の予定だけを変えると、結果は次のようになります(寝つくまで15分、月〜金勤務)。
| 休日の就床 → 起床 | 休日の睡眠時間 | 休日の睡眠の中央時刻 | 社会的時差ボケ | 補正した睡眠の中央時刻 |
|---|---|---|---|---|
| 0:30 → 7:00(平日と同じ) | 6時間15分 | 3:53 | 0分 | 3:53 |
| 0:30 → 8:30(朝寝坊のみ) | 7時間45分 | 4:38 | 45分 | 4:06 |
| 1:00 → 9:00 | 7時間45分 | 5:08 | 1時間15分 | 4:36 |
| 2:00 → 10:30 | 8時間15分 | 6:23 | 2時間30分 | 5:40 |
| 3:00 → 11:30 | 8時間15分 | 7:23 | 3時間30分 | 6:40 |
寝る時刻が同じでも、起きる時刻が遅いだけで社会的時差ボケは生じ、就床まで遅くなると一気に大きくなります。休日の睡眠時間が同じでも、就床が1時間遅ければ社会的時差ボケは1時間増えます。一方、補正した睡眠の中央時刻は寝だめの分を引くため、社会的時差ボケほどは動きません。
補正した睡眠の中央時刻で見る体内時計
MCTQでは、アラームを使わずに眠った休日の睡眠の中央時刻を、クロノタイプ(朝型・夜型の度合い)の目安にします。ただし、平日に睡眠が不足している人は休日に長く眠って中央時刻が後ろにずれるため、寝だめ分の半分を引いて補正します(Roenneberg 2004)。計算機の目盛りは、この補正値を23時〜10時の範囲に表示します。
- 最も多い時刻: ドイツ・スイス・オランダ・オーストリアを中心としたMCTQのデータでは、休日の睡眠の中央時刻が最も多い区間は午前4:14ごろ(全体の14.6%)で、これより早い人が35.02%、遅い人が50.38%でした(Roenneberg 2007)。この分布は補正前の値(MSF)なので、補正した値と比べる計算機の比較は目安です。
- 年齢: 子どものころは早く、思春期から少しずつ遅くなって、20歳前後(女性19.5歳、男性20.9歳)にもっとも遅くなり、その後はまた早くなります(Roenneberg 2004)。60歳を超えると、平均では子どもより早くなります(Roenneberg 2007)。
- 「〇〇型」と区分しない理由: 補正した睡眠の中央時刻を時刻の境界で分ける公式な区分表はありません。そのため計算機は「〇〇型」とは表示せず、最も多い時刻より何分早いか、遅いかだけを示します。
整えた予定へずらす方法
米国睡眠医学会(AASM)は、週末や休暇中も毎日同じ時刻に起きることを勧めています。厚生労働省のガイド2023も、週末・休日も普段と同じ時刻に起きて日光を浴びるよう呼びかけ、朝の光は体内時計を前進させ(早寝早起きの方向)、夕方以降の光は後退させると説明しています。ずらす速さは、AASMが新学期を控えた子どもに案内している、就床・起床時刻を1日15分ずつ動かす方法をそのまま使っています。
| ずらす時間 | 15分 | 30分 | 45分 | 1時間 | 1時間30分 | 2時間 | 3時間 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| かかる日数 | 1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 6日 | 8日 | 12日 |
たとえば起床時刻を7:00から6:30に早める必要があるなら、整えた予定は23:15就床・6:30起床になり、平日の就床0:30から1時間15分前倒しするのに5日かかります。初日は0:15に床に入って6:45に起き、2日目は0:00に入って6:30に起きます。その後は起床時刻を動かさず、就床だけを15分ずつ前倒しします。ずらしている間は、休日もその日の時刻に寝起きしないと、体内時計がまた後ろに戻ってしまいます。
年齢層別の推奨睡眠時間
| 年齢層 | 推奨される睡眠 | 計算機の眠る時間の下限 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 6〜12歳 | 9〜12時間 | 9時間 | 米国睡眠医学会 2016 |
| 13〜18歳 | 8〜10時間 | 8時間 | 米国睡眠医学会 2016 |
| 成人 | 7時間以上(目安は7〜9時間) | 7時間 | 米国睡眠医学会・睡眠研究学会 2015、米国睡眠財団 2015 |
| 65歳以上 | 7〜8時間 | 7時間 | 米国睡眠財団 2015 |
1週間の平均睡眠時間が推奨の下限より短いと、整えた予定は下限まで就床を早めます。下限より長ければ、その平均を15分単位で切り上げ、毎日均等に割り振ります。日本の厚生労働省ガイド2023は、成人に少なくとも6時間以上の睡眠を勧めています。
間違えやすいところ
- 就床時刻と入眠時刻を混ぜて入れる場合: 就床の欄には横になった時刻を入れ、寝つくまでの時間は別に入れます。すでに眠りについた時刻を入れたなら、寝つくまでの時間を0分にします。
- スマートフォンを見ていた時間まで就床に含める場合: 明かりを消して眠ろうとした時刻から数えます。横になってスマートフォンを見ていた時間は、寝つくまでの時間ではありません。
- 平日の夜の基準を取り違える場合: 月〜金に働くなら、日曜から木曜までの5晩が平日の夜で、金曜・土曜の夜が休日の夜です。
- 午前と午後を取り違える場合: 睡眠時間が16時間を超えるとエラーになるので、就床時刻の午前・午後をもう一度確認します。
- 昼寝を入れる場合: 計算は夜の睡眠1回を前提にしています。昼寝は睡眠時間に足しません。
限界と注意
- 社会的時差ボケと補正した睡眠の中央時刻は、MCTQの研究で使われる指標であり、睡眠障害を診断するものではありません。寝つきの悪さが続く、日中にひどく眠いといった場合は、睡眠の専門医に相談してください。
- 最も多い睡眠の中央時刻4:14は、中央ヨーロッパのデータです。国や緯度、年齢によって分布は異なる可能性があります。
- 1日15分という速さは、AASMが子どもの新学期の準備として案内したものです。大人の体内時計が同じ速さでついてくることを示した研究結果の数字ではありません。
- 平日と休日を、それぞれ1通りの予定に単純化しています。曜日によって時刻が大きく違う場合は、代表的な値を入れるか、睡眠日誌で確かめてください。
- 夜勤が混じる交代勤務、夜中に何度も目が覚める場合、夜間に目覚めている時間は、計算に含めていません。
基準日 MCTQの論文、米国睡眠医学会の案内、厚生労働省のガイドは、2026-10-19に原文で確認しました。推奨される睡眠時間は、睡眠時間計算機・睡眠負債計算機と同じ出典です。
出典
- 01Roenneberg T, et al. Social jetlag and obesity. Curr Biol 2012社会的時差ボケ = 休日と平日の睡眠の中央時刻の差(MSF-MSW)、1時間以上が69%・2時間以上が3分の1、睡眠時間を考慮しても過体重の群である確率と関連
- 02Roenneberg T, et al. Epidemiology of the human circadian clock. Sleep Med Rev 2007睡眠の中央時刻 = 入眠時刻と起床時刻の中間、最も多いMSFは4:14(14.6%)、それより早いのは35.02%・遅いのは50.38%、60歳を超えると子どもより早い
- 03Roenneberg T, et al. A marker for the end of adolescence. Curr Biol 200420歳前後にもっとも遅い(女性19.5歳・男性20.9歳)、補足資料の MSFsc = MSF − 0.5 × (SDf − 週の平均)
- 04Wittmann M, et al. Social jetlag: misalignment of biological and social time. Chronobiol Int 2006平日と休日、社会的な時間と生物学的な時間のずれを社会的時差ボケと呼ぶ
- 05Juda M, et al. Chronotype modulates sleep duration, sleep quality, and social jet lag in shift-workers. J Biol Rhythms 2013入眠時刻 = 就床時刻 + 寝つくまでの時間、休日にアラームを使う人はクロノタイプの計算から除外、交代勤務用の MCTQShift
- 06米国睡眠医学会(AASM): Healthy sleep habits"Get up at the same time every day, even on weekends or during vacations."
- 07米国睡眠医学会(AASM): Back-to-school sleep tips every parent should know新学期の数日前から、就床・起床時刻を1日15分ずつずらして学校の予定に合わせる
- 08厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」PDF 14ページ: 休日の寝だめによる起床の遅れと社会的時差ボケ(Social Jetlag)、平日6時間以上でも休日に2時間以上の寝だめ習慣がある人は寿命短縮リスクが軽減されないという報告。18ページ: 週末・休日も普段と同じ時刻に起きて日光を浴びる。45ページ: 朝の光は体内時計を前進、夕方以降の光は後退。成人は6時間以上
- 09Watson NF, et al. Recommended Amount of Sleep for a Healthy Adult (AASM·SRS). J Clin Sleep Med 2015"Adults should sleep 7 or more hours per night on a regular basis"
- 10Paruthi S, et al. Recommended Amount of Sleep for Pediatric Populations (AASM). J Clin Sleep Med 20166〜12歳は9〜12時間、13〜18歳は8〜10時間
- 11Hirshkowitz M, et al. National Sleep Foundation's sleep time duration recommendations. Sleep Health 2015成人は7〜9時間、65歳以上は7〜8時間
よくある質問
社会的時差ボケはどう計算しますか?
入眠時刻と起床時刻の中間である睡眠の中央時刻を、平日と休日で別々に求めて引きます。平日に0:45に眠って7:00に起きると中央時刻は3:53、休日に2:15に眠って10:30に起きると6:23なので、社会的時差ボケは2時間30分です。
社会的時差ボケは何時間から大きいといえますか?
公式な基準線はありません。MCTQのデータ(主に中央ヨーロッパ)では69%が1時間以上、約3分の1が2時間以上でした。睡眠時間を考慮しても、社会的時差ボケが大きいほど過体重の群に入る可能性が高い結果でした(Roenneberg 2012)。ただし、原因と結果を明らかにした研究ではありません。
補正した睡眠の中央時刻(MSFsc)とは何ですか?
休日の睡眠の中央時刻から、平日の睡眠不足を補うために長く眠った分を引いた値で、MCTQがクロノタイプ(朝型・夜型の度合い)を表すのに使います。寝だめの分は (休日の睡眠時間 − 1週間の平均睡眠時間) ÷ 2 で、休日のほうが長く眠っているときだけ引きます。
休日もアラームを使うと、なぜクロノタイプが出ないのですか?
クロノタイプは、アラームを使わずに体内時計のままに眠った休日の睡眠で測ります。MCTQの研究でも、休日にアラームを使う人はクロノタイプの計算から除かれています。社会的時差ボケと整えた予定は、アラームに関係なく計算します。
整えた予定はどう決めますか?
合わせる起床時刻(空欄なら平日の起床時刻)から眠る時間をさかのぼると入眠時刻になり、寝つくまでの時間だけさらに早めると就床時刻になります。眠る時間は、1週間の平均睡眠時間を15分単位で切り上げた値と、年齢層の推奨下限(成人は7時間)のうち長いほうです。
就床時刻は1日にどれくらいずつずらせばよいですか?
米国睡眠医学会は、新学期を控えた子どもの就床・起床時刻を1日15分ずつ動かして、学校の予定に合わせるよう案内しています。計算機は同じ速さで、今夜からの日ごとの時刻を示します。1時間ずらすなら4日、2時間なら8日かかります。
週末に寝坊してはいけませんか?
米国睡眠医学会は週末や休暇中も同じ時刻に起きることを勧めており、厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」も、休日に普段と同じ時刻に起きて日光を浴びるよう呼びかけています。同じガイドは、休日に長時間の睡眠が必要な場合は平日の睡眠時間が不足しているサインだとしているので、休日の寝坊より平日の就床を早めるほうが望ましいです。
交代勤務でも使えますか?
この計算は夜に眠って昼に働く予定を前提としたMCTQの方式なので、夜勤が混じる交代勤務には合いません。交代勤務用の質問票(MCTQShift)は、早番・遅番・夜勤ごとに眠った時刻を別々にたずねます。